ミニ・レビュー
3枚目のフル・アルバム。収録12曲中9曲にタイアップが付いている。すべての曲がキャッチーなdat節にあふれている。DVDにはアルバム・タイトルと同名のオリジナル映画の第1・2話ダイジェストと第3話を収録。出演は末永遥ほか。
ガイドコメント
彼らにとって3枚目となるアルバム。オリジナル・ストーリーを軸に展開する一連のコラボレーションを集約する作品で、同タイトルのオリジナル映画をはじめ、CMソングなどのタイアップ曲が満載。
収録曲
[Disc 1]
01君と逢えた奇蹟
ロックやテクノ的な要素を少しずつ取り入れたサウンドに、素直な声質を持つmisonoのヴォーカルがうまくマッチしている曲だ。ギターのカッティングも特徴的だが、あくまで楽曲の骨格は歌をメインに押し出している。
02God bless me!
ザクザクとしたギターの音が、日々の生活に疲れを覚えている女性の鬱な気持ちを、前へ進んでいく力へ変えていくようだ。誰もが感じている、身近な未来さえ見えにくい生活。だからこそ共感度も高く、歌詞が胸に響いてくる。
03せつなさはこの胸の中に
「ゴメン」とも言えず別れた2人。春になったらお互い変わった自分でいられるかな?! 別れたばかりの女性の切ない心模様を、ミッド系ナンバーに乗せ歌いあげていく。哀愁味炸裂なギター・ソロが、切ない想いをかき立てる。
04七つ星を数えたら
歪むギターの音色が2ビートのロックな躍動を描いていく。当時流行っていたスカパンク的な影響も楽曲の中へ加味。day after tomorrowのなかではとても珍しい、ジッタリンジン的なムードを醸し出すロック調のアップ・テンポなナンバーだ。
05lost angel
どこか京都の街にでも合いそうなメロディを中心に、重厚感のあるロックが展開されていく。こういう“和”のテイストとロック・サウンドの融合を、彼らだからこそ実に巧みにやってのけられることを証明するような曲だ。
06Where so ever
会いたくて仕方ない、という気持ちの内側から込み上げる愛しき想いを描写。気持ちは高ぶっていくが、楽曲自体は、シンシンとした風景が浮かぶ“冬の冷たさ”を描きあげている点が特徴的なナンバー。
07honestly
哀愁を帯びたメランコリックなナンバー。ピアノの優しげな音色へ麗美なストリングスの調べが寄り添い、儚さを携えながらも“潤い”与えるアコギのフレーズが、随所へ響きわたる。ついホロッとしてしまうような、泣きのバラード。
08追伸
一緒にいろいろな冒険を繰り返した青春時代から続く友情。これからもよろしく、と、大好きな親友へ向け口には出せない思いを綴った、マイナー調のポップ・ロック・ナンバー。
09ユリノハナ
映画『day alone』主題歌。ピアノの調べに乗せて物語が始まったと思いきや、一転ビート・アップしたロック・ナンバーへ転調。抑揚を持った歌声の表情に合わせて演奏も次々と表情を変えていく、切ない風景の似合うドラマティックなナンバー。
10瞑想
琴の音色を旋律へ加え、和の雰囲気と初春という季節感を巧みに描きあげていく。淡々としたシンプルな演奏へ徹したからこそ、さりげなく響く琴の音色が強烈に胸へ飛び込んでくる。叙情性を覚える歌だ。
11そして僕にできるコト
day after tomorrow流QUEENへのオマージュ・ソング……というのは、早計か。随所へ同バンドからの影響を感じさせるフレーズを加えつつ、スケール感とドラマ性にあふれたサウンドを構築。その壮大な世界観に圧倒され、感涙な想いが宿る。
12more than a million miles
彼らにとってはやや珍しいタイプの落ち着いたバラード曲だ。いつものようなプログレ的な展開は影を潜めてはいるものの、やはりギターを中心にどっしりとしたサウンドは健在で、どこを切っても彼らの楽曲になっている。
[Disc 2]〈DVD〉
01オリジナル映画「day alone デイ アローン〜マノーラと姫ちゃん〜」第1・2話ダイジェスト
02オリジナル映画「day alone デイ アローン〜マノーラと姫ちゃん〜」最終話