ミニ・レビュー
「シバの女王」で朗々と響くハイCには聴く者をとりこにする力強さがある。パリ・バスティーユ・オペラで活躍するメキシコ生まれのヴィラゾン。次代を担うテノールの最右翼に位置する新鋭だ。はち切れんばかりの若さ漲る声が詰まった魅惑のデビュー盤である。★
ガイドコメント
いわゆる3大テノールより2世代下の30歳代を代表するテノール、ヴィラゾンの日本デビュー・アルバム。初来日前の発売ということで、話題をさらう。リリコ・テノールとして期待の高まる選曲となっている。
収録曲
マスネ:
01歌劇「ルシッド」〜ロドリーグの祈り「おお、父なる主よ!」 (第3幕)
02歌劇「マノン」〜デ・グリューのソロ (夢の歌)「目を閉じれば」 (第2幕)
03歌劇「ウェルテル」〜ウェルテルのソロ「言われた通り...旅から息子が」 (第2幕)
グノー:
04歌劇「ロメオとジュリエット」〜ロメオのカヴァティーヌ「恋よ!恋...ああ!昇れ、太陽よ!」 (第2幕)
05歌劇「ポリュークト」〜ポリュークトのスタンス「心地よい泉よ」 (第4幕)
06歌劇「シバの女王」〜アドニラムのエール「人々の心の弱さよ...我に霊感を与えたまえ、神々よ」 (第2幕)
マスネ:
07歌劇「ラオールの王」〜アリムのレシタティフとエール「妙なる陶酔で我を満たす声よ...夜、運命の夜よ」 (第4幕)
08歌劇「グリセリディス」〜アランのシャンソン「冬の寒さが大枝から追い立てた鳥、それが僕なのだ」 (第2幕)
09歌劇「ウェルテル」〜ウェルテルのソロ (オアシスの歌)「なぜ我を目覚めさせるのか、春風よ」 (第3幕)
グノー:
10歌劇「ミレイユ」〜ヴァンサンのカヴァティーヌ「僕の心は暗い思いに満ち...天使たちよ! (第5幕)
11歌劇「ロメオとジュリエット」〜二重唱冒頭のロメオのソロ・パート (墓場のエール)「ここだ、墓よ!ご機嫌よう、暗く物言わぬ墓よ」 (第5幕)
12歌劇「ファウスト」〜ファウストのカヴァティーヌ「清らかな住まい」 (第3幕)
マスネ:
13歌劇「マノン」〜デ・グリューのソロ「僕は独りきりだ...消え去れ優しい面影よ」 (第3幕)
14歌劇「ローマ」〜ラントゥルスのソロ「彼女に会うのだ...」 (第3幕)
15歌劇「魔術師 (マージ教僧侶)」〜ザラストラのソロ「ああ、現れよ、わが天空の運命を司る星よ」 (第2幕)
演奏
ロランド・ヴィラゾン(T) エヴェリーノ・ピド指揮 フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団 (2)ナタリー・デセイ(S)