ミニ・レビュー
これほどすばらしい演奏のオリジナル・マスターが失なわれたのは残念でならない。このCDはエンジニアがコピーしていたカセット・テープからのリマスタリングもの。本来の音質はもっと繊細だったに違いないが、この80年の奇跡のような演奏を聴くうえで大きな妨げとはならない。何しろ70年代はクラシック音楽から距離を置いていたグルダが、モーツァルトを弾いたのだ。軽やかに鍵盤上を走るタッチ、鋭敏で生き生きとしたコントラスト、これ以上の自然さはないと思わせるテンポ感、豊かな情感……最高のモーツァルト!
ガイドコメント
グルダの未発表音源。グルダ個人の楽しみとして1980年の冬に録音していたもの。息子リコの協力の下に世に出ることになった。マスタリングも万全で、グルダの宝物がひとつ増えた。