ガイドコメント
ラテン・ロックのパイオニアとして君臨し続けるサンタナのデビュー作。激烈なパーカッションと官能的なエレクトリック・ギターで、カリフォルニア・サウンドのイメージを塗り変えた、革命的なサウンドを聴かせてくれる。
収録曲
01WAITING
パーカッションに絡むハモンド・オルガンのイントロから早くも濃厚なサンタナの世界。カルロスのギター・ソロの出番が来る前に勝負はついているが、それが始まったらもう逃げられない。インストゥルメンタル曲でここまで個性的なサウンドはまさに唯一無二。
02EVIL WAYS
ビル・グレアムの薦めでカヴァーしたウィリー・ボボの曲。初期サンタナの個性を最もキャッチーなスタイルで凝縮したラテン系ポップ・ソングだが、終盤のギター・ソロ・パートではサンタナらしいライヴ仕様のセッションを聴かせてくれる。全米9位のヒットを記録。
03SHADES OF TIME
ブルース・ロック+アフロ・キューバンという初期のコンセプトが最も理想的な形で具現化された曲。言い換えれば、当時のロック・ファンに理解しやすいスタイルのラテン・ロックか。メロディやギター・ソロも濃厚にラテン調であると同時にポップでキャッチー。
04SAVOR
チェピートのティンバレス・ソロをフィーチャーしたインストゥルメンタル曲。高速マンボ・ビートを鮮やかに叩き出すチェピートのプレイが圧巻。前半でのローリーの躍動感あふれるオルガン・ソロも秀逸。ウッドストック・フェスでも披露された曲のひとつ。
05JINGO
アフリカン・ドラムを思わせるリズムを基調にしたアフロ“キューバン”ロック。カラベロとシュリーヴがベーシックなリズムを受け持ち、チェピートがリフやソロを展開する。ライヴで映える曲のひとつであり、ウッドストック・フェスでも披露された初期の代表作。
06PERSUASION
ローリーのヴォーカルをフィーチャーしたR&B調の曲。燃え上がるようなタッチのリズム・ギターのカッティングが印象的。1stアルバムでは最もラテン調ではないサウンドのレパートリーだが、ここでもギターやオルガンのプレイは極めてパーカッシヴ。
07TREAT
カルロスのエレクトリック・ギターとローリーのピアノとの絡みが新鮮なインストゥルメンタル曲。ソロもたっぷりと披露してくれるローリーのジャジィでブルージィなピアノが大活躍。いつもはオルガン主体だが、ピアノを使ったサンタナ・サウンドも魅力的。
08YOU JUST DON'T CARE
ローリーのヴォーカルをフィーチャーしたサンタナ流ブルース・ロック。やや控えめなオルガン・ソロと遠慮を知らないギター・ソロが楽しめる。比較的オーソドックスなブルース仕様になっているが、過剰なまでにパーカッシヴなサウンドはやはりサンタナ。
09SOUL SACRIFICE
ジャム・セッションから生まれたインストゥルメンタル曲。カラベロのコンガから始まり、テーマ後のギター・ソロ、コンガ・ソロ、ドラム・ソロを経て、オルガンとギターが主役の座を奪い合いながら演奏はピークへと進む。初期サンタナを象徴する代表作のひとつ。
10SAVOR
1969年8月17日、ウッドストック・ミュージック&アート・フェアでのライヴ録音。チェピートのティンバレス・ソロとシュリーヴのハイハット・ソロをフィーチャーしたインストゥルメンタル曲。高速マンボ・ビートをクールに叩き出すチェピートのプレイが素晴らしい。
11SOUL SACRIFICE
1969年8月17日、ウッドストック・ミュージック&アート・フェアでのライヴ録音。それぞれの饒舌なソロをフィーチャーしたジャム・セッション仕様のインストゥルメンタル曲。映画『ウッドストック』を通してサンタナの存在を全世界に向けて発信した初期の名演。
12FRIED NECKBONES
1969年8月17日、ウッドストック・ミュージック&アート・フェアでのライヴ録音。作曲者ウィリー・ボボの本拠地ニューヨークに敬意を表して演奏されたアンコール・ナンバー。オルガンとギターのソロに続いて、チェピートが得意のトランペット・ソロを披露する。