ミニ・レビュー
大ヒットした初ソロ作から4年ぶりとなる2作目。ティンバランドらを迎えて制作した楽曲はヒップホップ、ソウル、ファンク、ロックほか、さまざまな要素が渾然一体となった刺激的なもの。官能的な歌唱も磨きが掛けられた、向かうところ敵なしの好作品。
ガイドコメント
傑作デビュー・アルバムから4年、ジャスティン・ティンバーレイクの2ndアルバム。テーマは“セクシー”で、過激かつ革新的でありながらポップな内容。音楽シーンに衝撃を投げ込む斬新さにあふれている。
収録曲
01FUTURESEX / LOVESOUND
ジャスティンとティンバランドの共同プロデュースによるアルバム『フューチャー・セックス/ラヴ・サウンズ』タイトル・トラック。ところどころに80年代を想起させるフレーズを盛り込んだミディアム・ファンクで、ジャスティンの歌もセクシーで軽やかに舞っている。
02SEXY BACK
ティンバランドをフィーチャーした、ニュー・ロマンティックとヒップホップをミックスしたような刺激的なサウンドが突き刺さるナンバー。ジャスティンのどことなくバイ・セクシャルを意識したかのように聴こえる中性的なヴォーカルも魅力的だ。
03SEXY LADIES|LET ME TALK TO YOU (PRELUDE)
80年代の絶好調だった時期のプリンスを彷彿とさせるミディアム・ファンク・ナンバー。ファルセットを効果的に使ったジャスティンのヴォーカルも曲のイメージにマッチしている。ティンバランドとの共同制作。
04MY LOVE
アトランタ出身のラッパー、T.I.をフィーチャーしたヒップホップ・テイスト・ナンバー。派手めのトラックに乗る、T.I.の甘めの声で放つノリのいいラップとジャスティンのファルセット・ヴォイスとが、絶妙の絡みを披露している。
05LOVE STONED|I THINK SHE KNOWS (INTERLUDE)
バックにストリングスを採り入れた、洗練されたサウンドの響きが印象的なハウス/ヒップホップ調ナンバー。昂揚感に満ちた前半部から抑制を効かせた後半部への展開がナチュラルで、ジャスティンも巧みに歌いこなしている。
06WHAT GOES AROUND...|...COMES AROUND (INTERLUDE)
緻密かつ繊細に作り込まれたアレンジを持つミディアム・チューン。だが楽曲そのものはポップスの範疇を逸脱しておらず、ジャスティンのスウィートなヴォーカルも含め、なめらかな聴き心地を与えてくれる1曲。
07CHOP ME UP
ティンバランドとジャスティンと同郷のメンフィス出身、スリー6マフィアをフィーチャーしたトラック。レゲエのリズムを採り入れたヒップホップ・ナンバーで、お互いに息の合ったフロウの応酬を小気味よく披露してくれる。
08DAMN GIRL
ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムがプロデュース、ゲスト参加したナンバー。70年代風ファンクにロックを掛け合わせたサウンドが、ところどころに泥臭さとノスタルジックな趣きをもたらしているのが魅力的だ。
09SUMMER LOVE|SET THE MOOD (PRELUDE)
80年代風の引きずるようなキーボードのフレーズが印象的な残る、スロー・ファンク・ナンバー。粘り気のある重めのバック・トラックとジャスティンの甘さをたたえた爽やかなヴォーカルの対比が面白い。
10UNTIL THE END OF TIME
音数を減らしたオーガニックなサウンドのミディアム・ナンバー。一聴しただけでは地味に聴こえるが、メロディの美しさ、シンプルながらツボを押さえたアレンジ、ソウルフルな歌声……すべての点において、極上に仕上がっている1曲だ。
11LOSING MY WAY
フォーキーな印象すら抱かせる穏やかな前半部から、ゴスペル・ライクなコーラスやハンド・クラップが加わりクライマックスを迎える後半部への展開が鮮やかな、メロウなR&Bナンバー。ティンバランドとの共同プロデュース作品。
12(ANOTHER SONG) ALL OVER AGAIN
大御所リック・ルービンがプロデュースを手掛けたバラード・チューン。シンプルなアコースティック・サウンドをバックに、丁寧にじっくりと歌い込むジャスティンのソウルフルなヴォーカルが胸に染みる、美しい楽曲だ。
13POSE
スヌープ・ドッグをフィーチャーした、ウィル・アイ・アムとの共同プロデュース作品。ポップなフレーズが満載の陽気なヒップホップ・ナンバーで、スヌープとジャスティンの息の合ったラップが楽しめる。