ガイドコメント
イン・シンクの中心的存在であるジャスティン・ティンバーレイクが、2002年に発表したソロ・デビュー作。ヒップホップ寄りのサウンドとヴォーカルを活かした傑作で、ポップ・スターからの脱皮を図った。
収録曲
01セニョリータ- SEムORITA -
ネプチューンズ、ファレルのMCで始まる、ジャスティンのソロ・デビュー・アルバム『ジャスティファイド』オープニング・トラック。エキゾティックに味付けされたセクシーなヴォーカルに、ゾクゾクさせられる。
02LIKE I LOVE YOU
ソロ・デビュー作『ジャスティファイド』のリード曲。ラテン色の強い乾いたギター音と重みのある打ち込みサウンドが、スリリングな空気を生み出していく。大物プロデューサー、ネプチューンズの仕事はさすがにスキがない。
03(OH NO) WHAT YOU GOT
不穏な空気の漂う重いベース音に空を舞うようなキラキラとしたシンセサイザーが印象に残る、怪しげな雰囲気の中で歌われるナンバー。ジャスティンの声はどこまでもソウルフルで、アイドルから一皮むけた彼の姿が堪能できる。
04TAKE IT FROM HERE
きれいなメロディが光るミディアム・スロー・バラード。そっと心を包み込んでくれるようなジャスティンのヴォーカルは特筆もの。じかに心に響いてくるような打ち込みサウンドが、楽曲の魅力的なアクセントとなっている。
05CRY ME A RIVER
細かく配されたヒューマン・ビートボックスが不可思議な空間を作り出す、ティンバランドのプロデュース作品。大胆なストリングスの導入など、リスナーを飽きさせない数々の工夫が施され、ヒット・メイカーと呼ばれるにふさわしい質の高い楽曲を構築している。
06ROCK YOUR BODY
往年のディスコ・ヒットの系譜にあたるキャッチーでノリのいいトラックが、無敵のポップ・スター、ジャスティンが歌うことでさらに輝きを増している。清々しいビートも相まって、気持ち良く聴ける曲に仕上がっている。
07NOTHIN' ELSE
自問するような低音ヴォーカルが真摯に響き、ネプチューンズによるプロデュースもヴォーカルを引き立てるために専念した作り。ブラックやソウルへの愛を表わしつつも、決してまねごとでは終わらないジャスティンの本物のヴォーカルが聴きどころ。
08LAST NIGHT
曲のストーリーをしっかりと演出してみせる、ジャスティンのヴォーカルが見事。幼い子供のように純粋で、ちょっとわがままな印象も受ける歌声は、聴くものの心をつかんで離さない。彼の高い人気も納得できる1曲。
09STILL ON MY BRAIN
体を揺らす心地良いビートの上に、ドラマチックでジャジィなピアノがゆったりとかぶさる大人の楽曲。いっそう深みを増したジャスティンの優しいヴォーカルが、甘く幸福な空間へと誘い込む極上のバラードだ。
10(AND SHE SAID) TAKE ME NOW
人気プロデューサー、ティンバランドの才能が傑出した作品。ループ・トラックとエコーがかかったヴォーカルによって、曲のストーリー世界を見事に音像化している。また後半の挑発的に心を揺さぶるような展開が斬新で、存分に楽しませてくれる。
11RIGHT FOR ME
ジャスティンのまっすぐに伸びるヴォーカルをきわだたせるような、ティンバランドによるシンプルなトラック・メイキングが秀逸のナンバー。あくがなく聴きやすいうえに、存在感がある。ゲスト参加のババ・パークスとの掛け合いも絶妙だ。
12LET'S TAKE A RIDE
R&Bの王道を行く、メロウでノスタルジックなナンバー。ジャスティンが寄せる往年のR&Bへの愛情がにじみ出ているあたりは、聴いていて嬉しくなってしまう。見事に本格派シンガーへと成長した彼の姿が確認できる1曲だ。
13NEVER AGAIN
ほぼピアノとヴォーカルのみで構成されたシンプルなナンバー。わずかの飽きも感じさせないのは、ジャスティンのヴォーカルが作り出す張り詰めた切実さゆえといえる。美しいピアノの音色にも勝る彼の歌声には、男性でも惚れてしまいそうだ。