ミニ・レビュー
ドイツ・プログレを代表する一人、クラウス・シュルツェの初期作品群(72〜77年)が紙ジャケ化。シュルツェはどちらかというとプログレというよりはアンビエントに近く、ひと言でいうと宇宙の真中で繰り返す波の音を聴いているような感じだ。それが顕著に出ているのが『イルリヒト』と『サイボーグ』という最初の2枚。1曲二十数分は当たり前のシュルツェだが、10分後も20分後もたいした変化がないという極めつきのアンビエントを聴かせる。3枚目の『ブラックダンス』あたりから聴きやすくなり、名盤の名高い『タイムウィンド』と『ムーンドーン』はカフェで流れてもおかしくない心地よさ。このシリーズはボーナス・トラックもすごいことになっていて、1曲25分や50分の曲が平気で追加され、『タイムウィンド』に至っては56分のボーナス・ディスク付き2枚組になったほど!
ガイドコメント
タンジェリン・ドリームやアシュ・ラ・テンペルで活躍したシンセ奏者のソロ作。シュトックハウゼン的手法を取り入れた現代音楽を軸に、エレクトロニクスを駆使して独特のトリップ・サウンドを展開。
収録曲
01SATZ: EBENE
02SATZ: GEWITTER/ENERGY RISE - ENERGY COLLAPS
03SATZ: EXIL SILS MARIA
04DUNGEON