ミニ・レビュー
フランス出身のデセイがベルカントを中心とするイタリア・オペラ・アリア集にトライした。リリックな美声だけでなく、イタリア・オペラにふさわしいドラマティックな表現力が満喫できる。見事なコロラトゥーラとともにあふれ出る生命感が魅力的だ。
ガイドコメント
デセイ40代の頃の、充実した時期の録音。コロラトゥーラから人間の内面をも表出する深みのある声を獲得し、表現力をいっそう増してきた彼女が、本作ではイタリア・オペラに挑戦。「ルチア」の狂乱の場など必聴の1枚だ。
収録曲
01歌劇「椿姫」 (ラ・トラヴィアータ)〜不思議だわ…ああ、そは彼の人か/どうかしてる!…いつも自由で、花から花へ (ヴェルディ)
02歌劇「清教徒」〜おお、私に希望を返して下さいませ/ここで貴方の優しいお声が/いらっしゃい、愛しい方 (ベルリーニ)
03歌劇「マリア・ストゥアルダ」〜おみ足が速くて、女王さま/ああ雲よ、なんと軽やかに/寂しき安らぎの平和も失われ (ドニゼッティ)
04歌劇「リゴレット」〜グワルティエル・マルデ…慕わしきみ名 (ヴェルディ)
05歌劇「カプレーティとモンテッキ」〜こうして私は晴れの衣裳を着せられ/ああ!いくたびか (ベルリーニ)
06歌劇「ランメルムーアのルチア」〜あの方の声の優しい響きが/香炉がくゆり/エンリーコ様が/私の死骸の上に苦い涙を注いでください (ドニゼッティ)
演奏
ナタリー・デセイ(S) エヴェリーノ・ピド指揮 コンチェルト・ケルン (1)(4)ロベルト・アラーニャ(T) (2)(4)(6)フランク・フェラーリ(BR) マシュー・ローズ(BS) (3)カリーヌ・デエ(MS) (4)(6)ヨーロッパ室内合唱団 (6)ヴォルフガング・クローゼ(BS)