ミニ・レビュー
非常に美しいアルバムだ。スミ・ジョーの自在な歌唱が心地よい。バロック特有の高度に技巧的な装飾技法も、非常に安定したテクニックで軽々とこなし、しっとりと抒情的なフレーズもこの上なく美しい。高低、強弱、緩急と、嫌になるくらい声のコントロールは完璧だ。★
ガイドコメント
韓国出身のオペラ歌手、スミ・ジョーの2007年11月発表の作品はバロック・アリア集。イタリア仕込みのベル・カント唱法を巧みに使い、彼女ならではのバロックの世界を繰り広げている。
収録曲
01モテット「地上に真の平安はなく」RV.630〜地上に真の平安はなく〜第1楽章 ラルゲット (ヴィヴァルディ)
02歌劇「グリセルダ」RV.718〜ニつの風に乱されて (ヴィヴァルディ)
03「御身が我がかたわらに」 (シュテルツェル/J.S.バッハ)
04オラトリオ「快活の人、沈思の人、中庸の人」HWV55〜暁が夜にしのび込み (ヘンデル)
05オラトリオ「セメレ」〜そなたの赴くところ (ヘンデル)
06「そっと黙って、お喋りめさるな (コーヒー・カンタータ)」BWV211〜ああ、なんてコーヒーは美味しいんでしょう (J.S.バッハ)
07劇音楽「オイディープス」Z.583〜しばしの間の音楽 (パーセル)
08オラトリオ「サムソン」HWV57〜輝けるセラフィムたちを (ヘンデル)
09歌劇「タメルラーノ」RV.703〜私は蔑ろにされた妻 (ヴィヴァルディ)
10セミ・オペラ「アーサー王」Z.628〜もっとも美しい島 (パーセル)
11歌劇「リナルド」HWV7a〜私を泣かせてください (ヘンデル)
12カンタータ「わが心には憂い多かりき」BWV21〜ためいき、涙、心痛 (J.S.バッハ)
13オラトリオ「メサイア」HWV56〜われ知る、われを贖う者は生く (ヘンデル)