ミニ・レビュー
2011年にデビューした4人組(大島優子、北原里英、指原莉乃、横山由依)が、結成3年にしてついにファースト・アルバムを発表。これまでのシングル曲はもちろん収録、コミカルなものから切なめの曲まで次々と聴かせる。横山のソロや、CMで話題の「世界の風を僕らは受けて」も収録。
ガイドコメント
AKB48からの最強ユニットによる、2014年4月23日リリースの1stアルバム。デビュー曲「週末Not yet」から5th「ヒリヒリの花」までのヒット・シングルや外為オンラインCMソング「世界の風を僕らは受けて」ほかを収録した充実作だ。
収録曲
[Disc 1]
01週末Not yet
テレビ朝日系ドラマ『Dr.伊良部一郎』主題歌の1stシングルは、ギターの軽快なカッティングとキラキラとしたサウンドが心地よいポップ・チューン。退屈な平日に耐え、君に会える週末を楽しみにする心情を描いた歌詞がキュート。
02波乗りかき氷
波乗り、かき氷の次でいいから私を好きになって……健気な乙女心を秋元康ならではのちょっぴり変わった角度から描いたタイトルどおりのサマー・チューン。性急なビートに乗せて、夏っぽいものをこれでもかと詰め込んだ歌詞が賑やかで楽しい。
03ペラペラペラオ
なんとも不思議なタイトルは、カフェで働く君と“ペラペラ”話せるような自分になれたら、という想いが詰まった造語。話のきっかけを探しながら、結局会話の糸口を探すことができない姿をアップ・テンポのサウンドに乗せて描いた2ndシングル。
04西瓜BABY
久しぶりの帰郷で再会した田舎のマドンナとの恋を描いた3rdシングル。アップ・テンポのウキウキするようなサウンドとちょっぴり切なめの要素をはらんだグッド・メロディ、そして不思議な語感をもったキメのフレーズが融合した“らしい”ナンバーだ。
05ヒリヒリの花
高値の花への告白をテーマに、ヒリヒリするような緊張感こそが生きている証なんだと歌うが、それは恋だけじゃなく人生にも言えること。ドキドキを表わすような高速ビートとゆったりしたメロディの対比が見事。常盤薬品工業「なめらか本舗」CMソングの5thシングル。
06ひらひら
セツナ成分たっぷりのエレキ・ギターのアルペジオで幕を開けるミディアム・バラード。ひらひらと舞う桜のように、これからはそれぞれ未来を歩んでいくんだと歌うサクラ&卒業ソングだ。誰もが経験する青春の1ページをドラマティックなサウンドで描く。
07ハグ友
どこか90年代を思わせる牧歌的な雰囲気が漂うポップ・ナンバー。大切な親友に向けて“今度会ったらハグしてあげる”と歌うピュアな友情ソングで、スペシャル・ゲストの小嶋陽菜と大島優子によるデレデレした会話が聴ける間奏にニヤリ。
08海鳴りよ
歌謡曲や演歌を思わせるタイトルながら、ハードなダンス・ナンバーの要素を取り入れたサウンドが印象的。“目指すのは夢じゃなく その生き方を信じてごらん”という力強いメッセージに背中を押される。クールなヴォーカルが新鮮だ。
09次のピアス
ピアノとギターが絡み合う儚いイントロで幕を開けるアップ・テンポのナンバー。ひとつの恋が終わり、新しい道を進んでいく心境を“次のピアスをあけるよう”と表現する秋元康のセンスはさすがのひと言。大島優子が出演する外為オンラインCMソング。
10味方
ピアノを中心に落ち着いたサウンドスケープを作り上げたバラード。落ち込んでいる愛する人を前に、自分にできることを考える。“生きること 分け合いたい”という純粋な願いが、語りかけるようなまっすぐな歌唱とともに胸に沁みてくる。
11元カレが結婚する時
すみだしんやが作曲を手がけたアップ・テンポのポップ・チューン。幼なじみの女の子が元カレと結婚、というストーリーを王道アイドル・ソング的なシンプルなアレンジで明るく描く。おめでたいけれどちょっぴりショック……複雑な心情とサウンドのギャップが肝。
12希望の花
アコースティック・ギターやピアノをはじめ、さまざまが楽器を用いてファンタジックで温かいサウンドに仕上げたミディアム・バラード。時間はかかっても、いつか希望の花が咲く。環境は平等ではないということを受け入れた上で信じる強さに、心が突き動かされる。
13爆発プロフェッサー
“シュビデュバ フーウー”という冒頭のコーラスをはじめ、オールディーズなテイスト満載のアレンジが楽しいナンバー。髪の毛チリチリ、分厚い眼鏡、身長も低いしお腹も出てる……目に浮かぶような“爆発プロフェッサー”に惹かれる不思議な女心をキュートに歌う。
14guilty love
北原里英が作詞を手がけ、許されぬ恋を描いた危険なラヴ・ソング。“そんな金属の首輪 早く捨てちゃえばいいのに”など、秋元康のお株を奪うかのような過激な表現がたっぷり。大人の色気に満ちた切迫した歌唱にも思わずドキッとさせられる。
15May (横山由依)
久保田早紀の「異邦人」を思わせる、どこか懐かしくも不思議な雰囲気が漂う横山由依のソロ曲。愛する人が出ていった部屋で切なさを噛み締めながら暮らす姿を描いた歌詞も、どこか70〜80年代的。儚げな声もピッタリとハマっている。
16世界の風を僕らは受けて
外為オンラインのCMソングに起用されたポップ・チューン。ハンドクラップとギターのカッティングが軽快な前半から、コーラスを駆使して一気に風が吹き抜けるような広がりを見せるサビへ。“風がないなら口笛を吹け!”と、冒険者の背中を力強く押してくれる。
17Already
ユニット名と対照的なタイトルを冠した感動的なバラード。シンセサイザーなどを駆使したスケールの大きなサウンドのもと、“いつかまた会える日まで星の下で約束しよう”と、大切な人との別れ、そしていつまでも変わらぬ愛を描く。
[Disc 2]〈DVD〉
01世界の風を僕らは受けて (Music Clip)
02Not yetによる、Not yet的な、Not yetのココがイイ
03Not yet インタビュー〜それぞれの想い〜
04「ヒリヒリの花」プレミアムイベント