ミニ・レビュー
大家シェリング40歳代の録音がCDとして復刻された。ブラームスの第2楽章における格調高く堂々と鳴り響く調べに惹かれる。晩年の深い味わいとは異なる壮齢の魅力と言ってよい。冴え渡る技巧と名器グァルネリの音色が渾然一体となった演奏に舌鼓を打つ。
ガイドコメント
シェリングの1950年代後半、40歳前後の録音だ。協奏曲はいずれもシェリングにとって最初の録音で、室内楽のブラームスは唯一の録音となる。いずれも美しく端正な演奏で、若きシェリングの雄姿が浮かび上がる。
収録曲
[Disc 1]
01ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.77 (ブラームス)
02ホルン三重奏曲変ホ長調op.40 (ブラームス)
[Disc 2]
01ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35 (チャイコフスキー)
02スペイン交響曲ニ長調op.21 (ラロ)
演奏
ヘンリク・シェリング(VN) [1] (1)ピエール・モントゥー指揮 ロンドン交響楽団 (2)ヴィクター・バビン(P) ヨーゼフ・イーガー(HR) [2] (1)シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団 (2)ワルター・ヘンドル指揮 シカゴ交響楽団
録音
[1] (1)58.6 (2)59.3 [2] 59.2