[Disc 1]
01D'YOU KNOW WHAT I MEAN?
ザ・ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」を意識したという1997年に発表したシングル。ビートルズよりもハードなリフとリズム隊は、ハードロック寄りのサイケ・サウンドに近い楽曲に仕上がっている。
02MY BIG MOUTH
過剰に歪んだギター・サウンドがけたたましく鳴り響くイントロから始まるガレージ・ナンバー。“オレのビッグ・マウス オレのとどろく名声”という、ブリットポップ・シーンを牽引したバンドだからこその“ビッグ・マウス”が飛び交う。
03MAGIC PIE
ドリーミーなメロディとメロトロンの浮遊感がサイケデリックなバラード。“オレだって以前はあんな通行人だったんだ”と綴られた歌詞は、成功を成し遂げた自身のことを指しているかのよう。アウトロはジャズに変貌を遂げるプログレッシヴなアレンジ。
04STAND BY ME
ノエルのソングライティングが光った、代表曲にして14枚目のシングル。ツイン・ギターの切なく瑞々しいハーモニーは、ギター・ロックの真髄。“オレのそばにいてくれ”というリフレインは、ビッグマウスで嘯いていたノエルの本心のように聞こえる。
05I HOPE, I THINK, I KNOW
層の厚いギター・サウンドと疾走するドラムがパワプルな一曲。熱気を帯びた演奏にあわせ、向かうところ敵なしだったブッリトポップ隆盛期の自分たちを引き摺り下ろそうとする人々への返答のような歌詞が綴られている。
06THE GIRL IN THE DIRTY SHIRT
代表曲「モーニング・グローリー」を思わせるイントロから胸をつかまえられるミドル・チューン。“微笑んでおくれ さぁ今すぐに”とクールに愛を語るサビの美しいメロディ、ハーモニー、そしてラストに流れるウーリッツァーがロマンティックだ。
07FADE IN - OUT
全編とおしてロウな雰囲気が漂うブルージィなナンバー。楽曲のイメージを決定づけるイントロのスライド・ギターは、俳優のジョニー・デップによるもの。“お前はぼんやりと姿を現して消えていく”というサイケデリックな歌詞も楽曲にあっている。
08DON'T GO AWAY
通算16枚目のシングル。“ずっとそこにいると言ってくれ”と別れを惜しむ言葉を切々と綴ったメロンコリックな一曲。ノエル節が炸裂したコード展開と、青筋が浮かんでいるかのように歌い上げるリアムのヴォーカルが胸に響く。
09BE HERE NOW
アルバム・タイトル曲。トイピアノの音をスロー・ダウンさせた奇怪な鍵盤音からスタートし、ストーンズの「ホンキー・トンク・ウーマン」のようなブルージィな展開に。“生まれた日から嵐を巻き起こしてきたオレ”と石原裕次郎ばりの“嵐を呼ぶ男”っぷりを語っている。
10ALL AROUND THE WORLD
9分を超える通算15枚目にして4作目となる全英1位を記録したシングル。リードギターとリズムギターによるキラーなハーモニーが展開されるというオアシス節に、さらにストリングスを追加。エモーショナルなアレンジに仕上がっている。
11IT'S GETTIN' BETTER (MAN!!)
ジャムセッションの末にでき上がったという、全体的にラフな演奏がストーンズを思わせる痛快かつな爽快なロック・チューン。“ひとりぼっちだと思うことはもう絶対ないだろう”というノエルからの励ましの言葉も胸を熱くする。
12ALL AROUND THE WORLD
シングル「オール・アラウンド・ザ・ワールド」をアレンジしたインスト曲。オリジナルのサビ部分が持っている崇高な高揚感をホーンで見事にアレンジし、最後はドアが閉まる音で終わるというオチもオシャレに決まっている。
13ALL AROUND THE WORLD
シングル「オール・アラウンド・ザ・ワールド」のデモ・ヴァージョンにして日本盤のボーナス・トラック。アコースティック・ギター一本で演奏されており、オリジナルよりも切なさが漂うヴァージョンに仕上がっている。
[Disc 2]〈Bサイド収録曲&エクストラ・トラック〉
01STAY YOUNG
ゆるい横乗りが心地よいロックンロール・チューン。軽快なメロディとリズムにあわせ轟音ギターが鳴り響くインディ・ロック・マナーに忠実な一曲だ。“若くて怖いもの知らずのままでいろよ”という歌詞は、ディラン、ストーンズから続くロックの目指す形でもある。
02THE FAME
シングル「オール・アラウンド・ザ・ワールド」のB面として発表された一曲。サビのコーラス、疾走感、ポップなメロディなど良質なパワーポップのようにも取れるロック・チューン。自分たちにつきまとっていた“名声”について歌っている。
03FLASHBAX
シングル「オール・アラウンド・ザ・ワールド」のB面として発表された、無骨な演奏が男らしい一曲。悩み事に比べ目の前にいる彼女の瞳から放たれる“ダイナマイトみたいな光”に真実を見出そうとする様子が歌われている。
04(I GOT) THE FEVER
シングル「スタンド・バイ・ミー」のB面。イントロだけ聴くとハードロックのような導入に感じるが、サビではブリットポップの雄らしい美しいメロディを聴かせる。多重録音されたヴォーカルやギター・エフェクトがサイケな一曲。
05MY SISTER LOVER
シングル「スタンド・バイ・ミー」のB面として発表された一曲。“だって俺の知ってる主は俺を信じちゃいないから”と、主を信じないと堂々と言い放つ挑発的な歌だ。リアムの人を喰ったような歌い方も歌詞にぴったり合っている。
06GOING NOWHERE
シングル「スタンド・バイ・ミー」のB面。ノエルがバカラックの影響を受けていた頃に制作したというだけあり、爽やかなホーンと伸びやかなストリングスのアレンジがバカラック風なポップ・ソングに仕上がっている。
07STAND BY ME
14枚目のシングルのライヴ・ヴァージョン。オリジナルの魅力であった、けたたましくも胸を締め付けるギター・サウンドは鳴りを潜め、アコースティック編成でしっとりと歌う。リアムの喉をしぼりあげるようなヴォーカルが切なく響く。
08UNTITLED
アコースティック・ギター一本で歌われるフォーキーな一曲。“罪の意識に生きること”“心の中のどこかで生きること”など内省的な歌詞を力なく歌う姿が憂鬱な気持ちを呼んでくるが、やはりメロディはノエルらしい美メロに仕上がっている。
09HELP!
1998年のロサンゼルス公演にてアコースティック・ギターで披露した、ビートルズの代表曲のカヴァー。ところどころいじられたメロディとさびしげなヴォーカルが、原曲よりも感傷的な気持ちに浸らせてくれる。
10SETTING SUN
ケミカル・ブラザーズがノエルをヴォーカル迎えて発表したシングルのラジオ・セッション・ヴァージョン。4つ打ち、ビッグビート全盛期にリリースされたオリジナルとは趣が大きく異なるギター一本のシンプルなアレンジで聴かせる。
11IF WE SHADOWS
未発表曲のデモ・ヴァージョン。日の目を見なかったのが惜しいくらいのコード展開とメロディ&コーラスが胸に突き刺さる。そして“俺の歌を歌い続ける”と力強く宣言する歌詞も、胸の奥底を熱くさせる。
12DON'T GO AWAY
通算16枚目のシングルのデモ・ヴァージョン。“ずっとそこにいると言ってくれ”と大切な人との別離を恐れる歌詞が綴られており、傲慢なバンド像とは対照的に弱さを感じさせる一曲。オリジナルよりも弱々しいヴォーカルもまた寂しさを感じさせる。
13MY BIG MOUTH
バンド史上最大級の観客を動員した、96年のイギリス・ネブワース・パークでのライヴ・ヴァージョン。オリジナルよりも力強いドラムに導かれ、ヴォーカルもオーディエンスも熱を帯びていく。演奏、客への煽りなどライヴバンドとしての魅力が詰まったパフォーマンスだ。
14D'YOU KNOW WHAT I MEAN?
1997年に発表したシングルのNG版をリシンクしたヴァージョン。オリジナルに比べ冒頭のSEが若干削られたうえに、ハードなギター・サウンドは抑え気味になっているが、全編通して漂うサイケな感覚はそのままになっている。
[Disc 3]〈マスティク・デモ〉
01D'YOU KNOW WHAT I MEAN?
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。セスナ機のようなエンジン音からスタートし、奇妙な電子音、妖艶なエフェクトがかかったギターなどオリジナル・ヴァージョンと比較するとよりサイケな楽曲になっている。
02MY BIG MOUTH
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。オリジナルに比べると音圧は弱いが、ノエルのぶっきらぼうで傲慢さを感じさせるヴォーカルが“ビッグ・マウス”について歌った楽曲にあっている。
03MY SISTER LOVER
シングル「スタンド・バイ・ミー」のB面として発表された一曲のデモ・ヴァージョン。リアムに変わりヴォーカルをとっているノエルの醒めた歌い方はニヒルにうつり、“主を信じない”と歌った楽曲にオリジナルとは違う魅力を呼び込んでいる。
04STAND BY ME
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。ギターリフやベースラインなどほぼオリジナルに近い展開だが、オリジナルよりもマラカスの音が前面に出ていてリズミカルな印象を受ける。
05I HOPE, I THINK, I KNOW
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。オリジナルでヴォーカルを取るリアムに比べ、ノエルの乾いた歌声は楽曲に男らしさを呼び込んでいる。ガレージロックのように聴こえる骨太なロック・ナンバーだ。
06THE GIRL IN THE DIRTY SHIRT
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。オリジナルにあった厚い音の層は抑えられているが、“微笑んでおくれ さぁ今すぐに”とキザなセリフが綴られたサビのメロディが美しい。
07DON'T GO AWAY
通算16枚目のシングルのデモ・ヴァージョン。ひずんだギターに乗せ“ずっとそこにいると言ってくれ”と弱さをみせた歌詞を綴ったメランコリックな一曲だ。ノエル節が炸裂したコード展開とトレモロの揺れが心地よい。
08TRIP INSIDE (BE HERE NOW)
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。タイトル通り自分の中へトリップできそうなインストゥルメンタルになっている。例えるならドロドロとしたアシッド感ではなく、夕日を見ながらまったりできるサイケ感か。
09FADE IN - OUT
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。オリジナルで効果的に使われているスライドギターは抑え気味だが、ブルージィな雰囲気と男臭さはそのまま保たれている。
10STAY YOUNG
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。ロウな録音ながらオリジナルが持つ若さあふれる痛快なロックのノリはそのままになっている。リズムに若干のズレも感じるが、それも味になっている。
11ANGEL CHILD
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ音源。シンプルなフォーク・ロック調のアレンジにあわせ“オレを光のなかへと歩かせてくれないか”という赦しを求めるかのような歌詞を切々と歌っている。
12THE FAME
シングル「オール・アラウンド・ザ・ワールド」のB面として発表された一曲のデモ・ヴァージョン。自分たちを悩ませてきた“名声”について歌った疾走感のあるロック・チューンで、甘酸っぱいサビのメロディとコーラスがポップに弾けている。
13ALL AROUND THE WORLD
通算15枚目にして4作目となる全英1位を記録したシングルのデモ・ヴァージョン。オリジナルにあったストリングスは削られているが、バーズ〜ストーン・ローゼズなどの影響を感じさせる美しく秀逸なメロディは健在。
14IT'S GETTIN' BETTER (MAN!!)
ノエルとプロデューサーのオーウェン・モリスがマスティク島で録音したデモ・ヴァージョン。オリジナルよりも音数が少なく、それぞれの楽器の音の動きが良くわかるアレンジ。ノエルのラフな歌い方も楽曲にはまっている。