21枚目のアルバム。これまでの作品同様に多様な世界がバリエーション豊かな音楽性で描かれているが、どこを切り取ってもBUCK-TICKであり、またここから代表曲が生まれてくるであろう傑作に仕上がった。衝動で突き動かすものから深い闇に誘われるものまで、聴き手の想像力を刺激する。★
デビュー30周年プロジェクト第1弾シングル。ノイズワークが冴えるインダストリアル・テイスト、『ヴァイオレーター』期デペッシュ・モード的メロディ、超然とした歌唱が揃ったBUCK-TICKらしい楽曲。カップリングは石野卓球によるアシッド&ブリーピーなリミックス・トラック。★
92年の伝説的ライヴが25年の時を経て、2日間のセットリストをそのままに収録した4枚組コンプリート版。最新ミックスが施され、各楽器の分離が明瞭になり、奥行きや臨場感も申し分ない音質に生まれ変わった。彼ら特有のダーク・ファンタジー的な耽美的世界を過不足なく伝えている。
手の込んだサウンドで独特の世界を展開するBUCK-TICKの作品は、ドライブ感にあふれたヴォーカルと演奏で、その複雑に絡み合ったように思える楽曲の輪郭をクッキリと見せてくれる。音のうねり、スピード感、重量感などハード・ロックの本筋をきっちり踏まえた迫力はこのバンドならでは。
デビューからちょうど29年目にリリースされたメモリアル作にして、活動30年目の初作にもあたるシングル。時代時代のエッジを切り取って武器に変えながらも、万人を惹きつける開かれた音楽として昇華してきた彼らならではの、ハイパーモダンなポジティブ・パンク・チューン2曲を収録。★
横綱相撲という言葉がぴったりの堂々たる一作。全体にスペーシーかつトランシーなムードさえ漂うゴージャスなサウンドが展開され、そこに櫻井の唯一無二のヴォーカルが乗っかるのだからもう鉄壁。世界のどこを探しても、こんなロック・ミュージックは存在しないだろうな。時空を超えた芸術品のよう。
87年のデビューから四半世紀以上にわたって不動のメンバーで活躍を続ける彼らの、2014年第2弾となる33枚目のシングル。圧倒的な美しさと切なさに彩られたミディアム・チューン「形而上 流星」や、黒色すみれを迎えた過去曲のセルフ・カヴァーなど、進化を続ける彼らの矜持を感じさせてくれる。
結成25周年のアニバーサリー・イヤーを捉えた2連作ドキュメンタリー映画『劇場版BUCK-TICK 〜バクチク現象〜』。その主題歌を収めた両A面シングル。どちらもこれまでになく陽性の楽曲に仕上がっており、25年の時を経たからこそ曝け出せる“人間”BUCK-TICKが表現されている印象。
活動25年目を迎えたBUCK-TICKの17枚目となるスタジオ・アルバム。外に向かってハジけるポップ感は初期の側面も感じられる。しかし、単純に明るくきらめくのではなく、入り組んだアレンジは、キャリアとセンスのなせるワザ。ただしダークな世界観からかけ離れており、賛否両論作だろう。
デビュー25周年を迎えたトリビュート作品には、Acid Black Cherry、BREAKERZ、POLYSICS、氣志團など、ジャンルの壁を超えてBUCK-TICKに影響を受けたバンドが参加。特に楽曲に対する思い入れの深さを示すように、彼らと各バンドの音楽的指紋がそこには刻まれている。
自主レーベル“Lingua Sounda”からのリリース第2弾となるシングル。タイトルからして彼ららしい表題曲は、浮遊感たっぷりにミドルで聴かせるポジティブ・パンク。ストレンジな味付けも素晴らしい。カップリングは初期を思わせるスリージー・ナンバーと「月世界」(98年)収録曲の新ヴァージョン。
自ら立ち上げたレーベル“Lingua Sounda”の第1弾としてリリースのシングル。「エリーゼのために」は、エレクトロニック・ダブを織り交ぜたハイパーなポップ・チューン。今井のノイジーなギター・ワークが冴えるカップリングのシューゲイジング・ナンバー「夢見る宇宙」が素晴らしい。
デビュー25周年記念ベストで87年から99年までのシングルで構成。振り返れば、ヴィジュアル系ゴシックのオリジネイター的ポジションに位置する彼ら。そのデビュー当時からレゲエやジャズ、さらにはデジタル・ロックと果敢なる姿勢で変化成長を遂げる姿が付属のDVDとともに描かれた一作だ。
25周年記念BOXのアリオラジャパン時代(2000〜2010年)ヴァージョン。アリオラ時代の全シングル・タイトル曲に、ファン投票によって選ばれた30曲を加えた作品は、このセットリストでのライヴを希望したくなるくらいのファン・ベースな仕上がりとなっている。
すでにメジャー・デビュー以降、23年の歴史を誇るビジュアル系のオリジネイターともいうべき彼らの17枚目のアルバム。アニメ『屍鬼』の前後期のメイン・テーマも収録しつつ、スリージィで一本筋の通った一作に仕上げている。円熟味を帯びた反骨魂を満喫できるはず。
29枚目のシングルは、フジテレビ系の深夜アニメ『屍鬼』のオープニング・テーマ。櫻井敦司が作詞、今井寿の作曲で作品に合わせて書き下ろした、彼らの真骨頂ともいえるポップ・センスとダークな世界観を融合させた妖艶なロック・チューン。「妖月−ようげつ−」は櫻井が作詞、星野英彦が作曲した。
ダンサブルな高揚感に、妖しいBUCK-TICK美学を融合させたハイパー・ポップ・チューン。キャリア20年を超える貫禄と、進&深化に対するあくなき欲求がスリリングに息づいている。「Voo Doo」もデジタル・ロックな好曲で、「天使は誰だ」も揺るぎないバンド・ダイナミズムが刺激的だ。
25年間コンスタントに活動を続けていることがうなずける風格が漂う17ヵ月ぶりの17作目。沖縄民謡っぽい旋律の「Memento mori」をはじめとして多彩な楽曲のクオリティも高く、タイトな音の仕上がりも申し分なく、甘い歌声も嫌みに聴こえぬ大人の貫禄のアルバムである。
2ヵ月連続シングルの第2弾。「GALAXY」は軽快なサウンドとキャッチーなメロディ、ポジティヴな歌詞が印象的な曲で、「セレナーデ」は櫻井敦司の歌が映えるメルヘンチックでミドル・テンポなナンバー。どちらもナチュラル・フィールあふれるポップな曲に仕上がっている。
ある意味でBOφWYと並んでJ-ROCKの基盤を築いた元祖ビジュアル系バンド、BUCK-TICKのマキシ・シングル。メイン「HEAVEN」を含め、ライトなポップ・チューンに刹那的なメッセージを絡ませ、妖艶なるJ-POPチューンに仕上げた意欲作。
筋肉少女帯、D'ERLANGERなど、80年代後半に活躍したバンドが復活した2007年だが、BUCK-TICKは活動休止することもなくデビュー20周年。毎回、つねに違う音楽的アプローチでアルバム制作する姿勢が素晴らしい。「リリィ」は彼らなりのモータウン・サウンドか。
あんな顔でこんな声、そんなルックスでどんなバンド・サウンド? という謎が解けぬままにいつまでも新鮮で楽しめるのがBUCK-TICK。2007年9月発売のアルバムからの先行シングルは恐ろしくポップでキュート、シンプルなギター・サウンドに回帰したみずみずしい作品だ。
24枚目のシングルは、“ありがとう”“感謝”の気持ちを歌ったミディアム・ポップ・チューン。キャッチーというにふさわしいメロディと壮大なコーラスが歌詞に彩りを添える。カップリングは、87年リリースの『SEXUAL×××××!』収録の人気ナンバーをセルフ・カヴァー。
2006年の夏はサマーソニックにも出演した彼らのシングルは、人気アニメ『xxxHOLiC』のエンディング・テーマ曲。もはやベテランの域に入っているが、自分たちの個性を十分見据えたナルシシズム・ビューティ路線をさらに深めようとしているのがわかる。
2005年に結成20周年を迎えたBUCK-TICKによる史上初のコンプリート・ベスト。87年のデビュー・アルバムから2005年のシングルまで、合計33曲を年代順に収録。時代や作品ごとに表現方法は変化するものの、曲の根底にあるポップ感は普遍。
退廃的なムードに彩られた表題曲は、93年にリリースされたシングル曲のニュー・ヴァージョン。深海を彷徨っているようなビート感が、原曲に新たな魅力を加えている。2〜5曲目には93年7月、大宮ソニックシティで行なわれたライヴの音源を収録。貴重です。
2005年で結成20周年を迎えたBUCK-TICKの第2弾リリース作品は2年ぶりのオリジナル・アルバムだ。ゴシックをテーマにした、ミステリアスでゾクゾクするような耽美的な内容になっており、彼ららしい美学がたっぷり詰まったロック・アルバムと言える。
2曲とも、今も変わらずBUCK-TICK的美学に貫かれている。特に「DIABOLO」はドアーズの「アラバマ・ソング」を彷佛とさせて興味深い。こういったストーリーテラー的なというかシャンソン的なというか、そういったものもチャレンジの価値あり。
80年代ニューウェイヴ〜ゴシック・パンクの雰囲気をはっきりと感じさせるサウンド・メイキング、巻き舌を駆使しながら妖しいセクシャリティを振りまくヴォーカル、“月”“天使”といった言葉が舞うリリック。まったく期待を裏切ることのない、2005年第1弾シングル。
結成から19年。メジャー・デビューから17年、不動のメンバーで活動を続けるBUCK-TICKのライヴ盤。80年代、90年代を駆け抜けた彼らは独自のグラマラスなロック世界を作り上げたのであった。基本的にクールで熱いライヴだが、終盤は熱さがクールさを凌駕。
時代に左右されずに独自のスタイルを貫き続ける、85年結成の5人組。12枚目のスタジオ・アルバムである本作は、スピード感のある鋭利なサウンドが印象的な強力盤。意外性をも感じさせるロック・チューンの連発で生き様を見せつける。★
3曲入りシングル。タイトル曲は、寒いメロディ&サウンドにグローバルな見地から放たれるメッセージが見事に融合した名曲。2曲目、3曲目に聴けるサウンド・スケープなども、とても若手にはできまい。さすがはベテランらしい充実した一枚。
3曲入りシングル。タイトル曲は、寒いメロディ&サウンドにグローバルな見地から放たれるメッセージが見事に融合した名曲。2曲目、3曲目に聴けるサウンド・スケープなども、とても若手にはできまい。さすがはベテランらしい充実した一枚。
ザ・キング・オブ・ビジュアル系といえば彼ら。不死鳥のごとく蘇った敦司の声は以前に増して憂いを帯び、かつてのファンは忘れかけた昔の恋人を思い出すように、心掻きむしられていることと思う。(2)の間奏は80年代のアーバン・ダンスを彷彿とさせた。
彼らの3曲入りマキシ・シングル。最近はインダストリアルなデジタル・ロック度指数が高かったが、今回はちょっとおさえめでメロディ自体にBUCK−TICK節が戻ってきた感を受ける。この方たちはいつも突拍子もないことをやらかしてくれますね。
レーベル在籍10年を集大成、2枚組33曲のベスト。初期のビート・ロックな頃からかなりデジ色の強くなった最近のモノまでかなり楽しめる。桜井氏の声の色艶具合の変化がわかって嬉しい。個人的に『狂った太陽』の曲がたくさん入っていて幸せ(ハート)
BUCK−TICK初のライヴ盤。今年のツアーの最終公演である、5月8,9日の日本武道館でのライヴを収録したもの。近年ますますデジタル寄りのロックを作っている彼らの今が感じられる。同時にビデオも発売されたが、(7)(8)(12)(16)はCDのみの収録。
3曲入りマキシ・シングル。ミディアム・スローな曲が多いのですが、前回のアルバムにも増してデジタル化が進んでます。(3)は布袋寅泰によるリミックス。桜井氏の奇抜な詩の世界はいろいろな想像ができ、読んでいて飽きません。
荒々しくザラザラとした手ざわりのギター、グルグルと頭のまわりを駆ける音像、厚くノイジーなリズム、そしてたまらなくポップでキュートな曲。両極端にあるものを結び付けることに自分たちのバンドとしての存在意義を見つけようとしている作品だ。
イギリスとドイツのテクノ系エンジニアがバクチクの代表曲を、原型をとどめないほど大胆にリミックスしたアンビエントな作品。深化するサウンドとサカグチ・ケンがアートワークを手がけた蓮井氏撮り下ろしの豪華写真集がイマジネーションをかきたてる。
サイバーで近未来なパノラマ・クリア・ジャケットが綺麗(メンバーをプリントした6枚組フィルム)。「プラスチックな耽美」だった前作に比べるとソリッドなギターバンドとしてよくまとまってきたなという印象。あとはその「お耽美」な芸風を徹底させること。
97年末にリリースしたアルバムからの第2弾シングルはリミックス集の趣。KMFDMのギュンター・シュルツ、ラヴ&ロケッツのダニエル・アッシュらインダストリアル系大物が参加。このバンド特有の無機質ないやらしさがさまざまに変容して揺らめく。
久しぶりのB−Tのアルバム。揺るぐことないカリスマ性を残しながらも、今作ではテクノ色を前面に打ち出し、常に時代の先端を行き続ける。相変わらずの奇才ぶりが発揮され、どの曲も申し分のない出来である。
ブレイクのきっかけとなった1987年の(1)から95年の(10)まで、彼らの軌跡をたどるシングル・コレクション。(1)以外はアルバムと別ヴァージョンを収録しており、初回生産分のみシングル・ジャケットをリアレンジしたステッカー10枚を封入。同時発売されたビデオも必見。
またまた日本語をタイトルに持ってきた12cmシングル。俗世間とは一線を画する世界を築き上げている(1)、女性性器を連想させる意味深な詞が連続する(2)と、彼らの深化は止まるところを知らない。
思いっきりインダストリアル・ノイズ系の傾向が出ている時期ではあったが、まさかアルバムでここまでダークサイケな楽曲を羅列するとは。唯一櫻井の歌声が無機質なビート感の上に人間味を帯びたメロディをのっけている。まさに超内省的な一枚だ。
横浜アリーナ以来8ヶ月ぶりのライヴを成功させたばかりのバクチク。そのステージでも大半は本作からの新曲を披露し、ファンをどぎまぎさせていた。大胆なヴォイス・エフェクトをほどこしたノイジーなサウンドにはアバンギャルドな魅力が蔓延している。
メンバー自身の選曲による14曲を再レコーディングした究極のベスト作。ボディ・ミュージック的な要素を取り入れたアレンジを始め、トータル・アルバム的発想で綿密に作られた本作は間違いなく彼らの最高作。バンドの成長を如実に伝える完成度に注目。
あまりのポップさゆえインディーズでは異端児だったバクチクのメジャー・デビュー盤。タテノリのパンク・ビートから変拍子の屈折ポップ・ソング、GS調のバラードまで、確かに見事なほどに節操がない。ガジェット化したロックを象徴する痛快な一枚。