ロンドンオリンピックの公式ソング「サヴァイヴァル」を含む、ミューズの３年ぶりとなる通算６枚目。クイーンの後継者のような壮大なロック・オペラからダンサブルなエレクトロ・ロック、十八番の激情バラードまで、キャリアの集大成的な彼らの多面的魅力がメロディックな各曲に濃縮された聴き応え十分の力作。

２日間で15万人を動員した、2007年６月16、17日のミューズのウェンブリー・スタジアム公演から、初日の14曲をＣＤで、２日目の20曲をDVDで収録した決定版ライヴ作。スタジアム・ライヴならではの壮大なスペクタクル・ショーのごときパフォーマンスは圧巻。

これまでの集大成とでも言うべきミューズ会心の3作目。オーディオスレイヴなどを手掛けたリッチー・コスティをプロデューサーに、ヘヴィな激情ロックからオーケストラと多重コーラスによるクラシカルで荘厳なナンバーまで、充実した楽曲とサウンドは圧巻。

2曲のスタジオ新曲とそのライヴ・ヴァージョに、60年代ポップの名曲「君の瞳に恋してる」の異色カヴァーを収録したミニ・アルバム。さらにパワー・アップしたヘヴィ・エッジなギター・サウンドと情念メロディ全開のミューズ節に、次作への期待も高まる。

何かとレイディオヘッドとの類似性が話題の英新人バンド、ミューズのファースト。確かにエモーショナルなヴォーカルや、情感的なメロディなど、共通項は多い。だがそれでも聴かせるだけの作品を作っているのは才能がある証拠で、真価を問うのはこれから。