
全世界でアルバム・トータル・セールス3,000万枚を誇る歌姫、アリシア・キーズの4年ぶり6作目のアルバム。アコースティック・ギターを使った曲やレゲエ調のナンバーなど、さまざまな表情を持ったR&B調の曲はどれも聴き心地が抜群。アリシアの艶のある歌唱にも引き込まれる。

現代大衆R&B表現の女王、通算5作目のオリジナル・アルバム。母親となり、30代になっての初の作品だ。ジョン・レジェンドから英国人のエミリー・サンデーまでさまざまな人と曲を共作しつつ、凛としているのに、一方では誘いと親しみやすさを持つ表現を成就させている。

R&Bシンガーのデビュー10周年記念デラックス・エディション。全米1位、グラミー5部門受賞など、輝かしいキャリアの幕開きとなった1作目(2001年)のリマスター盤に、リミックスや未発表音源を追加した2枚組。セルフ・プロデュースによるクールでシックなサウンド、貫禄のパフォーマンスにあらためて脱帽させられる。

2009年リリースの4作目のスタジオ録音作にDVDを付けたデラックス・エディション。80年代の産業ロックのビッグなサウンドを思い出させるダイナミックでポップな楽曲に、彼女の風格と自信が伺える。ケリー“クルーシャル”ブラザーズらお馴染みの仲間がプロデュースなどでバックアップ。

待望のオリジナル4作目は、ポップ・フィールドに重きを置いた落ち着いた作り、といった印象だが、知的でエレガントなアリシアらしさは健在。特にバラード系で聴ける壮大なスケール感、飛翔感は格別。ビヨンセとの歌姫共演「プット・イット・イン・ア・ラヴ・ソング」も収録した、余裕と貫禄の美しい好作品。

サマーソニック08の出演を記念する日本独自のリミックス・アルバム。内容的にはプロモ盤からの曲、ダウンロードでしか入手不可能な曲など、ファン垂涎の音源からの収録だ。アリシアのセクシーなヴォーカルのみならず、巧みなリミックスの技も楽しめる。

ソウル・フォーマットにあるシンガー・ソングライター、オリジナル・アルバムとしては3作目。ジョン・メイヤーほか、さまざまな人の助力のもと、毅然と私の表現を開いている。歌も一段とパワー・アップし、訴求力を増している。ソウルフルな、普遍的ポップ表現の精華。

21世紀に入って最高の収穫と言える女性のひとり、アリシアがMTVの“アンプラグド”に挑戦。ライヴでも変わらぬ、艶やかな才気を感じさせる。前作から除外された(5)が新曲としてヒット。マルーン5のアダム・レヴィーンとローリング・ストーンズの(11)をカヴァーする。

2作目。カヴァー(4)やカニエ・ウエスト制作の(5)、自作の(6)(9)などでは血肉となっている70年代ソウルをストレートに表現する一方、ティンバランド制作の(3)、NAS、ラキムと組んだボーナス(16)なども収録。何をやってもむき出しのロウな感情は気高く根性がある。★

前半のリミックスはどういじられても毅然とした品格のあるトーンが損なわれないことに驚き、後半のライヴはピアノの弾き語りのみで、これだけふくよかでメリハリと奥行きのある世界を現出させることができる資質にもっと驚く。やっぱりこの人すごいわ。★

ニューヨーク生まれの女性R&Bシンガーのデビュー・アルバム(2001年発表)。ピアニスト、ソングライター、プロデューサーとしても早熟ぶりを発揮しているが、やはり注目すべきはその歌声だろう。感情をストレートに吐き出すような生々しさに圧倒される。