ガイドコメント
フィル・コリンズをプロデューサーに迎えた、85年の通算9作目のアルバム。ネイザン・イーストらとの運命的出会いを果たした80年代の最も重要な作品を、待望のデジタル・リマスタリング化。
収録曲
01SHE'S WAITING
シンセサイザーを駆使したドラマティックなサウンドとマーシー・レヴィらの強力なコーラスをバックに、クラプトンが気合いの入ったヴォーカルとソリッドなギター・ソロを聴かせる。プロデューサーでもあるフィル・コリンズのいかにも彼らしいドラミングも楽しい。
02SEE WHAT LOVE CAN DO
ロサンゼルスで録音されたジェリー・リン・ウィリアムズのラブ・バラード。L.A.の一流セッションメンの的確な演奏をバックに、クラプトンは堂々たるヴォーカルとメロディックなギター・ソロを披露している。作者ウィリアムズとマーシー・レヴィのコーラスも印象的。
03SAME OLD BLUES
クラプトンのギターが唸りを上げるドラマティックなオリジナル・ブルース。貫禄さえ感じさせるパワフルなヴォーカルも素晴らしいが、圧巻はギター・ソロ。凄まじい迫力でギター・ソロを弾きまくるクラプトンは10歳は若返っている。ライヴ定番曲にもなった名曲。
04KNOCK ON WOOD
エディ・フロイドの1966年のヒット曲をカヴァー。往年のスタックス・サウンドを再現した演奏に乗って、クラプトンがソウルフルなヴォーカルを披露する。フロイドやオーティスには敵わないものの、ここでの健闘は誇ってもいい。当時のライヴでも演奏された。
05SOMETHING'S HAPPENING
ゴスペル・クワイア調のコーラスをフィーチャーしたジェリー・リン・ウィリアムズのバラード。クラプトンのヴォーカルも自信に満ちあふれた力強いもので、印象的なギター・ソロも披露している。リンジー・バッキンガムもリズム・ギターで参加したL.A.録音の名曲。
06FOREVER MAN
まるでクラプトンのために書かれたようなジェリー・リン・ウィリアムズの曲。コーラスとパーカッションを配したラテン調ファンク・ビートに乗って、クラプトンが高らかに歌い上げる86年版「レイラ」。気合いの入ったギター・ソロも素晴らしい。全米26位のヒットを記録。
07IT ALL DEPENDS
クラプトンらしいナイーヴなラブ・バラード。シンセサイザーとパーカッションが奏でるカリビアンなサウンドとマーシー・レヴィ&ショーン・マーフィのコーラスをバックに、クラプトンがジェントルなヴォーカルを披露する。牧歌的なギター・ソロも心地よい。
08TANGLED IN LOVE
マーシー・レヴィとリチャード・フェルドマンとの共作によるラブ・ソング。レヴィらによる女声コーラスをフィーチャーした80年代仕様のパワフルなロック・サウンドに乗って、クラプトンも力強いヴォーカルを披露している。短いが的確なギター・ソロも印象的。
09NEVER MAKE YOU CRY
クラプトンがローランドのギター・シンセサイザーを奏でるセンチメンタルなバラード。86年仕様のシンセ・サウンドを全面的にフィーチャーした時代の産物だが、クラプトンの囁くようなヴォーカルとマーシー・レヴィらの美しいハーモニーの素晴らしさは普遍的だ。
10JUST LIKE A PRISONER
クラプトンのギター・ソロをフィーチャーしたパワフルなバラード。愛妻パティとの別れの予感を歌ったヴォーカルも力強いものだが、それ以上に彼のギターが饒舌に語っている。スタジオ録音では最強レベルのエモーショナルなギター・ソロが堪能できる1曲。
11BEHIND THE SUN
愛妻パティとの別れを歌ったセンチメンタルなバラード。クラプトンのヴォーカルとギター、フィル・コリンズのシンセサイザーのみで演奏されたこの曲は、コリンズの自宅で録音されたデモ仕様ヴァージョン。小品だが、クラプトンの哀しげな歌声が耳に残る。