収録曲
01Count up '00s
ゴスペル風コーラスからはじまり、粋なサックスが鳴り響き、一転してファンキーでソウルフルなナンバーに。歌に合いの手を打つようなコーラス・ワークを聴かせる。60's、70's、80'sと生い立ちを語るようにカウント・アップしていき、楽天的な乗りに任せて、“生きてゆけるさ”とポジティヴなメッセージを発する。
02FINAL LAP
ジャジィなインスト。低音から高音までを縦横無尽に行き来するベースと変則的なリズムを支えるドラムの上を、なめらかなサックスが滑るように軽快に鳴り響いて、颯爽とした雰囲気を醸し出している。途中サーフっぽい旋律を聴かせるギターも、着実にリズムを刻んでいき、息の合った演奏によるグルーヴが心地良い。
03Blue Moon Stone
伸びやかなメロディとメロディアスなサックスが印象的な曲。夕陽が映えるビーチが似合いそうな爽やかなナンバー。軽やかなギターとパーカッションが、そよ風のようなリズムを支える。“君に出会うため 生まれてきたのさ”と歌い上げる迷いのない歌声からは、“君”に対する愛情やすべてを受け止めていく包容力を感じる。
04もしも明日が…
ぎくしゃくしてしまった恋人に語りかける歌だが、小刻みなギターと絶妙に強弱のついたサックスが気持ちを解きほぐしていき、“ジェラシー”も“イライラ”も消し去ってしまいそうだ。軽やかな歌声とチャーミングなコーラスに、気分も明るくなっていく。夏っぽい雰囲気で、特にキーボードがトロピカルな空気を運んでくる。
05Sea of Love
カリブ海が浮かんでくるようなアレンジに乗せて、“愛の海”に溺れていく男の熱情を描く。洗練された雰囲気のサウンドにソウルフルなコーラスが重なり、絡みつくようなヴォーカルが“心さえ命さえ惜しくない”と熱く歌い上げる。我を忘れていく様がスリリングかつ快楽的だが、心の奥底からの情熱や喜びも感じられる。
06マリー
鶴久政治ヴォーカル曲。悲しき恋の旅人“マリー”について歌っているからか、おどけた笛の音もどこか物悲しく響く。ぶっきらぼうなドラムが、マリーの悲しさを拭ってやれない苛立ちを表現しているかのようだ。力強いヴォーカルにもどことなく空しさが漂い、“マリー”と名前を叫ぶ声も、所在なさげに宙を舞っていく。
07ひとりきり2nd.Ave
夜空をたゆたうようなメロディを、歌謡曲風の仕上がりでしっとりと聴かせる。終わった恋の余韻に浸りながら、思い出や“ひとりきり”になったことを噛み締めている曲。過ぎ去った恋を軽く笑い話にしながらも心では泣いている――大人の孤独を感じさせる歌を、霧が立ち込めていくような都会的なサウンドに乗せて聴かせる。
08Yellow cab
高杢禎彦ヴォーカル曲。女性を“タクシー”に喩えて、“乗せてもらえるかい?”と歌う夜遊び的な歌。ファンキーなリズムに乗せて、“Hey, Taxi”とご機嫌にシャウトする。軽い遊び心を、男気あふれるヴォーカルでエネルギッシュに押し切る。酒場が似合いそうな洒落た雰囲気のサックスも印象的。
09Don't Cry Sexy
都会の裏の顔である路地裏の世界を描いたような曲。レゲエを取り入れ、裏打ちのギターと口笛のような笛の音でひっそりとした雰囲気を演出。人の心の闇の部分にそっと忍び込むようなサウンドが特徴的。涙を拭うように囁くコーラスをバックに、“泣くなよ Sexy”と大人っぽいムードで歌い上げる。
10Smiling like children
ゆったりとしたリズムに大人っぽいサックスが絡む、やわらかいソウル・ナンバー。ソフト・タッチのリズム・ギターが、聴くものの心に潤いを与えていく。母の胸で眠る子供をそっと見守るような、母性を感じさせる曲。聴いていると心を丸裸にされ、素直な気持ちを取り戻せそうな気がしてくる。
11Rainbow Station
レゲエ調の曲。“Rainbow Station”と歌うコーラスが合唱を誘う。のどかな雰囲気の中に、これまでの道のりやこれからも続いていく日々を思わせ、懐かしい気持ちと未来への想いが交錯していく。それぞれの楽園を目指して歩き続ける人々の行進曲のようにも聴こえる。解散を匂わせる内容でもある。