ガイドコメント
アンダーグラウンドで活動していた彼らのメジャー移籍アルバム。キム・ゴードン・ヴォーカルの「クール・シング」をはじめメロディアスなナンバーが増えた。ドン・フレミングやJ.マスシスも参加。
収録曲
01DIRTY BOOTS
ギターのドローン音が気だるげに響きわたる前半部から、ハードなロックンロール調へと激変する展開。2分50秒過ぎに訪れるその瞬間は、何度味わってもゾクゾクとさせられる。歌詞にはブルース特有の性的隠語“ジェリー・ロール”も登場。
02TUNIC (SONG FOR KAREN)
カーペンターズのカレン・カーペンターの悲劇を通じて、アメリカの幻想を描いたナンバー。歌詞にはジャニス・ジョプリン、デニス・ウィルソン、エルヴィス・プレスリーら故人も登場。なんとも重々しく哀しげな曲調だ。
03MARY-CHRIST
オールドスクールなパンク・ロック・スタイルに、ソニックスらしい反復リズムなどを採り入れた疾走ナンバー。曲の最後に「クール・シング」のリフを弾く遊び心も。歌詞にはサーストンと誘惑との闘いが描かれている!?
04KOOL THING
キムがL.L.クールJと対談し幻滅した気分を歌ったナンバーで、ゲストにパブリック・エネミーのチャック・Dが参加。シャープなリフを主体にした直線的な曲調は、歌詞ともども殺傷力抜群。ディスられたクールJの心中はいかに!?
05MOTE
テンポ軽快なビートの狭間に、シャープなギター・リフが割って入るソニックスお得意の丁々発止ナンバー。曲の主要部よりもエンディング・パートに突入してからの方が長かったりするのも、発想自由な彼らならでは。
06MY FRIEND GOO
アルバム『GOO』のタイトル・ナンバー。リード・ヴォーカルとギターはキムで、サーストンがベースを担当と、バンド初期を思わせる編成での録音。いささかメロディアスな旋律が、キムの歌唱によってピシッと張り詰めたものとなっている。
07DISAPPEARER
二本のギターがロマンティックなメロディを紡いでみせる、正統派タイプのギター・ロック・ナンバー。ソニックスにしてはあまりにオーソドックスな曲調のためか、今ではライヴでプレイされることも少ない貴重な曲。
08MILDRED PIERCE
デモ段階では8分あったものを2分弱に短縮したインスト(ただしサーストンの絶叫あり)で、タイトルはジョーン・クロフォード主演の同名映画から借用。変則チューニングではないギターが聴ける貴重な音源のひとつ。
09CINDERELLA'S BIG SCORE
“抱擁よりもカネ”と、キムのシビアな視点ならではの歌詞が楽しめるクールなナンバー。ワウやカッティングを出し惜しみしないギターの魅力に隠れがちだが、スティーヴ・シェリーの奔馬のごときドラミングにも注目。
10SCOOTER AND JINX
サーストンのギター・サウンドだけで構成された1分5秒の小品。ギターを溺愛するサーストンがアンプも交えて繰り広げる短くも刺激的な乱交劇。アルバム『GOO』では、次の曲のためのウォーム・アップ的役割も担当。
11TITANIUM EXPOSE
開始1分半までの前奏部と4分過ぎからの終盤部での攻撃的なサウンドが、中盤部の落ち着き払ったサウンドと好対照をなすパンク・ナンバー。思春期反抗映画『今夜はトーク・ハード』(90年)のサントラにも起用された。
12WHITE KROSS
13ERIC'S TRIP
ニコが主演したアンディ・ウォーホルの映画『チェルシー・ガール』(1966年)に触発された曲で、タイトルの“エリック”とは出演俳優エリック・エマーソンのこと。ドラッギーなドライヴィング・サウンドが刺激的だ。
14CINDERELLA'S BIG SCORE
“抱擁よりもカネ”と、キムのシビアな視点ならではの歌詞が楽しめるクールなナンバー。ワウやカッティングを出し惜しみしないギターの魅力に隠れがちだが、スティーヴ・シェリーの奔馬のごときドラミングにも注目。
15THE BEDROOM