ガイドコメント
サンタナ、1971年発表の3rdアルバム。後にジャーニーのギタリストとして一世を風靡する、当時弱冠17歳のニール・ショーンが参加。71年7月4日に行なわれたフィルモア・ウェストでのライヴ音源3曲も、未発表ボーナス・トラックとして収録。
収録曲
01BATUKA
ラテン・パーカッションの変則的なリズム・パターンに乗って、弱冠17歳の新人ギタリスト、ニール・ショーンが派手なギター・ソロを披露し、ローリーもオルガン・ソロで対抗する。脇にまわったカルロスもシブいが、リズムを支配するチェピートのプレイも要チェック。
02NO ONE TO DEPEND ON
「バトゥーカ」とのメドレー形式で演奏される曲。ゲスト参加のコーク・エスコベート、カラベロ、ローリーの共作曲で、R&B、チャチャチャ、マンボを合体させたパワフルなラテン・ロック・サウンドを聴かせる。ギター・ソロも強力だが、それ以上にリズムの洪水が圧巻。
03TABOO
チェピートとローリーの共作曲。ローリーがメロウに歌う失恋の歌だが、タイトルはなぜかタブー。ドリフのコントでもおなじみのラテン・スタンダード曲とは同名異曲。泣きのギター・ソロを満載したバラードでもあり、パーカッシヴな演奏もサンタナらしい。
04TOUSSAINT L'OVERTURE
ハイチの革命家トゥーサン・ルーベルチュールをイメージした初期の代表作。ロック+ジャズ+アフロ・キューバンという感覚のスリリングな展開はサンタナならでは。ラテン風味のコーラスも楽しいし、ギター・バトルやパーカッション・バトルも堪能できる。
05EVERYBODY'S EVERYTHING
タワー・オブ・パワーのホーン・セクションをフィーチャーした曲。サンタナ版スライ&ザ・ファミリー・ストーンとでも言えそうなラテン・ファンクの世界が堪能できる。ドラムスとパーカッションによるリズムだけでも充分に面白いが、ニールのギター・ソロも楽しい。
06GUAJIRA
リコ・レジェスのヴォーカルをフィーチャーしたサンタナ流ソン・モントゥーノ。キューバ音楽の伝統に敬意を表した比較的ストレートなアレンジだが、ギター・ソロをたっぷりと堪能できるところはやはりサンタナ流。タイトルの「Guajira」は“女性の農民”。
07JUNGLE STRUT
“ボス・テナー”ジーン・アモンズの名曲のカヴァー。ホーン・セクションをギターとオルガンに置き換えて、ラテン+ブルース+ジャズのサンタナ・サウンドにアレンジしている。1971年3月6日のガーナ独立14周年記念コンサートでの名演でも知られる曲。
08EVERYTHING'S COMING OUR WAY
カルロスが書いたマリアッチ調ポップ・ソング。アコギ、オルガン、ボンゴなどによるセミ・アンプラグドなサウンドをバックに、カルロスがナイーヴな歌声を披露する。マリアッチ調でもあるのだが、なんとなくジョージ・ハリスン風でもあるところが面白い。
09PARA LOS RUMBEROS
ラテン音楽の王様ティト・ブエンテの難曲をオリジナルにほぼ忠実にカヴァーしながらロック・バンドらしいハードネスも加味した名演。チェピートとカラベロが叩きまくるアフロ・キューバン・リズムが圧巻。ツイン・ギターにトランペットが絡むテーマもイカしてる。
10BATUKA
1971年7月4日、フィルモア・ウェストでのライヴ録音。映画にもなった“フィルモア最後の日”の伝説的な名演が聴ける。チェピート+カラベロ+シュリーヴによるパーカッション・アンサンブルやニール・ショーンの速弾きギター・ソロが楽しめる。
11JUNGLE STRUT
1971年7月4日、フィルモア・ウェストでのライヴ録音。映画にもなった“フィルモア最後の日”の伝説的な名演が聴ける。“ボス・テナー”ジーン・アモンズの名曲のホーン・セクションをギターとオルガンで差し換え、力強いサンタナ・サウンドで“再生”している。
12GUMBO
1971年7月4日、フィルモア・ウェストでのライヴ録音。映画にもなった“フィルモア最後の日”の伝説的な名演が聴ける。『サンタナIII』のアウト・テイクだった曲だが、ツイン・ギターとパーカッションをフィーチャーしたワイルドなサンタナ・サウンドが堪能できる。