ガイドコメント
84年2月発表のアルバムを、紙ジャケにてアナログ盤を忠実に再現。メンバー各自が半年間のソロ活動で得た成果を持ち寄り、水準の高い名作が完成。ブラック路線から本来のロックに戻っている。
収録曲
01RADIO GA GA
ロジャーが書いたラジオ讃歌。ニューウェイヴ調のサウンドに彩られたポップ・ソング。映画『メトロポリス』の映像を引用したビデオも話題になった。全英2位、全米16位のヒット曲で、世界19ヵ国でNo.1ヒットを記録。ロジャーの曲では初のメガ・ヒット。
02TEAR IT UP
ブライアン主導のハード・ロッキンな曲。フレディの饒舌なヴォーカルとブライアンのワイルドなギターが派手に炸裂する真正クイーン・サウンドが楽しめる。ライヴでの演奏を前提にしたような、観客へのメッセージを満載した曲でもある。
03IT'S A HARD LIFE
オペラ『道化師』のアリア「衣装を着けろ」からのメロディの引用で幕を開ける、フレディのオペラティックなバラード。フレディならではの世界をたっぷりと堪能できる。ブライアンのギター・オーケストレーションとギター・ソロも素晴らしい。
04MAN ON THE PROWL
「愛という名の欲望」の続篇のようなフレディのロカビリー・チューン。フレディはエルヴィスばりのヴォーカルを披露し、ブライアンもスコッティ・ムーアばりのギター・ソロを披露。終盤に大活躍するフレッド・マンデルのピアノも楽しい。
05MACHINES WORLD (or "BACK TO HUMANS")
SFを愛するブライアンとロジャーの共作による未来派ロック。サンプリング・マシーン“フェアライト”を駆使した当時最新のサウンドをバックに、フレディが“機械の心”を歌い上げる。ヴォコーダーを使ったロボットの声はロジャーが演じているようだ。
06I WANT TO BREAK FREE
ジョンが書いたカリプソ調の曲。ジョンらしい単純明快なメロディで、フレディが「自由になりたい」と歌う。クイーンの4人が女装して登場したビデオも話題になった。全英チャート3位のヒットを記録。圧制に苦しむ南米の人びとにも愛唱された。
07KEEP PASSING THE OPEN WINDOWS
実際には使われなかったが、映画『ホテル・ニューハンプシャー』のサウンドトラックのためにフレディが書いた曲。アップ・テンポのパワフルなビートに乗って「自分を信じろ」「愛こそはすべて」というメッセージをフレディが力強く歌う。
08HAMMER TO FALL
ブライアン主導によるハード・ロッキンな曲。フレディのパワフルなヴォーカル、ブライアンのワイルドなギター・サウンド、華麗なコーラスなど、クイーンならではの要素を満載した曲で、後期のライヴでは重要なレパートリーのひとつとなった。
09IS THIS THE WORLD WE CREATED...?
ブライアンのアコギとフレディのヴォーカルとのデュエットによる二人の共作曲。飢餓に苦しむ人びとを主題にした歌詞は“ライヴ・エイド”の趣旨とも合致。バンドでの演奏を終えた後、二人はフィナーレの前に再び登場し、この曲を演奏した。