収録曲
01WE WILL ROCK YOU
スポーツ会場やCMなどでは耳にしないことはないほどの、クイーンの代名詞的超人気ナンバー。わずか2分程度の長さではあるが、大地を踏み鳴らすような響く鼓動がズシリと伝わる、これぞスタジアム・ロックだ。
02WE ARE THE CHAMPIONS
「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と双璧をなす(実際に英では両A面でリリースされた)、スポーツ・アンセム。静かで美しいイントロから、壮大なクライマックスへと向かう展開に、思わず大声で歌いたくなるはず。
03SHEER HEART ATTACK
本来なら同題の3rdアルバムに収録されるはずだった曲。最初から最後まで全力疾走で駆け抜ける如何にもロジャーらしい強烈なロックンロール。たった一度のブレイクでも、ドラムスだけは演奏を止めず全力疾走のフィル・インを叩きまくる。
04ALL DEAD, ALL DEAD
以前ならフレディが歌っていたであろうブライアンの曲。悲劇的な歌詞を持つこの美しいバラードを作者自身が歌っているのは、1977年のクイーンが過渡期にあったから。いずれにしても、ブライアンが歌うことでこの曲は奇妙なリアリティを得た。
05SPREAD YOUR WINGS
ソングライターとしてのジョンの成熟を証明した曲。フレディが歌うこのバラードは良質のポップ・ソングであり、的確な編曲も含めて音楽的な完成度も高い。映画の一場面のような歌詞もいい。80年代のクイーンのポップ化を先取りしたような秀作。
06FIGHT FROM THE INSIDE
ギター、ベース、ヴォーカルをロジャーが担当する、ヘヴィなドラムスとメタリックなギター・リフが牽引するブルージィなロック・チューン。血気盛んな若者に忠告する歌詞は当時のパンク世代へのメッセージのようにも感じられる。
07GET DOWN, MAKE LOVE
フレディ流の変則的なブルース・ロック。ヘヴィなリフとコーラスを従えて、粘り腰のセクシーな歌声を聴かせる。SEが駆け巡る間奏部分は、フレディ版「胸いっぱいの愛を」か。業師フレディによるブルース解体新書、とも言えないことはない。
08SLEEPING ON THE SIDEWALK
ブライアンが歌うミディアム・シャッフルのブルース曲。珍しくストレートなブルースだが、長いギター・ソロもなく、黒人トランペット奏者の栄光と没落の物語を描いた歌詞を淡々とクールに歌う。一度やってみたかったんだろうな、と思わせる曲。
09WHO NEEDS YOU
ジョンが書いたカリプソ調のポップ・ソング。ポール・マッカートニーばりのメロディが秀逸。“Who need you?”という表現を巧く使った歌詞と編曲もナイス。この時期の4人の中で最もポップなソングライターはジョンだったのかもしれない。
10IT'S LATE
シングルとしてもリリースされたブライアン主導の曲。レナード・スキナードばりのクイーン流サザン・ロック・サウンドが聴ける。最も英国的なバンドによる最も米国的なロック、という構図を本人たちも楽しみながらプレイしている、という印象がある。
11MY MELANCHOLY BLUES
フレディが歌うジャジィなゴスペル・ソング。ピアノ・トリオの伴奏で、コーラスも使わず、ソロでジャズっぽく歌ってみせ、あっさりとフェイド・アウト。単なる失恋の歌かと思わせておいて、自分のメランコリーさえも見世物にしてしまう歌詞が彼らしい。