[Disc 1]〈グレイテスト・ヒッツI〉
01BOHEMIAN RHAPSODY
代表作『オペラ座の夜』でハイライトとなった有名曲。ピアノ弾き語りの導入部からミニ・オペラ、ヘヴィなロックンロールとめくるめくドラマティックな展開が楽しめ、クイーンの魅力が凝縮されている。
02ANOTHER ONE BITES THE DUST
邦題は「地獄へ道づれ」で全米第1位に輝く。ボトムの効いたベース・ライン、ファンク風のギター・リフを軸に、シンセサイザーを用いたダンサブルなナンバー。クイーンの変革が見てとれる曲。
03KILLER QUEEN
個性の異なるコーラスの融合が美しいナンバー。透き通った輝くヴェールで包まれるようなサビの浮揚感、オーケストラ風の精巧なサウンド・プロダクションなど聴きどころが詰まっている。
04FAT BOTTOMED GIRLS
ア・カペラのゴスペル風クワイアから始まる、ストーンズを彷彿とさせるロックンロール。下品で低俗な歌詞を真正クイーン・サウンドでゴージャスに飾り立ててみせるところがいかにも彼ららしい。歌詞が“下品なストーンズ”なら、サウンドは“上品なストーンズ”か。
05BICYCLE RACE
フランスに滞在中、宿泊したホテルの前でツール・ド・フランスが展開されたのを見て、インスパイアされたフレディが作曲。疾走感はもとより、曲中にベルを鳴らすなど、ちょっとした工夫もちりばめられている。
06YOU'RE MY BEST FRIEND
ジョン・ディーコン作曲によるシングル。耳当たりが優しく親しみやすいメロディと、ハートフルなコーラス・ワークが沁みわたるミディアム・ナンバー。代表作『オペラ座の夜』から。イギリス最高第7位。
07DON'T STOP ME NOW
ピアノと歌だけのゆるやかなイントロから一転して、風を切って駆けるようなスピード感のあるバンド・サウンドが爽快。最後は再び緩やかにフェイド・アウト、と一瞬の夢心地を体験したようなドラマ性のある展開が秀逸。
08SAVE ME
82年6月5日、英国のミルトン・キーンズ・ボウルでのライヴ録音。『ザ・ゲーム』からの選曲。フレディが朗々と歌い上げるクイーン流ゴスペル・ソング。愛の歌であると同時に祈りの歌でもあり、「僕を救って」と訴えるこの曲がフレディにはよく似合う。
09CRAZY LITTLE THING CALLED LOVE
全米第1位獲得曲。プレスリー風のロカビリー・エッセンスを注入し、ムードある仕上がりとなっている。ドイツ・ミュンヘンのホテルでフレディが泡風呂でボーッとしていた時に生まれた曲といわれている。
10SOMEBODY TO LOVE
フレディ主導のクイーン流ゴスペル・ソング。フレディのソウルフルなヴォーカルとゴスペル風クワイアが親密に絡み合いながらピークへと昇り詰めていくプロセスが素晴らしい。全英チャートでは2位、全米チャートでは13位のヒットを記録した。
11NOW I'M HERE
クイーンにしては珍しくストレートなロックンロール。ロックンロール・クラシックの数々が背後から聴こえてくるような演奏が楽しめる。サウンドの細部には彼ららしい仕掛けもあり、フェイド・アウト寸前にはチャック・ベリーの「リトル・クイニー」のフックが引用される。
12GOOD OLD-FASHIONED LOVER BOY
フレディが書いた一風変わったラブ・ソング。十八番のボードヴィル調の曲だが、さまざまな工夫や仕掛けを散りばめたユニークなサウンドはもはや“クイーン調”と呼ぶべきかも。最初から最後まで大いに楽しませてくれる3分弱の素敵なポップ・ソング。
13PLAY THE GAME
フレディらしいメロディックなバラードだが、これまで敢えて避けてきたシンセサイザーを初めて導入し、狂騒的なまでにドラマティックなサウンドを構築している。新境地と新機軸をアピールした意欲作『ザ・ゲーム』の巻頭を飾るヒット曲。
14FLASH
82年6月5日、英国のミルトン・キーンズ・ボウルでのライヴ録音。前年に封切られた映画『フラッシュ・ゴードン』のテーマ曲に乗って、クイーンの4人が登場。当時のクイーンの登場テーマ曲としては最もふさわしい曲のひとつ。
15SEVEN SEAS OF RHYE
前作の最終トラックで予告されていた曲。超越的な存在からの人類へのメッセージを歌ったものだが、フレディなら神でも悪魔でも演じられる。エンディングのいかにも英国的なユーモアのセンスもクイーンらしい。全英チャート10位のヒットを記録。
16WE WILL ROCK YOU
17WE ARE THE CHAMPIONS
「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と双璧をなす(実際に英では両A面でリリースされた)、スポーツ・アンセム。静かで美しいイントロから、壮大なクライマックスへと向かう展開に、思わず大声で歌いたくなるはず。
[Disc 2]〈グレイテスト・ヒッツII〉
01KIND OF MAGIC
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。当時の最新作だった同題アルバムのタイトル曲。ライヴの勢いを大切にしながらも緻密で丁寧な演奏が印象的。映画『ハイランダー』の主題歌でもあり、観客の反応も良い。
02UNDER PRESSURE
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。デヴィッド・ボウイとの共作・共演によるヒット曲。ボウイがいないのは寂しいけれど、フレディが頑張っているし、デュエットのパートナーを務めるロジャーも健闘している。
03RADIO GA GA
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ワークス』からのヒット曲。どちらかといえばライヴ向きの曲ではないだろうが、観客の手拍子までも演奏の一部として利用するライヴ仕様の力強いサウンドが楽しめる。
04I WANT IT ALL
分厚いギター・サウンドをバックに、コーラスを従えたフレディが歌うハード・ロッキンな曲。狂騒的なギター・ソロが披露されたかと思えば、途中でブライアンが歌う別の曲が挿入されたりもするミニ組曲形式がいかにもクイーン。全英3位のヒットを記録。
05I WANT TO BREAK FREE
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ワークス』からのヒット曲。明快なメロディと明快な歌詞、カリビアンなサウンドが楽しい。フレディの熱唱とブライアンのホットなギター・ソロが印象的。
06INNUENDO
ドラム・ロールからのボレロ風リズムで始まるミニ・ロック・オペラ。スティーヴ・ハウのフラメンコ・ギターが登場したり、バンドでのフラメンコ・ロックがあったりもする多様な展開を経て、最後はフレディの絶叫で幕を降ろす。全英No.1のヒットを記録。
07IT'S A HARD LIFE
オペラ『道化師』のアリア「衣装を着けろ」からのメロディの引用で幕を開ける、フレディのオペラティックなバラード。フレディならではの世界をたっぷりと堪能できる。ブライアンのギター・オーケストレーションとギター・ソロも素晴らしい。
08BREAKTHRU
美しいコーラスから始まる曲。すぐにアップ・テンポのディスコ調ビートへと展開し、コーラスを引き連れたフレディが「突破口を開け」と歌うラブ・ソング。蒸気機関車をフィーチャーしたビデオでも話題になったが、この曲のリズムは確かに機関車的。
09WHO WANTS TO LIVE FOREVER
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。当時の最新作『カインド・オブ・マジック』からの劇的なバラード。ブライアンとサポート・メンバーによるキーボードがオーケストラの代役を務め、フレディが見事に歌い上げる。
10HEADLONG
ブライアンのギターが先導するハード・ロッキンな曲。衰えを感じさせないフレディのヴォーカルや強力なコーラスも見事なものだが、この曲の主役はやはりギターか。弾きまくっているわけではないのだが、魅力的なプレイを披露している。
11THE MIRACLE
ハープのピチカートから始まり、多重録音されたギター・サウンドや完璧なコーラス・ワークを駆使し、劇的に展開されていくミニ組曲。最後は美しいコーラスの繰り返しでフェイド・アウト。4人にそっくりな子供たちが出演したビデオ・クリップも話題になった。
12I'M GOING SLIGHTLY MAD
ドラム・ロールからのボレロ風リズムで始まるミニ・ロック・オペラ。スティーヴ・ハウのフラメンコ・ギターが登場したり、バンドでのフラメンコ・ロックがあったりもする多様な展開を経て、最後はフレディの絶叫で幕を降ろす。全英No.1のヒットを記録。
13EHT INVISIBLE MAN
14HAMMER TO FALL
15FRIENDS WILL BE FRIENDS
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。当時の最新作『カインド・オブ・マジック』からの最新ヒット曲。「何があっても友達はいつだって友達さ」とフレディと観客が大合唱した後、最後の「伝説のチャンピオン」へと続く。
16THE SHOW MUST GO ON
91年発表のアルバム『イニュエンドウ』からのヒット曲。凛としながらも、どこか悲しみに耐えてきたような感傷的なメロディが心を打つ。フレディ死後、エルトン・ジョンをヴォーカルに迎え、ライヴを行なったことも。
17ONE VISION
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。オープニング・ナンバーは映画『アイアン・イーグル』の主題歌。フレディのヴォーカルとブライアンのギターが目立つが、リズム・セクションも大いに健闘している。