ミニ・レビュー
デビュー30周年記念の新編ベスト。これといって意外な選曲はないが、『インナー・シークレッツ』からの曲などは初CD化音源。リマスターにより音質は飛躍的に向上している。どうせならクラブ映えする曲だけ集めるとか、ちょっとした工夫もほしかったところ。
ガイドコメント
デビュー30周年を記念して制作されたサンタナのベスト・アルバム。「ブラック・マジック・ウーマン」「哀愁のヨーロッパ」など代表曲16曲を収録。デジタル・リマスタリングにより音質も格段に向上している。
収録曲
01JINGO
アフリカン・ドラムを思わせるリズムを基調にしたアフロ“キューバン”ロック。カラベロとシュリーヴがベーシックなリズムを受け持ち、チェピートがリフやソロを展開する。ライヴで映える曲のひとつであり、ウッドストック・フェスでも披露された初期の代表作。
02EVIL WAYS
ビル・グレアムの薦めでカヴァーしたウィリー・ボボの曲。初期サンタナの個性を最もキャッチーなスタイルで凝縮したラテン系ポップ・ソングだが、終盤のギター・ソロ・パートではサンタナらしいライヴ仕様のセッションを聴かせてくれる。全米9位のヒットを記録。
03BLACK MAGIC WOMAN|GYPSY QUEEN
04OYE COMO VA
ラテン音楽の王様ティト・ブエンテの名曲。ゲスト・ヴォーカルにリコ・レジェスを迎えて、オリジナル曲にほぼ忠実なカヴァー・ヴァージョンを披露している。「ブラック・マジック・ウーマン」にも匹敵する初期サンタナの有名曲。全米チャート13位のヒットを記録。
05SAMBA PA TI
06SHE'S NOT THERE
07NO ONE TO DEPEND ON
「バトゥーカ」とのメドレー形式で演奏される曲。ゲスト参加のコーク・エスコベート、カラベロ、ローリーの共作曲で、R&B、チャチャチャ、マンボを合体させたパワフルなラテン・ロック・サウンドを聴かせる。ギター・ソロも強力だが、それ以上にリズムの洪水が圧巻。
08OPEN INVITATION
09HOLD ON
10BELLA
11WINNING
12ALL I EVER WANTED
13DANCE SISTER DANCE (BAILA MI HERMANA)
1976年12月、ロンドンのハマースミス・オデオンでのライヴ録音。『アミーゴ』からの選曲。タイトにシェイプアップされた1976年型ラテン・ロックが聴ける。初期よりはずっと洗練されているが、カルロスのギターは泣きまくり、チェピートのティンバレスは暴れまくる。
14EUROPA (EARTH'S CRY, HEAVEN'S SMILE)
カルロス・サンタナの弾く天井知らずで泣きまくるギターが泣ける、ギター・インストゥルメンタルの名曲。タイトルはヨーロッパだが、曲調はむしろラテン歌謡。ギターの余韻が漂わせるワビサビには、日本の演歌に通じる風情が。
15EVERYBODY'S EVERYTHING
タワー・オブ・パワーのホーン・セクションをフィーチャーした曲。サンタナ版スライ&ザ・ファミリー・ストーンとでも言えそうなラテン・ファンクの世界が堪能できる。ドラムスとパーカッションによるリズムだけでも充分に面白いが、ニールのギター・ソロも楽しい。
16SOUL SACRIFICE