ミニ・レビュー
快調R.E.M.の新作はさらにアメリカン・ルーツ色を濃くにじませたもの。前作以上に清涼な空気もあるが、ささくれ立った歌心は変わらない。これこそ今の代表的アメリカン・ロックのひとつだ。頭でっかちではないドロ臭い叙情性が聴かせる。
ガイドコメント
ワーナー移籍第1弾アルバムで、前作よりもさらにアメリカン・ルーツ色を強くした作品。88年発表。ややもすると痛々しいほどの旋律で、聴くものの心を捉える名作。
収録曲
01ポップ・ソング 89
02ゲット・アップ
03ユー・アー・ザ・エヴリシング
04スタンド
往年のヒット曲を思わせるポップンロールな曲調は、ビートルズ経由モンキーズの影響か。コメディ番組のテーマ曲となり、それまでのキャリアでは最高位となる全米6位を記録。珍しいことにギター・ソロでワウを使用している。
05ワールド・リーダー・プリテンド
06ロング・チャイルド
07オレンジ・クラッシュ
“枯葉剤”に言及した歌詞、爆撃を模したギター・フレーズ、ヘリの音などから、ベトナム戦争を歌ったとされているダンサブルでハードな曲。異なった旋律をなぞる歌とコーラスが、最後でひとつになるアレンジが秀逸だ。
08ターン・ユー・インサイド・アウト
09ヘアシャート
10アイ・リメンバー・カリフォルニア