ガイドコメント
名盤『サーファー・ローザ』とファースト『カモン・ピルグリム』をカップリングした作品の再発(当時アナログで買った人はとても悔しかった)。毒とポップの魔法が絶妙にマッチした、必聴盤。
収録曲
01BONE MACHINE
ドラム、ベース、ギターが順に加わるだけの淡々とした展開ながら、聴くたびテンションが上昇してしまうファンも多かろうナンバー。極端に緩急を付ける得意の手法を駆使した、アヴァンギャルドでカオティックな楽曲。
02BREAK MY BODY
03SOMETHING AGAINST YOU
04BROKEN FACE
05GIGANTIC
キム・ディール共作&歌唱のキャッチーなナンバー。ベーシストの作だけあり、終始ベース・ラインは耳に残り、タイトルを連呼するコーラスはキュート。歌詞は、映画『ロンリー・ハート』(86年)の内容に触発されたもの。
06RIVER EUPHRATES
07WHERE IS MY MIND
やるせないメロディや、歪んだディストーション・ギターなど、鬱屈した感情を投影したサウンドがエモーショナルな気分を生み出す名曲。映画『ファイト・クラブ』(99年)のエンディングに使われ再評価され、いまや彼らの新たな代表曲となっている。
08CACTUS
09TONY'S THEME
10OH MY GOLLY!
11SPEECH
12VAMOS
13I'M AMAZED
14BRICK IS RED
15CARIBOU
穏やかな曲調が、激情モードへと急展開。静と動、美と醜、ファルセット歌唱とスクリーミング歌唱が背中合わせになった作品世界は、彼らの屈折して倒錯した音楽性を象徴している。デビュー作の1曲目を飾った衝動的なナンバーだ。
16VAMOS
17ISLA DE ENCANTA
18ED IS DEAD
19THE HOLIDAY SONG
初期ピクシーズ作品によく見られた、初期衝動のままに疾走するナンバー。ドライヴするエレクトリック・ギターの裏で、ざっくりと刻まれるアコースティック・ギターが隠し味。グランジ・ロックに継承された要素も満載だ。
20NIMRAD'S SON
パーカッシヴなギターが楽曲全体をラテン音楽調に染め上げているナンバー。滑らかとは言い難い緩急の付け方は、楽曲が抱える衝動をむしろ強調。“泣きっ面に蜂”的な風景が描かれた歌詞には、宗教的な引用も散見する。
21I'VE BEEN TIRED
22LEVITATE ME