ガイドコメント
86年7月のウエンブリー・スタジアムにおけるライヴを復刻。公演のオープニングからアンコールまでを2枚組に収録した完全盤で、紙ジャケットにはリチャード・グレイのデザインを使用。
収録曲
[Disc 1]
01ONE VISION
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。オープニング・ナンバーは映画『アイアン・イーグル』の主題歌。フレディのヴォーカルとブライアンのギターが目立つが、リズム・セクションも大いに健闘している。
02タイ・ユア・マザー・ダウン
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『華麗なるレース』収録のライヴ定番曲。フレディのヴォーカルも熱いが、ブライアンのソロもギターが炎上しそうなくらいホット。リズム・セクションの貢献も大きい。
03神々の業
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。ほぼア・カペラに近いフレディの雄々しい歌声が先導する初期の名曲。観客も巻き込んでの大合唱が津波のように……と思ったら、次の曲「輝ける7つの海」へとバトンタッチ。
04輝ける7つの海
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。「神々の業」からメドレー形式で繋げられたクイーン最初期のヒット曲。ピアノのイントロだけで観客も歓声を上げる。演奏時間は短いが、1分あまりでも充分に効果的な曲。
05ティア・イット・アップ
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ワークス』からの選曲。観客に呼びかける歌詞も含めてライヴ向きの曲のひとつ。クイーンらしいハード・ロッキンな演奏で「カインド・オブ・マジック」への序曲を務める。
06カインド・オブ・マジック
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。当時の最新作だった同題アルバムのタイトル曲。ライヴの勢いを大切にしながらも緻密で丁寧な演奏が印象的。映画『ハイランダー』の主題歌でもあり、観客の反応も良い。
07アンダー・プレッシャー
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。デヴィッド・ボウイとの共作・共演によるヒット曲。ボウイがいないのは寂しいけれど、フレディが頑張っているし、デュエットのパートナーを務めるロジャーも健闘している。
08地獄へ道づれ
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ゲーム』からのヒット曲。オリジナル以上にヘヴィな演奏をバックに、フレディと観客とのコール&レスポンスをフィーチャーしたライヴ仕様の長尺ヴァージョンが楽しめる。
09リヴ・フォーエヴァー
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。当時の最新作『カインド・オブ・マジック』からの劇的なバラード。ブライアンとサポート・メンバーによるキーボードがオーケストラの代役を務め、フレディが見事に歌い上げる。
10ブレイク・フリー (自由への旅立ち)
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ワークス』からのヒット曲。明快なメロディと明快な歌詞、カリビアンなサウンドが楽しい。フレディの熱唱とブライアンのホットなギター・ソロが印象的。
11インプロンプトゥ (フレディ・ソロ)
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。フレディのヴォ-カル・インプロヴィゼーションをフィーチャーしたライヴならではの曲。フレディがプレイする“ヴォーカルという楽器”のソロを堪能できる。
12ブライトン・ロック・ソロ (ブライアン・ギター・ソロ)
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『シアー・ハート・アタック』からの選曲だが、ディレイを駆使したブライアンのギター・ソロをフィーチャーしたインストゥルメンタル・ヴァージョン。彼のファンなら必聴の1曲。
13ナウ・アイム・ヒア
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。初期からずっとライヴ定番曲だったロックンロール・ナンバー。70年代には長尺の演奏を披露していたが、ここではロックンロールの核に集中したタフなプレイを聴かせてくれる。
[Disc 2]
01ラヴ・オブ・マイ・ライフ
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。ブライアンのアコースティック・ギターのみをバックに、フレディが歌い上げるメロディックなバラード。観客との合唱も含めて、ライヴならではの感動を堪能できる。
02悲しき世界
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ワークス』からの選曲で、“ライヴ・エイド”でも披露された美しいバラード。ブライアンのアコギをバックに、フレディが飢餓に苦しむ人びとについて歌う。
03ベイビー・アイ・ドント・ケア
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。エルヴィスやバディ・ホリーのヴァージョンで知られるロックンロール・クラシック。ブライアンのアコギ、ジョンのベース、ロジャーのタンバリン、フレディのヴォーカル、という編成で披露される。
04ハロー・メリー・ルー
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。リッキー・ネルソンのカントリー・ロック・ナンバーのカヴァー。ブライアンのアコギ、ジョンのベース、ロジャーのタンバリンという編成で、コーラス主体の見事な演奏を聴かせてくれる。
05トゥッティ・フルッティ
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。リトル・リチャードのロックンロール・クラシックのカヴァーを前半はアコースティック・セット、後半はエレクトリック・セットで披露。サポート・メンバーを務めるスパイクのピアノも好演。
06ギミ・サム・ラヴィン
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。フレディと観客の手拍子から始まるスペンサー・デイヴィス・グループのヒット曲のカヴァー。1分足らずの短縮ヴァージョンだが、ロックンロール・メドレーの最後を飾る1曲。
07ボヘミアン・ラプソディ
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。生演奏パートとスタジオ録音「ママ・ミア」パートとの切り替えも絶妙で、この特別な曲をライヴで聴く、という行為が貴重な体験であることを改めて思い知らせてくれる。
08ハマー・トゥ・フォール
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ワークス』から選曲された後期のライヴ定番曲。ハード・ロッキンなサウンドで、ブライアンのギター・ソロがたっぷりと楽しめる。歌も演奏も見事にコントロールされた好演。
09愛という名の欲望
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ゲーム』収録のヒット曲。フレディがエレキ・ギターを弾きながら歌うロカビリー・スタイルのサウンドが楽しい。ブライアンのギター・ソロをフィーチャーした長尺ヴァージョン。
10ビッグ・スペンダー
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。アンコールの1曲目は、ブロードウェイ・ミュージカル『スウィート・チャリティ』からの名曲のカヴァー。フレディのヴォーカルをフィーチャーしたヘヴィ・ロック・ヴァージョンがカッコいい。
11RADIO GA GA
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『ザ・ワークス』からのヒット曲。どちらかといえばライヴ向きの曲ではないだろうが、観客の手拍子までも演奏の一部として利用するライヴ仕様の力強いサウンドが楽しめる。
12ウィ・ウィル・ロック・ユー
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。『世界に捧ぐ』からのライヴ定番曲。観客の大合唱を演奏のクライマックスに導入したライヴならではのヴァージョン。コンサートのフィナーレを飾るアンコール・メドレーの1曲目。
13心の絆
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。当時の最新作『カインド・オブ・マジック』からの最新ヒット曲。「何があっても友達はいつだって友達さ」とフレディと観客が大合唱した後、最後の「伝説のチャンピオン」へと続く。
14伝説のチャンピオン
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。ピアノのイントロだけで大歓声のライヴ定番曲。観客も最初からフレディと一緒に歌っている。「僕たちはチャンピオン」の大合唱を引き連れて大団円のエンディングへと雪崩れ込む。
15ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
86年7月12日、ロンドンのウェンブリー・スタジアム公演でのライヴ録音。クイーンのコンサートでは定番のクロージング・テーマ。クイーンの“生演奏”ではないが、観客が歌っているから“生歌唱”。英国人じゃなくても、一度は体験してみたい感動のフィナーレ。