ガイドコメント
3年の休暇を経て発表された89年のアルバム。既に病に冒されていたフレディのヴォーカルはもとより、4人のパワーが集結して奇蹟のサウンドを生み出し、絶頂期の輝きが甦った1枚。
収録曲
01パーティ
ジャングル・ビート風のリズムと賑やかなコーラスをフィーチャーしたタイトル通りのパーティ・ソング。「戻って来いよ。また一緒にプレイしよう」という歌詞の一節は、当時のクイーンの4人にとっては合言葉みたいなものだったのかもしれない。
02カショーギの船
「俺のパーティが終わったと言ったのは誰だ?」という一節から始まるハード・ロッキンなパーティ・ソング。ブライアンのギターが唸りを上げる演奏もパワフルだが、恐ろしくテンションの高いフレディのヴォーカルが何よりも素晴らしい。
03ザ・ミラクル
ハープのピチカートから始まり、多重録音されたギター・サウンドや完璧なコーラス・ワークを駆使し、劇的に展開されていくミニ組曲。最後は美しいコーラスの繰り返しでフェイド・アウト。4人にそっくりな子供たちが出演したビデオ・クリップも話題になった。
04アイ・ウォント・イット・オール
分厚いギター・サウンドをバックに、コーラスを従えたフレディが歌うハード・ロッキンな曲。狂騒的なギター・ソロが披露されたかと思えば、途中でブライアンが歌う別の曲が挿入されたりもするミニ組曲形式がいかにもクイーン。全英3位のヒットを記録。
05インビジブル・マン
06ブレイクスルー
美しいコーラスから始まる曲。すぐにアップ・テンポのディスコ調ビートへと展開し、コーラスを引き連れたフレディが「突破口を開け」と歌うラブ・ソング。蒸気機関車をフィーチャーしたビデオでも話題になったが、この曲のリズムは確かに機関車的。
07レイン・マスト・フォール
カラフルなパーカッション群が奏でるラテン系のリズムに乗って、単純明快なメロディで「どんな人生にも多少の雨はつきものさ」とフレディがポジティヴに歌う楽天的なポップ・ソング。ブライアンのギター・ソロもメロディックで美しい。
08スキャンダル
フェイド・インから始まるヘヴィなロック・チューン。ストリングスによるリフに先導され、フレディが力強く歌い上げる。88年に父の死と離婚をほぼ同時に経験し、ゴシップ雑誌の餌食となったブライアンが書いたマスコミ批判の唄でもある。
09マイ・ベイビー・ダズ・ミー
R&B調のシンプルなサウンドをバックに、フレディが粘り腰のヴォーカルで「僕のベイビーは……」と歌うポップ・ソング。異性に対する不信感を表明した歌詞だが、フレディが歌うと複雑なニュアンスが……なんて考えるのも一種の性差別になるのかな?
10素晴らしきロックン・ロール・ライフ
神秘的なイントロからギター・リフが唸りを上げる展開へと突入し、中盤では映画音楽ばりのオーケストラも登場するドラマティックなミニ組曲。「ロックンロール・ライフにはそれだけの価値があったのか?」という疑問を繰り返す歌詞はヘヴィ。
11ハング・オン・イン・ゼア
シングル「アイ・ウォント・イット・オール」のB面収録曲。幻想的なイントロから始まるパワフルなロック・チュ-ン。「諦めるな」「有り難いことに君はまだ生きている」などの歌詞はフレディが自分自身に言い聞かせているようにも感じられる。
12チャイニーズ・トーチュア
13インビジブル・マン (12インチ・ヴァージョン)