ガイドコメント
マドンナ自らプロデュースに参加した3rdアルバムで、「パパ・ドント・プリーチ」ほか、大ヒット曲を多数収録。デジタル・リマスター&ボーナス・トラック追加のスペシャル仕様。1986年作品。
収録曲
01パパ・ドント・プリーチ
ブライアン・エリオットのオリジナルにマドンナが加筆したアルバム『トゥルー・ブルー』のリード曲。10代の少女の妊娠をテーマにした社会性ある詞が、未婚の母を肯定すると揶揄された。一聴して惹き込まれるイントロの扇情的な旋律が印象的。
02オープン・ユア・ハート
ウエスト・コースト風のギター・リフと開放的なメロディが、清々しさを演出するダンサブル・チューン。明朗さを備えたビート上で“心の鍵を開いて”と伸びやかに歌う姿は、マドンナの魅力が最大限に発揮されているといえる。
03ホワイト・ヒート
ジミー・キャグニー主演映画『白熱/ホワイト・ヒート』(1949)をモチーフにしたアッパー・チューン。キャグニーのセリフを取り込んだ演出に、ハリウッドへの揺るぎない情熱を感じる。コーラスでのヴォーカルの力強さにもその真摯な態度がみえる。
04リヴ・トゥ・テル
当時の夫、ショーン・ペン主演映画『ロンリー・ブラッド』(1985)テーマ曲となったパトリック・レナードとの共作曲。微かにみえる侘しさとのどかな田園色が色濃く反映された美しいバラードで、映画興行の失態を余所に全米No.1ソングとなった。
05パーティは何処 (どこ)に
西海岸を想わせるファンキーなビートの展開が、肩で風を切って歩くような勢いを感じさせるアグレッシヴなダンス・ナンバー。スティーヴ・ブレイとパトリック・レナードとの共作で、当時の飛ぶ鳥を落とす勢いが存分に表われている。
06トゥルー・ブルー
アルバム『トゥルー・ブルー』からの第3弾シングルで、全米3位・全英1位を記録したミディアム・ポップス。旧き良きモータウン・サウンドを軸に据え、本物の恋に出会ったと歌う私生活とシンクロするような詞が潔く響く。
07ラ・イスラ・ボニータ
「OPEN YOUR HEART」に続く、3rdアルバムからのシングル・カット。新たにプロデューサーとして起用されたパトリック・レーナード、セッション・ギタリストであるブルース・ガイチ、そしてマドンナの共作によるラテン・ナンバー。
08ジミー・ジミー
町きっての暴れ者に恋する愚かな娘というシチュエーションを、高速のBPMでテンポよくコミカルに描くダンス・チューン。単純なヴァースとコーラスの繰り返しが基調だが、キレよく刻み込まれるビートの好演出で新鮮さを与えている。
09ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド
陽気なチカ・ビートの要素を採り込んだダンサブルなアッパー・チューン。“戦争をやめて愛し合うことを実践しよう”というメッセージ性の強い詞を、ラテン・フレイヴァーに満ちた楽曲で陽気に表現したのがマドンナらしい。
10トゥルー・ブルー (カラー・ミックス)
シェップ・ペティボーンによるリミックス・ナンバー。笑い声を加工したイントロダクションや全体を通じて幸福感が滲み出るアレンジが、奇しくも当時、彼女自身の短くも幸せの絶頂だった時期を描いているよう。
11ラ・イスラ・ボニータ (エクステンディッド・リミックス)
スパニッシュ色満載の憂鬱感たゆたう子守唄をクリス・ロード・エルジがリミックス。オリジナルの陰が射すような悲哀さを崩すことなく、あくまでも原曲に添ったナチュラルなサウンドに手掛けていて好感が持てる1曲。