ガイドコメント
ヤードバーズ、ブルース・ブレイカーズなどで活躍していたエリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人で結成されたブルース・バンドの66年発表デビュー作。
収録曲
01I FEEL FREE
手拍子、スキャット、ハミングから始まるジャック・ブルースと詩人ピート・ブラウンとの共作曲。攻撃的なヴォーカルと幻想的なコーラスをフィーチャーした全英11位のヒット曲。エリックが初めて“ウーマン・トーン”を披露した曲としても知られている。
02N.S.U.
タムを多用したドラミングから始まるジャック・ブルースの曲。意味深なタイトルはドイツの自動車メーカーの名称。ヴォーカルよりもインストゥルメンタル・パートをフィーチャーしたライヴ仕様の曲。このスタジオ録音版でもエリックの短いギター・ソロが聴ける。
03SLEEPY TIME TIME
ジャック・ブルースと妻ジャネットとの共作による曲。ジャックのヴォーカルも悪くはないが、あえて考えるまでもなく、明らかにエリックのギター・ソロをフィーチャーした典型的なスロー・ブルース。スタジオ録音ヴァージョンにしては比較的長いソロが堪能できる。
04DREAMING
ジャック・ブルースのヴォーカルをフィーチャーした曲。ギター・ソロもベース・ソロもドラム・ソロもない曲だが、多重録音されたジャックのヴォーカルだけはたっぷりと楽しめる。デビュー曲「包装紙」同様、最初期のクリームらしいポップ・ソングではある。
05SWEET WINE
ジンジャー・ベイカーとジャックの妻ジャネットとの共作曲。ヴォーカルよりもインストゥルメンタル・パートをフィーチャーした曲で、このスタジオ録音版でもエリックの多重録音されたギター・ソロが楽しめるが、ライヴでは全員による即興演奏が繰り広げられる。
06SPOONFUL
クリームの代名詞ともなったライヴ定番曲。ウィリー・ディクソンのブルースを長大なジャズ・ロック交響曲化したライヴ・ヴァージョンが有名だが、このスタジオ録音版でもエリックのギター・ソロが堪能できる。ジャックのヴォーカルとマウスハープも良い。
07CAT'S SQUIRREL
ジェスロ・タルも1stアルバムで採り上げていたブルース・クラシック。エリックのギターとジャックのマウスハープによって繰り返し奏でられるリフがカッコいい。ジャックのベースも派手に唸りを上げているし、もちろんエリックのギター・ソロも楽しめる。
08FOUR UNTIL LATE
ロバート・ジョンソンのブルース・クラシックをヒルビリー・タッチのアレンジでカヴァー。若きエリックのクールなヴォーカルが聴ける。このスタジオ録音版では彼のギター・ソロの代わりにジャック・ブルースのマウスハープのソロがフィーチャーされている。
09ROLLIN' AND TUMBLIN'
イントロからフル・スロットルで疾走するマディ・ウォーターズの名曲のクリーム・ヴァージョン。ギターとマウスハープによるリフがヴォーカル以上にラウドなところはさすがクリーム。ギターは脇役にまわり、マウスハープのソロがフィーチャーされている。
10I'M SO GLAD
スキップ・ジェイムスのブルース・クラシックをアップ・テンポのポジティヴなアレンジでカヴァー。ジャック・ブルースのセクシーなヴォーカルも魅力的だが、エリックの巧みに抑制されたギター・ソロもゴージャス。スタジオ録音ヴァージョンでは出色の出来。
11TOAD
ジンジャー・ベイカーのドラム・ソロのためのインストゥルメンタル曲。テーマの演奏に続いて、早速ドラム・ソロに突入し、十八番のツイン・キック・ドラムスをフィーチャーした演奏を披露する。ライヴの半分以下の短縮版ソロだが、それでも充分に饒舌。