ガイドコメント
1967年にNYで録音されたフェリックス・パパラルディ・プロデュースの名盤と名高い2ndアルバム。ブルースとポップスの按配が絶妙。情感豊かなクラプトンのギターが美しいロック史上の名盤。
収録曲
01STRANGE BREW
「ローディ・ママ」のバッキング・トラックを流用したエリックとフェリックス・パパラルディと彼の妻デイルの共作曲。ジャックとジンジャーにしては珍しく寡黙なリズムに乗って、エリックがヴォーカルとアルバート・キングばりのソロを披露。全英17位のヒットを記録。
02SUNSHINE OF YOUR LOVE
03WORLD OF PAIN
フェリックス・パパラルディと彼の妻ゲイル・コリンズとの共作曲。ジャックのセクシーなヴォーカルとエリックのワウ・ギターをフィーチャーしたメランコリックなバラード。多重録音されたエリックのギター・ソロがこの曲の幻想的な浮遊感をより強調している。
04DANCE THE NIGHT AWAY
12弦リッケンバッカーのイントロが印象的なジャック・ブルースとピート・ブラウンとの共作曲。景気の良いタイトルのわりにはメランコリックな曲だが、はしごを駆け上がるかのように上昇していくエリックのユニークなギター・ソロだけは華麗にしてドラッギー。
05BLUE CONDITION
独り言のように歌う彼自身のヴォーカルをフィーチャーしたジンジャー・ベイカーの曲。珍しくフィル・インも皆無に近いシンプルなリズム・パターンとシンプルなコード進行をバックに、いかにもジンジャーらしい不機嫌そうな歌声を全編で披露している。
06TALES OF BRAVE ULYSSES
エリックと彼の友人マーティン・シャープがギリシャ旅行での体験を基に書いた共作曲。ワウ・ペダルを多用したエリックのギター・ソロがフィーチャーされている。名曲「ホワイト・ルーム」の原型となった曲だが、この曲自体も魅力的なロック・チューン。
07SWLABR
ジャック・ブルースとピート・ブラウンの共作曲。原題「SWLABR」は“She Walks Like A Bearded Rainbow”の頭文字。性急なビートを叩き出す強靭なリズム・セクションに乗って、ジャックのヴォーカルとエリックのリード・ギターが華麗に駆け抜ける。
08WE'RE GOING WRONG
ジャック・ブルースが書いた神秘的なバラード。ジンジャー・ベイカーならではのタムを多用した変則的なリズム・パターンに乗って、ジャックは美しい歌声を披露し、エリックは“ウーマン・トーン”を駆使した艶っぽいギター・ソロを聴かせてくれる。
09OUTSIDE WOMAN BLUES
ブラインド・ジョー・レイノルズのブルース・クラシックをエリックのヴォーカルでカヴァー。比較的オーソドックスなスタイルの演奏によるもので、ヴォーカリストとしても安定した歌声を聴かせるエリックがブルージィなギター・ソロを披露している。
10TAKE IT BACK
ジャック・ブルースとピート・ブラウンが書いたオリジナル・ブルース。ライヴハウスかパーティ会場のような賑やかなサウンド・エフェクトをバックに、ジャックのヴォーカルとマウスハープをフィーチャーした比較的オーソドックスなバンド・サウンドを聴かせる。
11MOTHER'S LAMENT
ピアノのみをバックに、コックニー訛りで歌われるトラディショナル・ソング。デビュー曲「包装紙」同様、ミュージック・ホール(米国ではボードヴィル)仕様の曲。楽しそうに合唱する3人はほぼ酔っ払い状態。英国のバンドらしいユーモアのセンスを感じさせる。