ガイドコメント
1968年発表の3rdアルバム。スタジオ録音とライヴ録音をそれぞれのディスクに分けて収録。ライヴでの17分という長尺のインプロ合戦が目玉だ。スタジオ盤ではパパラルディもヴィオラなどで参加。
収録曲
[Disc 1]〈IN THE STUDIO〉
01WHITE ROOM
02SITTING ON TOP OF THE WORLD
ハウリン・ウルフのブルース・クラシックを比較的ストレートなスロー・ブルース形式でカヴァー。クリームにしてはオーソドックスな演奏を聴かせる。擬似ライヴ仕様でのスタジオ録音ヴァージョンだから、エリックのギター・ソロもたっぷりと堪能できる。
03PASSING THE TIME
ジンジャー・ベイカーとマイク・テイラーとの共作曲。グロッケンシュピール、オルガン、チェロをフィーチャーしたジェントルなバラードから唐突にリズム・チェンジし、ライヴ仕様の即興演奏大会へと展開するが、フェイド・アウト後には再びバラッドに戻る。
04AS YOU SAID
ジャック・ブルースとピート・ブラウンとの共作によるバラード。ジャックがヴォーカル、アコギ、チェロを担当し、ジンジャーはハイハットを刻むのみで、エリックは参加していないようだ。トラディショナル・フォーク+ラーガ・ロックのサウンドが心地よい。
05PRESSED RAT AND WARTHOG
ジンジャー・ベイカーとマイク・テイラーとの共作曲。ヴォーカルというよりはナレーションに近いジンジャーの語りをフィーチャーした曲で、フェリックス・パパラルディのトランペットとリコーダーが効果的に使われている。ギター・ソロが始まったと思ったらフェイド・アウト。
06POLITICIAN
ジャック・ブルースとピート・ブラウンの共作曲。後期のライヴではハイライトのひとつとなった。ジャックのヴォーカルとベースも秀逸だが、多重録音されたエリックのギター・ソロも楽しめる。ライヴのテンションはここにはないが、完成度は高いヴァージョン。
07THOSE WERE THE DAYS
ジンジャー・ベイカーとマイク・テイラーとの共作曲。美しく力強いメロディのポップ・ロック・チューン。ハンドベルの音色が効果的に使われている。間奏ではエリックの短いが印象的なギター・ソロも聴ける。ジャック+パパラルディ主導による隠れた名曲。
08BORN UNDER A BAD SIGN
アルバート・キングの名演で知られるブッカー・T.ジョーンズの曲。ライヴばりのテンションの高い演奏を披露している秀逸なスタジオ録音ヴァージョン。エリックのエッジの効いたギター・ソロをフィーチャーした曲だが、フェイド・アウトしてしまうのが惜しい。
09DESERTED CITIES OF THE HEART
ジャック・ブルースとピート・ブラウンの共作曲としては「ホワイト・ルーム」にも匹敵する名曲のひとつ。ジャックのヴォーカルも良いが、エリックのシタールばりの音色のギター・ソロも素晴らしい。フェリックス・パパラルディの不穏な音色のヴィオラも効いている。
[Disc 2]〈LIVE AT THE FILLMORE〉
01CROSSROADS
1968年3月10日、サンフランシスコのウィンターランドでのライヴ録音。エリックが敬愛するロバート・ジョンソンのブルース・クラシックを見事にニュー・ロック化した名演。エリックのキャリアの中でも最も有名なソロが堪能できる秀逸なライヴ・ヴァージョン。
02SPOONFUL
1968年3月10日、サンフランシスコのウィンターランドでのライヴ録音。ウィリー・ディクスンのブルース・クラシックを長大なジャズ・ロック交響曲化した世紀の名演。3人の達人が同時にそれぞれのソロを披露しているかのような一大即興絵巻が堪能できる。
03TRAINTIME
1968年3月8日、サンフランシスコのウィンターランドでのライヴ録音。ジャック・ブルースのマウスハープとヴォーカルが先導するクリーム版トレイン・ソング。ジンジャーのトレイン・ビートも見事だが、エリックの休憩タイムでもあったジャックの独壇場。
04TOAD
1968年3月7日、サンフランシスコのフィルモア・ウェストでのライヴ録音。ジンジャー・ベイカーのドラム・ソロをフィーチャーしたインストゥルメンタル曲。ジャズの素養にアフリカン・ドラムの語法も導入したジンジャー流ドラム・ソロがたっぷりと堪能できる。