元メンバーの姿もジャケなどあちこちに刻まれたデビュー20周年記念オールタイム・ベスト。サウンドの変遷を感じる一方、ブルース熱は絶えず通底していて、やさしく願うような歌も大切に貫いてきたのがわかる。模索を続けたバンドのストーリー。「かよわきエナジー」なんかは今聴くとより沁みます。
2018年にデビュー20周年を迎え、その長い音楽活動の歴史をネガフィルムで振り返っているような思いに浸れるフル・アルバム。セピア色がだんだんと色付き映写機に移り変わっていくイメージもあり。「HOBO」は、感情のように揺れ動くメロディに合わせ旅立ちを応援してくれるような力強いメッセージにグッとくる。
デビュー20周年を迎えたGOING UNDER GROUNDのシングル。シンプルな一曲でありつつも何度も聴きたいと思わせる「スウィートテンプテーション」は、ありふれた日々にある感情や単語がナチュラルで親しみやすい。温かみのある「アワーハウス」は、過ぎる時を忘れさせてくれるような優しさを感じる。
前作から約1年ぶりのリリースとなるアルバム。タイトルの“真夏”の文字通りポップで明るいテンポの楽曲が印象的だ。全11曲それぞれアレンジも被ることなく、ころころと表情が変わる贅沢な仕上がり。大人になりながらも、心の何処かには“青春”をみんな忘れてないことを代弁してくれてるかのよう。
昨年8月にリリースされたアルバムから、約9ヵ月ぶりのシングル。聴きどころは3曲目のカップリング曲で、37分にわたり、これまでの代表曲をメドレー形式でセッションしている。ギター1本のみの弾き語りから、少しずつ楽器やコーラスが加わっていく生々しい演奏に、グッとくること必至だ。
3人体制となってから初のリリースとなるアルバムには、これまでの“俺達、私達の青春”というより、“目の前に果てしなく続く空や海”を越え続ける前のめりな気持ちが伝わってくる。聴いているだけで、水のようにすっと身体に染みわたる歌詞とメロディがとても心地良い作品だ。
松本素生率いる4人組バンドの9枚目のアルバム。せつなくセンチメンタルなメロディを、てらいのないバンド・サウンドと爽快感のあるヴォーカルで聴かせ、松本節というべきソングライティングが今回も冴えまくっている。特に哀愁漂うバラードの「稲川くん」が白眉。
約1年ぶりのシングル。タイトル曲は、仲里依紗主演の映画『ハラがコレなんで』の主題歌。作詞・作曲を手掛けた松本素生(vo,g)と、同映画の監督とのディスカッション、そして作品の持つパワーにより生まれた楽曲。繊細なメロディとセンチメンタルな歌詞が切ないミディアム・チューンだ。
移籍第1弾シングル。切れ味のよいメロコア・サウンドでぐいぐいと疾走していく姿からはヴェテランならではの安定感が感じられる。「詩人にラブソングを」など、ピアノをフィーチャーした土臭い曲調のものも多く、音づくりの凝りようも含め隅々までたっぷりお楽しみが詰まっている。
疾走感を伴った力強いギター・サウンドにのせ、心に響くフレーズが波のように押し寄せる「LONG WAY TO GO」と、“ap bank fes'10”からのライヴ音源5曲を収録。2001年に5人編成でメジャー・デビューし、2009年より4人編成となった新生バンドの魅力が凝縮され、さらなる進化を感じさせるシングル。
4人組になり、移籍後初のシングルは、子供のころに、ラジカセのプレイ・ボタンを押しながら、流れてくる音楽に夢中になっていた……そんな無邪気なころの気持ちを思い起こさせてくれるパワー・ポップ・チューン。ストレートな演奏なのに、ダイナミクス感を満載。感情高揚系シンガロング・ナンバー。
青春ど真ん中の直球を全力で投げ込んでくる5人組のメジャー7作目。切なかったり甘酸っぱかったり胸キュンだったり、彼らの音楽を聴くといつだって忙しいが、本作でもその魅力は全開で、前作から顕著になった“苦味”もますます絶妙にブレンドされ、旬な音を鳴らしている。
センチメンタル・ロックの旗手、メジャー19枚目のシングル。得意のせつないメロディが光る王道ギター・ロックをベースに、複雑なリズム、ブラスの使用、凝ったコーラスなど、長いキャリアを感じさせる技をあちこちに盛り込んでいる。ちなみにジャケは劇団ひとり。
インディのものも含めて全シングルとミニ・アルバムの1曲目を時系列で並べ、最後に新曲をプラスしたCD。当然キャッチーな曲オンリーだが、メロディに磨きを掛けながら不変なのも凄い。各曲のクレジットやジャケ写付きのディスコグラフィも掲載だ。
村下孝蔵のタイトル曲、奥田民生のヒット曲、スピッツの隠れた名曲、というカヴァー三連発をまとめたシングル。シャープなギター・バンドらしいスピード感をしっかり残しつつ、原曲の良さを損ねないシンプルなアレンジはどれも好感度高し。
通算20枚目のシングル。「さかさまワールド」は、“時間は戻らないし、今が始まり”とあらためて何かに立ち向かうことの大切さを教えてくれる。それはメンバーが“音楽”という大きな存在に今一度、立ち向かおうとしているようにも聴こえて胸を打つ。「Holiday」は後奏の転調が楽しいノリ良いナンバー。
とにかく楽曲の水準はつねに文句なしのバンドだから、新作も安心して聴ける。その安心感が最大の弱点なんてことも言われるが、これだけいい曲のオンパレードでこられるとそれはそれでいいじゃないという気になる。胸を張って鳴らされた名曲だらけの6枚目。
夏向きの爽やかなメロディとダンサブルな四つ打ちビートが軽快なタイトル曲を含む、GOING UNDER GROUNDのシングル。ストリングスの調べも甘いカップリング曲も聴きものだが、ビデオ・クリップとライヴ映像の収録もファンには嬉しいはず。
「胸いっぱい」はゴーイングらしい手放しのラブ・ソング。カップリングの「ion」は中村航がゴーイングの「ハミング」をモチーフに書き下ろした同名小説を映画化した主題曲。CDエクストラ仕様で、「胸いっぱい」のPVほか、未発表曲のライヴ映像「parade」を収録。★
ブルーハーツに憧れた少年らが大人になったら……。彼らの青春グラフィティから生まれる“胸キュン”コードが日本中の琴線に触れる! (2)(6)(15)、最新シングル(3)(16)など話題曲目白押しのベスト・アルバム。初回盤にはCDエクストラでスペシャル映像収録。
しこたまセンチメンタルな曲調がいかにも彼ららしくて魅力的なメジャー通算14枚目のシングル。とりわけ秀逸なのは、恋人と離れての上京生活を描いたミディアム・テンポの(2)。ドラム・ループを使ったサウンド含め、今後の創作活動における視野の広がりを感じさせる2曲だ。
随所に新しい要素も取り入れている。が、やはりこのメロディとサウンドはどこから聴いても彼らのものだ。5枚目ということで、普通なら違う路線に踏み出してもおかしくないが、今回も良い意味での金太郎飴。確かに変わる必要がないほどの高品質サウンドである。
2005年の真夏にリリースされた両A面マキシ・シングル。ゆったりとしたテンポの中で、必要最小限の音数とシンプルに洗練されたメロディが“流れる季節”の情感を芳醇に描き出す「きらり」、ゴーイング流レゲエとでもいうべき「トゥモロウズ ソング」を収録。
スマッシュ・ヒットを飛ばし続けるゴーイング〜から、またも届いた軽快ポップ・チューン。無駄なくシンプルで献身的な演奏はさすが。過去と今をしっかりと受け止め、再び歩き出すさまを綴った雨のち晴れソングは、ハートの奥に響く。(2)は哀愁残る切ないナンバー。
打ち込みによるリズムと生の楽器の組み合わせをテーマにしているらしい2曲のカップリング。(1)はインストから鳴り続けるシンセ・ベースが支配的な80's調の典型的テクノ・ロックだが、(2)はデジタル技術ならではのアコースティックな質感を実現していて面白い。
映画音楽のような壮大さを感じさせる(1)に始まり、今なお青春の疾走感をたたえた(2)(5)(7)(11)、ポップな(3)(4)、内省に触れる(6)(8)(9)(10)と、一段と音楽的触れ幅の広さをうかがわせる力作。熱さとせつなさ、双方を内包するヴォーカルに、また心を揺さぶられる!
こんなにも“冬”の似合うロック・バンドはいるのだろうかとふと考えてしまう。成長するバンド・サウンドもそうだが、力強く輝きを放つ哀愁メロディはもはや“おてのもの”なのかと驚かされる。冷え切った心に灯りを運ぶ温かく切ないラブ・ソング。
TBS系の情報番組『pooh!』のテーマ・ソングとしても使われたナンバー。このバンドが持つ、というよりヴォーカルの松本が一貫して持っている切なくて泣ける世界観を打ち出す。歌から広がる景色には淡い色合いがほんのりと付いている。染みるね。
全日本胸キュン党ことGOING UNDER GROUND。サード・アルバムからのカットとなる7枚目のシングルは“vodafone”CMソング。高らかに宣言する愛と希望。寒い冬を熱く疾走する青春ぶりがなんとも切なくてかっこいい。カップリングには仙台でのライヴ・ヴァージョンを収録。
松本素生の紡ぐメロディはしごく金太郎飴的という難点に目をつむれば、おそらく日本最強の水準にある。胸をギューッと締めつけられる快感は、このバンドが目指す方向が強度や激しさではなく、柔らかさや切なさにあることを如実に示している。なにげに貴重な存在である。
メジャーからは6枚目となるマキシ。曲名から連想されるように、ノスタルジックな味わいのギター・ポップ。サビへと至る疾走感がたまらなく青春で胸キュン。歌声がまた深く優しく、ちょっと頼りないオトコの子ってかんじで、かわいくてたまらない。★
おセンチな必殺メロディが怒濤のごとく炸裂するインディーズのファーストを全曲リマスタリングしたものに、ボーナス・トラックを2曲プラスした完全限定生産盤。『アロー』以降お馴染みの宮尾和孝氏による書き下ろしジャケットに、ビデオ・クリップも3曲と至れり尽くせり。
5枚目となるマキシ・シングル。素朴で切ないメロディを主軸にしたゴーイング節が全開。どこか懐かしく、胸をキュンとさせる。ほのぼのしたカップリングも味わい深い。初回盤はCDエクストラ仕様でタイトル曲のプロモ・クリップも収録。
未来へと疾走するセンチメンタリズムが猛威を振るうセカンド・アルバム。松本素生のメロディ・メーカーとしての資質は、本作でより明確となった。人生を高尚なものではなく、安っぽい、しかし愛すべきものとして描く作風は相変わらず憎みきれない。
バンドの勢いがそのまま表われたシングル。メロディを丹念に綴りながら我々の日常にも通じる風景や心情へと潜り込んだり、不器用な手触りを真空パックした言葉で行方の分からないエネルギーを表現する様は、青春の熱っぽさとふとした寂寥を映してならない。★
お馴染み上田ケンジをプロデューサーに迎え、お馴染みの胸キュン・メロディをお馴染みのつんのめり疾走サウンドで鳴らした、まさに彼らの王道曲。そろそろ新機軸を、という気もしなくはないが、楽曲のレベルは相変わらず下手な野次はぶっ飛ばすものだ。