
英国を代表するバンドの13作目。自身のスタジオのやむを得ずの閉鎖や、ニッキー・ワイヤーによる作詞の不調などいつになく大きな壁を乗り越えての作品だったようだが、ジェームス・ディーン・ブラッドフィールドのヴォーカルはよりいっそう骨太で力強く響く。流行のない英国ロックとして盤石な一枚。

リッチー・エドワーズ失踪後の96年、3人で制作しトリプル・プラチナを獲得した傑作の誉れ高い4作目の20周年記念リマスター盤。97年5月のマンチェスター公演20曲のボーナスCD付きで、4曲のトップ10ヒットを生んでアリーナ・バンドに上り詰めた彼らの勢いと熱気が伝わる貴重なライヴはファン必聴。

88年にウェールズにて結成された彼らの通算12作目のアルバム。1年前の前作と打って変わったエレクトリックな音が光り、ニューウェイヴ〜UKロックの流れを凝縮したかのごとき貫禄のサウンドで、日本盤は4曲追加されている。ハードカバー紙ジャケの限定盤には本編のデモ+αのCD付きで、ファン必携モノだ。

マニックス11枚目のアルバム。本作はエレキ・ギターがほとんどなし。ストリングスやホーン・セクションも含めたアコースティックなムードが全編を占めている。とはいえ、ケルティックなムードからソウルフルな曲調まで、楽曲の振り幅は広いし彼らならではの綺麗なメロディはやはり健在。

空回り気味(?)にセンセーショナルな話題を振りまく中でリリースした、ファーストの発売20周年記念盤。オリジナル音源に、デモ、ドキュメントやライヴなどを収録したDVDをプラス。現在まで続くセンシティブなエモーションに、“1作目を世界中で1位にして解散する”と宣言した青き衝動が交錯。

20年以上のキャリアの中でリリースした全37曲のシングルに、ザ・ザのカヴァー「ディス・イズ・ザ・デイ(過ぎ去りし日々)」、新曲「ロックン・ロール・ジーニアス」をプラス。活動当初の生き急ぐ跳ねっ返り(?)からUKシーンを代表するバンドへと登りつめた軌跡が、濃密な形でこの2枚組に。

英国を代表するロック・バンドによる通算10枚目のアルバム。ビートルズを思わせるようなメロディアスなロック・ナンバーのオンパレードになっており、楽曲の充実ぶりは驚くほど。イアン・マッカロックらのゲストを迎え、円熟味と哀愁を感じさせる貫禄の一枚に仕上がっている。

失踪したリッチー・ジェイムスが残した詩を引用した歌詞が話題になっている9枚目のアルバム。一方でスティーヴ・アルビニが録音を担当。結果、名作と言われる94年の『ホーリー・バイブル』の延長線上の作品とされるが、深みにおいてはこちらの方が上かも。

英ロック・バンドの3年ぶりのアルバム(8枚目)。“初心に帰って”というとおり、キーボード類なしのパワフル、ストレートな演奏になった。ギター・ソロもカッコいいし、カーディガンズのニーナ・パーソンとのデュエット「ユア・ラブ・アローン・イズ・ノット・イナフ」、ジョン・レノンの「ラブ・レター・トゥ・ザ・フューチャー」も聴きものだ。

歴代ヒット・シングルのB面(!)及び、未発表曲を含む厳選35曲の裏ベスト・アルバム。注目はさまざまなジャンルから彼らのルーツやフェイヴァリット曲のカヴァー集の[2]。そこに滲む“音楽愛”たるや純愛そのもの。(6)(7)(13)など感動的な魅力にあふれている。

イギリスのカリスマ・ロック・バンドの第7作。アルバムごとにさまざまなサウンドを構築してきたマニックだが、今までで一番ポップな感覚が強い。甘さと哀愁を絶妙にブレンドした洗練された大人の音楽を聴かせてくれる。御大トニー・ヴィスコンティも参加。

13年間の歴史を代表するヒット・シングル18曲に新曲2曲を加えた、マニックス初のベスト作。注目は日本盤のみのボーナスCDで、ケミカルズやステレオラブ、モグワイ、コーネリアスなど、豪華メンツによる全13曲の個性的なリミックス集はファン必携だ。

98年発表の第5作は名曲しか入っていないアルバムだった。で、そこからのシングル・カットなのだから悪いわけがない。いかなるリミックスが施されようと良い曲はやはり良い。ザ・クラッシュの「トレイン・イン・ヴェイン」のライヴ・カヴァーも必聴。

新作『ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ』からの第2弾シングル。メッセージ性を湛えた真摯さがマニックスらしいが、それを抜きにしてメロディだけでも十分聴かせてしまえる。そのバランス感覚が良い緊張感を生んでいる。(4)はレアなライヴ音源。

待望の新作『ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ』からの先行シングル。適度な湿度を帯びた哀愁のメロディ(しかも陰湿ではない)と、その魅力を最大限に引き出すアレンジ。アルバム自体も素晴らしいが、未発表曲を含む本作も勿論“買い”。

マニックス初のチャート1位をヨーロッパ6ヵ国で記録した大ヒット新作。彼らならではのメロディックでメランコリックな歌世界が、ストリングスやキーボードを交えたスケールの大きなアレンジで展開される本作は、新たな高みに達した彼らのベスト作。

ついに出た“解散”デビュー盤。ここにはガンズのアルバムと同じ、ピュア過ぎて今にも壊れそうなロックン・ロールがある。彼らのことをただのバカ・パンクと言う奴は(5)(11)を聴け、パンク時代のクラッシュの名曲に並ぶロック美学があるから。

マニックスのセカンド作は、前作の延長線上にある一段と丁寧に作り込まれたポップ・ロック・アルバムだ。感傷的なメロディーや歌詞は不変だが、10代向けに徹したポップとしては実に良くこなれている。初回プレス分のみ昨年の日本公演のライヴCD付き。

今作もまた曲数が多い。どんどんできてしまうのだろうか。しかし段々と曲に輝きがなくなってきているのが気になるところ。このサードにも初期の彼らのような疾走感あふれたナンバーは少ない。全体の雰囲気は悪くはないが、曲が多いだけに少しダレる。

3人になったマニックスの第1弾アルバムからのセカンド・シングル。重厚なオーケストレーションが絡むサウンド・アレンジに、ポップな泣きのメロディを乗せた得意のパターンのタイトル曲のほか、アルバム未収録曲でも成長著しいバンドの勢いが伝わる。

リッチー・ジェイムスの失踪が報じられたのが、前年の2月。意外に早く手元に届いた96年のアルバム。本作はとりあえず3人でも活動していく、というファンに対するひとつの解答ではないかと思う。マニックス独特の危うさが足りないのが、残念ではある。

マニックスのセカンド作は、前作の延長線上にある一段と丁寧に作り込まれたポップ・ロック・アルバムだ。感傷的なメロディーや歌詞は不変だが、10代向けに徹したポップとしては実に良くこなれている。初回プレス分のみ昨年の日本公演のライヴCD付き。

新生マニックスの極東向け4曲入りシングル。焦燥感をつのらせたサウンドと歌詞が一体になったメッセージ性が自然な形でバンドをひとつにまとめる源。『明日に向かって撃て』のラスト・シーンをモチーフにした(3)には、メロディックなポップ性も十分。

新作『エヴリシング・マスト・ゴー』からのファースト・シングル。エモーショナルでドラマチックなメロディとアレンジという本来の基本ラインを守ったこの曲がヒットするのも当然で、アルバム未収録の2ヴァージョンと未発表曲(4)の収録も嬉しい。

今作もまた曲数が多い。どんどんできてしまうのだろうか。しかし段々と曲に輝きがなくなってきているのが気になるところ。このサードにも初期の彼らのような疾走感あふれたナンバーは少ない。全体の雰囲気は悪くはないが、曲が多いだけに少しダレる。

ある意味で話題に事欠かない彼ら。2曲の新曲とハッピー・マンデーズのカヴァー(4)を含むサードEP。刹那的な美しさと破壊への序曲的な色合いをあわせ持つ彼らの特徴が、ストレートに現れた新曲は聴かなきゃ損というもの。(4)は賛否両論に別れそうだな。

先頃来日した彼らの来日記念盤。ライヴ・テイク3曲に加え、(6)は89年録音のオリジナル・ヴァージョン、(2)は新曲と内容豊富。音的には非常に正統派のブリティッシュ・ロック・スタイルなのだが、クラッシュのカヴァー(3)を演る辺り時代の流れを感ぜずにはいられない。

解散撤回を正式に表明したマニックスのセカンド・アルバム『ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル』からのファースト・シングル(1)にアルバム未収録曲(2)とヘヴンリー時代の代表曲のライヴ・ヴァージョン(3)をプラスした3曲入りCD。ファンだけは必聴だな。

ポルノ女優のトレイシー・ローズとのデュエットである(1)のほか、デビュー曲の(4)など未発表トラックを編集したCD。日本では何だかリリース・ラッシュが続くが、いいものをもっているだけに、じっくりと育てていきたいものだ。哀感漂う(1)は最高。

映画『M.A.S.H.』のテーマ曲をカヴァーした(1)の他、日本未発表曲などを収録したCD。感傷的にも思える(1)がハマっているのがおもしろいし、またアコースティックな(4)も結構いける。歌も演奏も曲もギミックなしでも平均点はキープしていると思う。

デビュー作『ジェネレーション・テロリスト』のUSリミックス盤。選曲を変えただけでなく、(5)ではピアノを加えたり、よりハード・ロック的なミックスをするなど、見上げたプロ根性が窺える。また(4)は日本初登盤。真のマニック・ファン向け作品。

ややカリスマがかった強烈な個性とは裏腹に、親しみやすいメロディ・ラインが魅力のM.S.P.。5月の来日公演でその人気を不動にした彼らの企画盤。彼ら流のポップ・ソング(1)に新曲(2)、(3)は、何とA・クーパーのカヴァー曲。(4)はライヴ、実に盛り沢山だ。

なんでもいいからやりたいだけやって、とっととロック・ショウ・ビジネスから姿を消してくれ! という願いも空しく、デビュー&解散アルバムから早くもシングル・カット。ガンズのカヴァー・ライヴ・ヴァージョンなんて色気を出すところも情けないなぁ。

ついに出た“解散”デビュー盤。ここにはガンズのアルバムと同じ、ピュア過ぎて今にも壊れそうなロックン・ロールがある。彼らのことをただのバカ・パンクと言う奴は(5)(11)を聴け、パンク時代のクラッシュの名曲に並ぶロック美学があるから。

「2枚組のデビュー作を世界中でNo.1にして解散する」と宣言した彼らの3枚のシングルを編集したミニ・アルバム。基本的には極めてポップでキャッチーなメロディを持ったパンキッシュなR&Rで、アルバムに期待を繋ぐバンド・パワーが充満した力作。