
結成20周年を記念した通算2枚目となるベスト・アルバムは全33曲を収録。シングル表題曲やアルバム・リード曲を盛り込んだDISC-1。インディーズ時代の楽曲を再録したDISC-2には、ファン投票により選ばれた14曲も含まれる。アーティストとファンが歩んできた歴史が刻まれた一枚の重みを感じてほしい。

亀田誠治、宇多田ヒカルをプロデューサーに起用した前2作を経て、再びセルフ・プロデュースに戻った26枚目のシングル。特にタイトル・トラックは、ポジティブな意味で誰もが想起するであろうTHE BACK HORNらしさを表現。目の前でプレイしているような躍動感もまた魅力だ。

宇多田ヒカルとの共同プロデュースとなるバラード「あなたが待ってる」での、愚直なほどシンプルかつストレートな言葉が、それでも聴き手に響くのは瑞々しい感性のなせる技か。「始まりの歌」のスピーディでロック的な攻撃性さえも、彼らにかかればナイーブでやさしい「うた」になる。

98年に結成、2001年にメジャー・デビューした4人編成ロック・バンドによる通算11作目のアルバム。疾走感あふれる「その先へ」、おどろおどろしさの潜む「悪人」を中心に、“孤高”“生々しさ”“静と動”といった原点回帰的な印象を与える、骨太の一枚といえる。

前作から1年半ぶりとなる両A面シングル。トリッキーなギター・リフ&アレンジで魅せる「悪人」、ドシっと腹に響く重心の低いサウンドに乗せて彼らのこれまでを綴ったような「その先へ」ともに、彼ららしいメッセージ性に満ちた強力なナンバー。名盤『イキルサイノウ』再現ライヴのDVDが嬉しい。

日本のオルタナティヴ4人衆の10作目。各メンバーが提供した楽曲で構成、バラエティに富んだ内容となった。エモ・ロックやグランジ、ブリット・ポップ風とさまざまな表情が垣間見える。ただ、ヒューマニックなメロディという点では、統一性を図り、自身のスタンスを誇示しているのが彼ららしい。

2014年第1弾となるリリースは両A面シングル。鮮やかな情景をサウンドで見事に表現した希望のファンフーレ「シンメトリー」、バックビートとラップでバクホン流ヒップホップを披露、風刺めいた歌詞が心に刺さる「コワレモノ」を収録。人間の本質を両極端に描ききった痛快作。

結成15周年を記念して、これまでの作品のカップリング曲、いわゆる“B面”だけを集めたベスト・アルバム。歌詞集や、コンピレーション・アルバムにのみ収録された楽曲も収録されており、ボリューム満点。一枚を通して、彼らの歩んできた音楽遍歴を辿ることができる。

ライヴ2部作連続リリースの第1弾は、アルバム『リヴスコール』を引っ提げてのツアー中からメンバー・セレクトによる15曲を収録したCDヴァージョン。全身全霊で生命讃歌を奏でるライヴの空気に触れることは、自らの生と死と向き合うことの裏返しであり、記憶にもその両方が鮮やかに感光される。

約1年9ヵ月ぶりとなる9枚目。2011年の震災後に書かれた曲ばかりで、軽快なロックンロールから壮大なバラードまでタイプは多様だが、ピンと張ったテンションが全体を貫いている。中でも深い祈りのような「世界中に花束を」が秀逸。柔軟さに富んだ演奏の表現力も見事。

「閉ざされた世界」以来約2年ぶりとなる、4人組ロック・バンドのメジャー20枚目のシングル。終わりある命という重いテーマを骨太なバンド・アンサンブルで綴り、ポジティヴな聴後感を残す彼ららしい一曲。表題曲と対になっているように感じる「一つの光」や、ちふれ化粧品CMソング「クリオネ」も収録。

2011年にメジャー・デビュー10周年を控えた4人編成ロック・バンドが放つ、通算8枚目となる渾身のアルバム。『劇場版 機動戦士ガンダム00』主題歌「閉ざされた世界」を含め、一丸となってうねりを巻き起こすサウンド、迫力のヴォーカルで、強いメッセージを伴った独自の世界観を浮かび上がらせる。

『劇場版 機動戦士ガンダムOO−A wakening of the Trailblazer−』主題歌となる「閉ざされた世界」は、重厚なギター・サウンドにのせたエモーショナルなヴォーカルが印象的。「真夜中のライオン」「警鐘」を含め、2001年にメジャー・デビューした4人編成ロック・バンドのエネルギーが凝縮されている。

約2年ぶりとなる18枚目のシングルは、4曲収録でメンバー4人がそれぞれ詞を担当した。どの曲も非常に気合いが込められており力強い。シンプルな楽器構成ながら、伝わってくるのは豊潤さ。音楽に対する姿勢が信用できるバンドだと感じた。初回限定盤には2009年のライヴ音源を収録。

人気アニメ『機動戦士ガンダムOO』主題歌「罠」を含む、7枚目のアルバム。全編を通してハイ・スピードなドライヴ感満載の骨太ロック。その中にあって、最終曲「生まれゆく光」は秀逸なバラード。初回盤付属のDVDには素顔のレコーディング風景も収録。

初の武道館コンサートを前に発売され、原点を再確認し、そして新たな決意を表わしたシングル。4人が協調とせめぎ合いを繰り返すことで暴れだす、THE BACK HORNという名の怪物の咆哮がヴィヴィッドに封じ込められている。

98年に結成以来、インディーズで2枚、メジャーで6枚のアルバムを発表したバンドのこれまでの足跡を2枚に収めた集大成的ベスト盤。デビュー・シングルの「サニー」で重々しく始まり、浮遊感のある映画『アカルイミライ』の主題歌「未来」などラウドなサウンドの中に希望が見える。

アニメ『機動戦士ガンダムoo』の主題歌となる表題曲は、彼らの過剰さをポップ・ソングというフォーマットに落とし込んだ意欲作。歌というより叫びと呼んだ方がよい山田将司のヴォーカルが、甘美なメロディに乗ることでさらに凄みを増す様は圧巻の一言。

重厚なサウンドでデビュー前からフジロックなどで評判を呼んだライヴ・バンドの6枚目のオリジナル・アルバム。疾走感あふれるシングル「声」と神秘的な雰囲気を持ったシングル「美しい名前」ほか、映像が目の前に浮かぶような全12曲を収録。

4ピース・バンドのシングル。音楽的には、小室〜B'z的な曲調がいかにも日本人好みの「美しい名前」をはじめ、叙情的なメロディ・ラインが彼らならではの魅力か。時に「虹の彼方へ」などを聴くと、歌謡曲の復権もけっして夢ではないと思えてくる。もしかして21世紀のGSがコンセプト?

約9ヵ月ぶりとなるシングルは、ロックの良いところだけを凝縮したかのような疾走感あふれたハード・ドライヴィング・チューン。極限まで削り落とされたようなシンプルなアレンジに、魂を込めるかのような熱くたぎったヴォーカル。ロックの原点を垣間見るかのよう。

破格のスケール感を持ったロック・サウンドを鳴らす4人組の5枚目のアルバム。メロディアスな楽曲も多いが、激情を吐き出す山田のヴォーカルと、それに負けじとかき鳴らされる濃密なサウンドがインパクトある独自の世界を作り出している。

ニューヨーク・レコーディング第3弾マキシ。カップリングにはアルバム未収録の2曲が収められ、初回限定盤にはスペイン・バルセロナでのパフォーマンスを収録したDVDが特典に。混沌の中に光を見出していくサウンド・プロダクションはますます凄みを増している。

アコーディオン入り4人編成のロック・バンドによるシングル。演奏やヴォーカルには粗削りなところもあるが、テンション・コードがオシャレな(1)、ジャズとハード・ロックと歌謡曲が混ざり合ったような(2)、叙情的な(3)と、あの手この手で攻めてくる曲者だ。

約1年ぶりとなる通算11枚目のシングル。ニューヨーク録音の本作は、タイトル曲のドライヴ感も◎だが、混沌としつつもレイジーで美しいメロディに、轟音ギターのディレイがのっかる昇天必至のカップリング「フラッシュバック」に降参! 初回限定でCD+DVD仕様。

バックホーン初のライヴ・アルバム。激情が意のままに乗り移った歌とギター・サウンドから、テンションの凄まじさをジリジリと感じる。憂いを包み隠さず表現してくれるから、そこにリアルが見出せる。新旧の楽曲がミックスして収録されているのも嬉しい。

パンクであり、ポップであり、アグレッシヴであり、曲によってはフォーキーなテイストもあったり、手の内が広い。がいずれの曲も素朴さが魅力か。初回生産分は映画『ZOO』の主題歌である「奇跡」の、プロモーション・ビデオ収録のDVD付き。

“誰もがみんな幸せなら歌なんて生まれないさ/だから世界よ もっと鮮やかな悲しみに染まれ”という印象的なフレーズで始まるミディアム・テンポのマキシ。金子千恵子ストリングスも参加したドラマティックな展開は、このバンドのスケールの大きさを示している。

2004年の夏のイベントでの活躍もめざましい彼らのマキシ・シングル。激しいビートとシャウトに焦燥感をかきたてられるにも関わらず、聴き終えた者のココロに深い情感を残すタイトル・ナンバー。このセンス、映画音楽として頻繁に起用されるのも理解できる。

映画『CASSHERN』の挿入歌も含むシングル。寂しさから力強さへと変化していく心情を描いた3曲ながら、サウンド的な味付けは曲ごとに大幅に異なり、聴きごたえあるシングルに仕上がっている。初の映像作品として「花びら」のPVも収録。

内臓を持っているジャケットがすごい! 矛盾だらけの世間に対して牙を剥く、そんな精神がビシビシと伝わってくる作品。叫ばれる言葉、そしてサウンドの重みがそこらのバンドとは違う。“イキルサイノウ”とはどういうことなのか、あらためて考えたくなる一枚。★

実直で淡々としたヴォーカルと日本的な湿り気に支配されたギター・ロック、という印象の2曲がメイン。(2)の歌詞で“大人”を頻発する価値観みたいなものに、彼らを受け入れられるか否かの分かれ目がありそうだ。もっとカオティックになってもいいのでは。

フレーズの一句一句がやたらと力強いバンドだと思っていたけれど、このマキシでは、メロディや音運びに明るさと温かさが感じられ、心地良さとはすこし違う、ぴりっと南向きな風が吹いている。ドラマティックな聴かせ技は健在なので、ファンが確実に増えるでしょう。

情緒感あふれるサビのメロディが心に残る(1)は、映画『アカルイミライ』主題歌であり、監督との話や脚本をもとに作られているという。疾走感を漂わせながら、せつなさを訴えかけてくるような印象を与える2とともに、エモーショナルなヴォーカルが心を揺さぶるはずだ。

滑稽なほどエモーショナルな演奏とヴォーカル。しかしここまで本気でのたうち回るバンドが今、一体いくつ存在するのだろう。セカンド・アルバムにしてすでに確固たる世界観が確立されている。今のシーンには少ない、正面突破で地平を切り開く力を持ったバンドだ。

90年代前半に流行した“ニューウェイブ・オブ・ニューウェイブ”を彷彿とさせるギター・フレーズからスタートする表題曲が新鮮なインパクトを与えるマキシ・シングル。しかし、このバンドの核である剛球&号泣のメロディ・ラインと愚直なまでに自らをさらけだすヴォーカルは健在。

スケールの大きなミディアム・ロック・バラード。メランコリックなギター・アルペジオの静かな前半から、サビでは一気に弾けて激しくラウドになり、その対比が鮮やか。ヴォーカルは終始ひたむきに叫び、エモーションを存分に放出している。