ガイドコメント
20世紀の名曲といえる「ボヘミアン・ラプソディ」によってクイーン・サウンドの金字塔を打ち建てた、1975年の4作目。独自の音楽表現と驚異的なサウンド・プロデュースが、今なお光りを放つ。
収録曲
01デス・オン・トゥー・レッグス
名盤『オペラ座の夜』の巻頭を飾るフレディ主導の曲。不吉なタイトルだが、攻撃的なメロディと劇的なアレンジは新作の1曲目にはふさわしい。“二本足の死”を口汚く罵りまくる辛辣な歌詞は元マネージャーに向けられたものだったらしい。
02うつろな日曜日
米国ならボードヴィル調だが、英国風に言えばミュージック・ホール調の曲。敢えて古臭く加工されたフレディの歌声はさながらSP盤仕様。彼のお気に入りの曲想だが、クイーンのこのスタイルの曲を愛しているファンは決して少なくない。
03アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー
車を偏愛していたスタッフに捧げられたロジャーの曲。女の子よりも車を愛しているカー・マニアの歌。狂騒的なインストゥルメンタル・パートがマニアックな情熱を見事に表現している。エンディングのリアルな排気音も効果的。
04マイ・ベスト・フレンド
05'39
ブライアンが歌う英国古謡風のバラッド。50年代、彼が子供の頃に流行っていたはずのスキッフル調の賑やかなサウンドが楽しめる。数年間の宇宙旅行から帰って来たら地球上では100年が経過していたという(同じく50年代の)SF風の歌詞も面白い。
06スウィート・レディ
ストーンズ風のギター・リフが先導するロック・チューン。クイーンとしては標準的な曲だが、変拍子を駆使した編曲はツェッペリンばり。恋人同士の男女両方の頭の中を覗いた歌詞も楽しい。ブライアンのギター・ワークを楽しむための曲でもある。
07シーサイド・ランデヴー
フランス語を使ってみせたりもする洒落たボードヴィル調の曲。フレディが木管楽器を、ロジャーが金管楽器を自らの声で演じたオーラル・ホーン・セクションの妙技が楽しめる。とりわけロジャーのミュートしたトランペットは人間技ではない。
08預言者の唄
ノアの方舟を思わせる預言者の物語を描いた組曲形式の大作。アコギのイントロから始まり、ヘヴィなバンド・サウンドをバックに、フレディとコーラスが劇的に歌い上げる。ライヴでもハイライトのひとつだったフレディの一人輪唱が楽しい。
09ラヴ・オブ・マイ・ライフ
フレディが書いた最も美しいバラードのひとつ。ピアノの弾き語りを基調にしたもので、彼のファルセットとコーラスとの絡みも絶妙。ブライアンが奏でるギターとハープも効いている。ライヴでは観客の合唱もハイライトのひとつだった。
10グッド・カンパニー
ブライアンのヴォーカルとウクレレをフィーチャーした曲。米国ならボードビル調の、英国ならミュージック・ホール調のサウンドで、クラリネットなどの木管楽器のサウンドもブライアンの愛機“レッド・スペシャル”が見事に代役を演じている。
11ボヘミアン・ラプソディ
12ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン