ミニ・レビュー
通算8枚目にあたるニュー・アルバム。前作に引き続きアコースティックなアレンジだが、さらに深みを増した出来ばえだ。ヴォーカルが自信に満ちていて力強いのが際立っている。元ツェッペリンのJ.P.ジョーンズがストリングス・アレンジを担当。
ガイドコメント
R.E.M.の8thアルバム。陰鬱な空気に覆われた、内省さが魅力のアコースティック作品。トラックが進むにつれ、少しずつ姿を見せる“希望”と“光”の美しさが感動的。カート・コバーンが死の直前に聴いていたことでも知られる歴史的名盤だ。
収録曲
01DRIVE
02TRY NOT TO BREATHE
03THE SIDEWINDER SLEEPS TONITE
ジャングリーなバンド・サウンドにストリングスが絡む、編曲の美しさに圧倒されるポップ・ナンバー。曲題はトーケンズが大ヒットさせた「ライオンは寝ている」をもじっており、冒頭部でマイケルは同曲の一節をハミングしている。
04EVERYBODY HURTS
自殺を選んだ人々への共感を示しつつ、それでも「がんばれ、持ち堪えろ」と励ますバラード。往年のソウル・ナンバーを思わせる包容力ある曲調は、八方ふさがりの人生を送る人への光明か。彼らの誠実さを象徴する1曲。
05NEW ORLEANS INSTRUMENTAL NO.1
06SWEETNESS FOLLOWS
07MONTY GOT A RAW DEAL
08IGNORELAND
09STAR ME KITTEN
10MAN ON THE MOON
コメディアンのアンディ・カウフマンを歌った曲。カントリー・テイストのポップ・サウンドによる、内省的にして軽やかな曲調が絶品。この曲に触発され製作されたカウフマンの同名伝記映画(99年)の表題曲にもなった。
11NIGHTSWIMMING
ピアノ主体の曲で、R.E.M.史上初めてメロディより先に詞が書かれた作品。ただただ美しく凛然とした曲調は、コールドプレイへの影響も絶大。ここで弾かれているピアノは、名曲「いとしのレイラ」の録音にも使用された名器。
12FIND THE RIVER