ガイドコメント
デヴィッド・ボウイと共演した「アンダー・プレッシャー」を含む、82年5月のアルバム。ブリティッシュ・ロックの側からファンク/ソウルにアプローチした、画期的な1枚。
収録曲
01スティング・パワー
02ダンサー
ブライアン主導のクイーン流ディスコ・ミュージック。多重録音されたギター・サウンドがディスコ・ビートの上で饒舌な自己主張を展開する。ハード・ロック・ギターとディスコ・サウンドとの強引な合体によるサウンドはいかにもブライアンらしい。
03バック・チャット
04ボディ・ランゲージ
先行シングルとしてリリースされたフレディの曲。シンセ・ベースをフィーチャーしたディスコ・ビートに乗って、フレディのヴォーカルがセクシーなパフォーマンスを展開する。“Body language”というコーラスのリフレインも印象的。全米11位のヒットを記録。
05アクション・ジス・デイ
06プット・アウト・ザ・ファイア
ジョン・レノン射殺事件に触発されたブライアンの曲。フレディのハイトーン・ヴォイスが炸裂する。異色作『ホット・スペース』の中では最も従来のクイーン・サウンドに近い曲のひとつ。ワイルドなギター・ソロは酔っ払って弾いたものらしい。
07ライフ・イズ・リアル (レノンに捧ぐ)
凶弾に倒れたジョン・レノンに捧げたフレディのバラード。レノンの作風を引用した、フレディ版レノン・ソング。俳句のようにシンプルな言葉を積み重ねる手法もレノンを思わせる。フレディ自身の孤独をも浮き彫りにした歌詞は深く重い。
08コーリング・オール・ガールズ
フレディが歌うロジャーの曲。ニューウェイヴ調の編曲だが、ジョン・レノンの作風を思わせる部分もあり、歌詞のメッセージも“Love”。これもレノンの死に触発された曲なのかもしれない。多重録音された分厚いギター・サウンドが特徴的。
09ラス・パラブラス・デ・アモール (愛の言葉)
「手をとりあって」が日本のファンへの感謝の気持ちを表明した曲なら、スペイン語の歌詞を織り込んだこちらは南米のファンに捧げられた曲。シンセサイザーの自動演奏をフィーチャーしたサウンドをバックに、フレディが見事に歌い上げる。
10クール・キャット
ジョンとフレディとの共作によるR&B調のポップ・ソング。フレディがスモーキー・ロビンソンばりのソウルフルなファルセット・ヴォーカルを披露している。デヴィッド・ボウイのバッキング・ヴォーカルも入っていたが、ボウイの意向でカットされている。
11アンダー・プレッシャー