ガイドコメント
イーグルスを代表する名盤。前作で脱退したバーニー・レドンに代わってジョー・ウォルシュが加入。有名な表題曲を筆頭に、レゲエやファンクのリズムを取り入れるなど、サウンド面でのさまざまな試みも面白い。
収録曲
01HOTEL CALIFORNIA
02NEW KID IN TOWN
ヘンリー、フライ、J.D.サウザーの共作曲。フライが歌う秀逸なポップ・ソング。ロサンゼルスにやって来たホール&オーツについて歌ったものだと言われている。美しいコーラスと過不足のないサウンドが良い。全米No.1ヒットを記録。
03LIFE IN THE FAST LANE
新生イーグルスを象徴するR&B調の曲。ヘンリーの力強いヴォーカルをフィーチャーしたものだが、ファンク感覚のヘヴィなサウンドは新機軸。現代人のめまぐるしい都市生活を“高速車線”に喩えた歌詞も秀逸。全米チャート11位のヒットを記録した。
04WASTED TIME
流麗なストリングスをバックに、ヘンリーが歌う感動的なラブ・バラード。別れた恋人に向けた歌詞が泣かせる。アルバムの基本的なトーンを象徴する重要な曲のひとつであり、シングル盤がリリースされていたら大ヒットしていたはずの隠れた名曲でもある。
05WASTED TIME
ヘンリー=フライによる名曲のインストゥルメンタル・ヴァージョン。映画音楽ばりの流麗なストリングスを編曲・指揮したジム・エド・ノーマンの名前が作曲でもクレジットされている。わずか1分20秒の小品だが、アルバム後半の基調となる曲だった。
06VICTIM OF LOVE
ヘンリーのヴォーカルをフィーチャーしたヘヴィなロック・チューン。偽りの恋に囚われた女性に対する辛辣な歌詞はフライとJ.D.サウザーの発想によるものか。ウォルシュのスライド・ギターとフェルダーのリード・ギターが大いに活躍する曲でもある。
07PRETTY MAIDS ALL IN A ROW
フェイド・インするピアノの調べから始まるウォルシュの曲。新加入のウォルシュのヴォーカルをフィーチャーした劇的なバラード。歌詞も含めて、郷愁の念を刺激するノスタルジックなムードが泣かせる。ストリングス仕様のシンセサイザーも効果的。
08TRY AND LOVE AGAIN
マイズナーが書いたラブ・バラード。マイズナーのハイトーン・ヴォイスにフライとウォルシュのツイン・リード・ギターが絡む。恋に裏切られた孤独な男がもう一度だけ恋に賭けてみよう、と決意する唄だが、他のメンバーはともかく、マイズナーなら似合う。
09THE LAST RESORT
ヘンリーが歌うドラマティックなバラード。「ホテル・カリフォルニア」以上に辛辣に“架空の楽園”カリフォルニアの血塗られた来歴を告発する歌詞が秀逸。執拗なまでに繰り返される“They called it Paradise,I don't know why”の一節が心に残る。