収録曲
01PROCESSION
アルバム『クイーンII』の開巻を告げる序曲。ブライアンのギター・オーケストレイションをフィーチャーしたインストゥルメンタル曲。シンセサイザーを使わず、すべてをギタ-だけで賄ってしまう73秒間。大仰なまでに荘厳な雰囲気がいかにもクイーン。
02FATHER TO SON
クイーン流のミニ組曲。曲自体は抒情的なバラードだが、大胆な編曲で劇的に再構成されているので、複数の曲を合体させた組曲のように感じられる。ここまでやらなくても……と思わせる過剰なまでにドラマティックな展開が彼ららしい。
03WHITE QUEEN (AS IT BEGAN)
ブライアンが書いた英国古謡風のバラード。アコギに絡むフレディの歌声が美しい。アコースティックとエレクトリックのコントラストを強調し、さらに流麗なギター・オーケストレーションで劇的に盛り上げてみせる手法はクイーンならでは。
04SOME DAY ONE DAY
ギター・オーケストレーションをフィーチャーした英国古謡風のフォーク・バラード。恋人にやさしく語りかける歌詞も含めて、すべてがブライアンらしい曲。彼のこの個性があったからこそフレディのあの個性がより魅力的に感じられたことは間違いない。
05THE LOSER IN THE END
ロジャーのヴォーカルをフィーチャーした曲。ヘヴィなドラムスが牽引するブルース・ロック。ここではブライアンもオーソドックスなギター・ソロを披露している。家出した息子と嘆き悲しむ母親に語りかける歌詞の主題はジェネレーション・ギャップ。
06OGRE BATTLE
悲鳴のごとき高音コーラスから逆回転サウンドへと展開するイントロだけで、食人鬼がはびこる異世界に引きずり込まれる。荒唐無稽なサウンドで描かれる荒唐無稽な世界。フレディ主導のクイーンだからこそのパワフルな説得力が聴き手をねじ伏せる。
07THE FAIRY FELLER'S MASTER-STROKE
幻想的なミュージカルの挿入歌のような曲。妖精たちが群れ集う異世界を鮮やかに描き出すフレディの七色の歌声とクイーン合唱団。さまざまな声や音がめまぐるしく鳴り響くこの狂躁的なサウンド絵巻は、すでに既成のロック・バンドの枠組から逸脱している。
08NEVERMORE
超常的なまでに美しいバラード。フレディが歌った数多くのバラードの中でもとりわけ美しい曲のひとつ。すべてが死に絶えた世界で歌う末期のスワン・ソング。フレディが特別な存在だったことを改めて思い知らせてくれるわずか78秒の名曲。
09THE MARCH OF THE BLACK QUEEN
饒舌な声と音の饗宴が超人的な速度で展開される。フレディのオペラティックなヴォーカルとハイパーなコーラス・ワークが描いてみせる世界は過剰なまでにドラマティック。若きクイーンが声と音で作り上げた魔法の王国がここにはある。
10FUNNY HOW LOVE IS
アコギやタンバリンやドラムスで構築されたクイーン版“音の壁”を背景に、フレディとその仲間たちが「愛って面白いね」と陽気に歌う。絶対的な肯定感がそこにはあり、アルバム『クイーンII』の“黒側”の毒や汚れを浄化するような力がこの曲にはある。
11SEVEN SEAS OF RHYE
前作の最終トラックで予告されていた曲。超越的な存在からの人類へのメッセージを歌ったものだが、フレディなら神でも悪魔でも演じられる。エンディングのいかにも英国的なユーモアのセンスもクイーンらしい。全英チャート10位のヒットを記録。