ガイドコメント
マネージャーの変更、レコード会社の移籍を経て75年にリリースされた6枚目のスタジオ・アルバム。ヴォーカリスト“オジー・オズボーン”が在籍していた時期の最高作としても名高い。
収録曲
01HOLE IN THE SKY
ヘヴィ・リフでゆっくりスタートする重厚なナンバー。ラフなグルーヴとわめきちらすようなオジー・オズボーンのヴォーカルが生々しいパワーを増幅させる。エンディングがブツ切れなのは、暗い未来への展望を意味するのか。
02DON'T START (TOO LATE)
アルバム『サボタージュ』では、次曲「悪魔のしるし」へと誘うイントロダクション・インタールード的な役割を果たすわずか49秒のトラック。危急を告げるようなアコースティック・ギターの調べが静かに時をつなぐ……。
03SYMPTOM OF THE UNIVERSE
重く歪んだ荒々しいギター・リフが特徴的なアグレッシヴ・チューン。文字通りメタリックでヘヴィな音像と暴れまくるドラム・パートは、聴く者を狂気へと誘うかのようだ。後半に用意されたアコースティック・パートへの落差も面白い。
04MEGALOMANIA
重厚で壮大なアレンジが光る9分半を超える大作。どんよりとしたサイケ感覚が這い回る導入部から、ピアノをアクセントに使った中間部を経て、後半ははつらつとしたパワーを感じさせる豪快なロック・チューンへと展開する。
05THRILL OF IT ALL
どこかルーズなヘヴィ・リフからスタートするブルージィなナンバー。引きずるようなギター・ワークを経て、後半には一気に視界が開けるようなスケールの大きい展開が用意されており、前半とのギャップが楽しめる。
06SUPERTZAR
ブラック・サバスのトレードマークである邪悪でヘヴィなギター・リフと荘厳でオペラティックな混声合唱隊を見事に組み合わせたインストゥルメンタル・チューン。まるで歴史映画のサントラを思わせる重厚感がたまらない。
07AM I GO INSANE (RADIO)
大胆にホーンを導入したオーケストラ・ロック・チューン。ポップな印象もあるが、オジー・オズボーンの歌うメロディ・ラインが相当ひねくれているのにも注目したい。ラストには狂気を湛えた笑い声と叫び声が……。
08THE WRIT
オリジナル・アルバムでは前曲のエンディングからメドレーで静かに幕を開ける大作。オジー・オズボーンの芝居がかったヴォーカルが映える一方、ヘヴィなパートとメロディックなパートのギャップの効いたサウンドも面白い。