ガイドコメント
前作『KAMAKURA』から4年半の歳月を経てリリースされた作品。その間メンバーはソロ活動を行なっていた。ロックンロールからバラード、ラブ・ソングからプロテスト・ソングまで、この懐の広さはサザンならでは!
収録曲
01フリフリ'65
アルバム『Southern All Stars』の冒頭を飾る軽快なロック・ナンバー。“ダンモな”や“いかす女”といった言葉遣いからテケテケ気味のギターまで、歌詞も楽曲もオールド・ファッションに徹している。
02愛は花のように (Ole!)
完全スペイン語詞による軽快なジプシー・ナンバー。情熱と哀愁の中に品を感じさせる桑田佳祐の洗練されたヴォーカルが実に魅力的。高い演奏能力に裏打ちされたスパニッシュ・ギターも聴きどころとなっている。
03悪魔の恋
シャッフル・ビート基調のストレートなロックンロール。斬新さや意外性こそないが、各人の必要最小限のプレイがバンド全体のアンサンブルをタイトに仕上げている。 語感の良い日本語をちりばめた英語詞も見事。
04忘れられたBIG WAVE
ビーチ・ボーイズを意識したという絶品のハーモニーが聴けるドゥ・ワップ曲で、エヴァーグリーンな輝きに満ちたナンバー。サビの「瞳を閉じて〜」の部分では、ついつい瞳を閉じて聴き入ってしまう。
05YOU
アルバム『Southern All Stars』に収録され、彼らの楽曲群の中で1位2位を争う人気曲。秀逸なサビメロ「I Remember You〜」が流れる瞬間の「待ってました!」感がたまらない!
06ナチカサヌ恋歌
原由子ヴォーカルによるサザン初の琉球ソング。三線や“おはやし”などを駆使した純度の高い沖縄サウンドと原の鼻にかかった声がよくマッチしていて、全く違和感がない。こんな楽曲も書けてしまう桑田の多才ぶりに脱帽。
07OH、GIRL (悲しい胸のスクリーン)
サザンらしい美しいメロディが光る正統派ポップ・チューン。桑田のソフトなヴォーカルや洗練されたコーラスなど、ベテランらしい品のあるサウンドを披露。小林武史が参加しているため、彼らしいセンスの良さが秀でている。
08女神達への情歌 (報道されないY型 (ケイ)の彼女へ)
伝説の深夜番組『夢で逢えたら』の主題歌。当時、加熱的なブームを迎えたAVをテーマに、歪んだ愛を歌ったクールなドゥ・ワップ風ブルース。同時発売されたPVにはAV女優の松本まりなが出演したことも話題に。
09政治家
政治家を批判したメッセージ・ソング。サウンドは、桑田のファルセット気味のヴォーカルが印象的な軽快なポップ調。派手なことはしないが、安定したグルーヴを作り出すことに集中するリズム隊のプレイにも注目。
10MARIKO
目まぐるしい展開を見せるジャズ・ナンバー。ディストーションやロカビリーなどのさまざまなタイプのギター、リッチなコーラス、鮮やかなホーン・セクション、色気のあるスキャットなど、枚挙に暇がないほど多彩な音を披露。
11さよならベイビー
こんなにも切なく、ヒリヒリとした痛みすら伴う大人のラヴ・ソングが、イケイケ・ムービーの大定番“ホイチョイ・プロダクション”の看板映画『彼女が水着に着替えたら』の主題歌だったという事実にビックリ!
12GORILLA
ギターの大森隆志が作曲した民俗音楽風ナンバー。複数言語をチャンポンした語感重視の歌詞や図太いベース、全編に渡るコーラスなど、これまでにない斬新なサウンドが魅力。ギターがフィーチャーされていない点も好印象。
13逢いたくなった時に君はここにいない
サザンが4年ぶりに復帰した名盤『Southern All Stars』の最後を飾った名曲。しみじみとしたAメロ〜堂々と歌い上げるサビまで、ヴォーカリストとしてグッと渋みを増した桑田佳祐の魅力が満載。