ガイドコメント
メロウな名曲で熱く優しく語りかけ、心にしみる言葉で全国のサザン・ファンを魅了した作品。映画『モーニング・ムーンは粗雑に』の挿入歌も含んだ彼らの名作。
収録曲
01Hello My Love
4thアルバム『ステレオ太陽族』のオープニングを飾るポップ・チューン。ジャズ風の華やかなホーン・セクションやバウンスするリズムが特徴的で、そのサウンドからは愛する人とともに過ごす幸福感や高揚感が感じ取れる。
02My Foreplay Music
シングル「栞のテーマ」にカップリング収録されたリズミカルな歌謡ロック。“前戯”のスリリングな興奮をテーマにした桑田らしいエロティックな歌詞で、英語の押韻などの言葉遊びが特徴的。ライヴで人気の高い1曲。
03素顔で踊らせて
落ち着いた雰囲気のライト・バラード。トゲや皮肉の一切ないピュアなラブ・ソングで、伸びやかなファルセットなど、桑田佳祐の柔らかいヴォーカルを堪能できる。原由子の寄り添うようなコーラスも実に魅力的。
04夜風のオン・ザ・ビーチ
粋なピアノのイントロで始まる8ビート・ロック。ずっしりと重いリズムと桑田の怪しげな歌いまわしが、独特のセクシーさを醸し出す。湘南のビーチを舞台にした歌詞は深い意味こそないが、曲の雰囲気とよく合っている。
05恋の女のストーリー
ミディアム・スローのバラード曲。桑田佳祐が企画した青春映画『モーニング・ムーンは粗雑に』で、女優・高樹澪が歌ったナンバー。本ヴァージョンは、桑田独特の粘度の高いヴォーカルが味わいどころとなっている。
06我らパープー仲間
マイナー調のオールド・ジャズ風ナンバー。意味不明のカタカナ言葉や奔放なヴォーカルが魅力のユーモラスな1曲。最大の聴きどころは、終盤でのキャブ・キャロウェイを彷彿とさせるテンションの高いコール&レスポンス。
07ラッパとおじさん (Dear M.Y's Boogie)
ブルース進行のゴキゲンなロックンロール曲。“Mr.Yagi”とは編曲担当の八木正生のことで、クインシー・ジョーンズを引き合いに出して彼を讃える。歌詞カード上は全編英語詞だが、曲中は日本語も登場する。
08Let's Take a Chance
レゲエ風裏打ちリズムが心地良いマイナー・ブルース基調のナンバー。“イッヒッヒ”などのコミカルなコーラス・パートや桑田佳祐の妖怪のような歌い方のスキャット、原由子との掛け合いなど、ユーモアに満ちた1曲。
09ステレオ太陽族
アルバム『ステレオ太陽族』タイトル曲。フェード・インではじまり、わずか1分半分でフェード・アウトするインタールード的ナンバー。グルーヴィなリズムとシャレたサウンドは他の収録曲と変わらないほどクオリティが高い。贅沢な1曲。
10ムクが泣く
“ムク”ことベースの関口和之が作詞作曲を手掛け、ヴォーカルを担当したナンバー。桑田佳祐のヴォーカルと比較するとどうしても見劣りしてしまうが、雰囲気もあってなかなか完成度が高い。演奏時間は約2分半と遠慮気味。
11朝方ムーンライト
アルバム『ステレオ太陽族』に先立ってリリースされた12thシングル「Big Star Blues」のカップリング曲。落ち着いた2ビートと哀愁漂うサウンドに乗って、桑田の情感豊かなヴォーカルが展開される。映画『モーニング・ムーンは粗雑に』でも使用された。
12Big Star Blues (ビッグスターの悲劇)
桑田佳祐が企画した青春映画『モーニング・ムーンは粗雑に』のテーマ曲。皮肉も交えつつ、映画や音楽の大スターの立場からその嘆きを訴えるファンキーなブルース。ダスティン・ホフマンやクラプトンなどの名前が登場する。
13栞のテーマ
サザンオールスターズのメロウ・チューン・サイドでは最右翼とも呼べる、腰も砕ける名バラード。スウィート・ソウル・シンガー、桑田佳祐のセクシーでアツーイ熱唱もたまらない。