ガイドコメント
アマチュア時代のパワーをそのままに、50数曲のレパートリーから選りすぐりの10曲でデビューを果たしたサザンオールスターズの記念すべきデビュー・アルバム。若さゆえの無鉄砲さ&エネルギーがめちゃくちゃカッコイイ1枚だ。
収録曲
01勝手にシンドバッド
「砂まじりの茅ヶ崎〜」など、ポップス史上に残る名フレーズがちりばめられたサザンのデビュー曲。寝てる人にバケツの水をぶっかけるような超ハイテンションなメロディと歌詞は何度聴いても斬新。
02別れ話は最後に
ド派手な「勝手にシンドバッド」から一気にクールダウンするボサ・ノヴァ調の穏やかなナンバー。晴れた空模様が切なさを際立たせる歌詞同様、心地良いのどかなグルーヴが桑田佳祐の感情豊かなヴォーカルを引き立てている。
03当って砕けろ
デビュー・シングル「勝手にシンドバッド」のカップリング曲。跳ねるようなリズムと華やかなブラス・セクションが、恋に落ちた時のはち切れんばかりの“ウキウキ感”を演出。エンディングのゴキゲンなスキャットにも注目。
04恋はお熱く
波の音で始まる6/8拍子基調のミディアム・スロー・ナンバー。桑田佳祐の巻き舌や原由子とのユニゾン、分厚いコーラスなど聴きどころ満載。「いとしのエリー」より前に作られた名バラードとしても知られる初期の人気曲。
05茅ヶ崎に背を向けて
地元・茅ヶ崎を舞台にした桑田佳祐と原由子のデュエット曲。軽快かつ爽やかな曲調だが、多めのソロを展開するギターをはじめ、ベースやドラムも大暴れ気味。ルイ・プリマを彷彿とさせる桑田の濃いヴォーカルも聴きどころ。
06瞳の中にレインボウ
ジャズ・バーのような雰囲気で始まる4ビート〜シャッフル基調のナンバー。チャーミングで遊び心に満ちた演奏と少年合唱団のコーラスが特徴的。歌詞も“涙ちょちょ切れ”や“私しゃピアニッシモ”など、ユーモアたっぷり。
07女呼んでブギ
1stアルバムに収録された曲で、インディーズ時代から演奏され続けている最初期のナンバー。「女呼んで揉んで抱いていい気持ち〜」と韻を踏みつつも、能天気+ストレートなエロさが爆発。まさに天才の仕事。
08レゲエに首ったけ
タイトル通り、レゲエのリズムを採り入れたナンバー。桑田佳祐の魅力がいかなる曲調でも色褪せないのは、歌いまわしが個性的な上、常に表情が豊かだからだろう。曲中ずっと動物の鳴き声らしき音が背後に流れている。
09いとしのフィート
パーカッションとギターのカッティング・ノイズで始まるグルーヴィなファンク・チューン。ひとりで酒を飲みながら正月を迎える歌で、ブツブツと不平を並べる。タイトルはリトル・フィートを意味しているといわれる。
10今宵あなたに
1stアルバム『熱い胸さわぎ』のラストを飾るナンバー。歌いはじめのメロディなど、哀愁漂う桑田らしい旋律が魅力。また、ギターやピアノ・ソロ前のメンバー紹介とあっけないエンディングも印象的。歌詞中の天ぷら屋とは原由子の実家のこと。