ガイドコメント
衝撃のデビューから半年後、1979年4月にリリースされた2ndアルバム。デビュー曲「勝手にシンドバット」で植え付けられた“コミック・バンド”としてのイメージを一気に払拭した名曲「いとしのエリー」を収録した全10曲。
収録曲
01お願いD.J.
79年発表の2ndアルバムの冒頭を飾るポップなナンバー。1stに比べて格段にバランスが良くなったコーラス・パートや、ギター・ソロ部分での小林克也並みに上手いウルフマン・ジャックのモノ真似などが聴きどころ。
02奥歯を食いしばれ
フュージョンやラテン・ミュージックの要素を含んだ多彩なサウンドが光る、ミュージシャン好みのナンバー。終盤に突如レゲエ調になり、エンディングではR&B的コーラスを展開するなど、スリリングな曲構成が魅力。
03ラチエン通りのシスター
サザンの十八番でもある6/8拍子基調のミディアム・スロー・ナンバー。憧れの女性への想いを綴ったラブ・ソングで、アルバム収録曲の中でも人気の高いナンバー。日本を代表するハーモニカ奏者、妹尾隆一郎が参加。
04思い過ごしも恋のうち
当初は「いとしのエリー」よりも前にリリースされる予定だったというサザン初期の名曲。早口で歌詞をまくしたてる、尋常じゃないテンションの高さが、ライヴではさらに倍増される。
05アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1)
園田憲一とディキシー・キングスをゲストに迎えた、ディキシーランド・ジャズ調のナンバー。言葉遊びの巧みな歌詞や楽しげなスキャットなど、桑田佳祐のユーモアと懐の深さがよく出た1曲。ジェット機が飛び立つ音で終わる。
06アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)
歌詞は異なるが、基本的には“TYPE 1”と同じ曲。ジェット機が降り立つ音で始まり、ユーモラスなフレーズで終わる。“TYPE 3”はヒット・シングル「いとしのエリー」にカップリング収録されている。
07気分しだいで責めないで
「勝手にシンドバッド」に続く2ndシングルとして、アルバムに先行してリリースされたラテン・ロック・ナンバー。シングル・ヴァージョンとテイクは異なるが、軽快な16ビートやテンションの高いヴォーカルはそのまま。
08Let It Boogie
軽快なロックンロール・ナンバー。オーソドックスなブラスなど、一見無難な楽曲だが、デビュー間もない頃の高いテンションや各パートのゴキゲンな演奏、痛快な歌詞など、サザンの魅力が満載。賑やかなことこの上ない1曲。
09ブルースへようこそ
イントロの中国風フレーズや曲中の“蛍の光”など、遊び心に満ちたミディアム曲。“ゲイ”をテーマにした歌詞は、当時としてはかなり挑戦的だといえる。4thシングル「思い過ごしも恋のうち」にカップリング収録。
10いとしのエリー
一世を風靡したTVドラマ『ふぞろいの林檎たち』の主題歌で、サザンオールスターズのファンにとっては“聖域”とも言える、邦楽史に残る名曲。レイ・チャールズもカヴァーした、こみ上げ系サザン・ソウルだ!