ガイドコメント
全盛期を迎えたサンタナの『アミーゴ』に続く1976年発表作。チェピート・アリアスがパーカッショニストとして復帰し、デビュー作を彷彿とさせるアート・ワークでファンを魅了した名盤。
収録曲
01CARNAVAL
ホイッスルの号令からチェピート率いるラテン・パーカッション陣がアフロ・キューバン・ビートを叩き出し、スパニッシュ・コーラス隊が陽気に歌い始める。これはもうサンバ・カーニヴァルのノリ。『フェスティバル』巻頭メドレーのプロローグとしては最適の1曲。
02LET THE CHILDREN PLAY
「カーニバル」の勢いを受け継いだチェピートらパーカッション陣がマンボ・ビートを叩き出し、英語とスペイン語が混在する歌詞をコーラス隊が歌い、カルロスのギターとコスターのオルガンが唸りをあげる。サンタナ・サウンドらしさを満載したヴォーカル曲。
03JUGANDO
チェピートのティンバレスが先導するラテン・パーカッション陣が快調に疾走し、シンセサイザーがウネりまくり、カルロスのギターがワイルドに吠えるインストゥルメンタル曲。76年型ラテン・ロック・サウンドを見事に具現化した『フェスティバル』メドレーの3曲目。
04GIVE ME LOVE
レオン・パティロが歌うメロウなR&Bナンバー。アル・ベント編曲のホーン・セクションをフィーチャーしたカリフォルニア産ソウル・サウンドはアース・ウィンド&ファイアーやスティーヴィー・ワンダーを連想させる。ゲスト参加のポール・ジャクソンのベースもシブい。
05真夏の夢- VERテO VERMELHO -
カルロスのスパニッシュ・ギターをフィーチャーしたラテン・ポップ調の曲。インディアン・ハープとボンゴがバッキングを務め、ブラジリアン調のスキャット・コーラスが曲想を盛り上げる。サンタナらしいボーダーレスな発想が生んだ無国籍ポップの秀作。
06LET THE MUSIC SET YOU FREE
レオン・パティロが歌うジャズ・ファンク調の曲。パーカッションとコーラスで陽気に盛り上げるラテン系のノリが良い。カルロスのエレクトリック・ギターも派手に吠えまくる。ひたすらポジティヴに踊りまくる、という感覚を受け容れられる人には最高の1曲。
07REVELATIONS
日本では異常なまでに偏愛されたヒット曲「哀愁のヨーロッパ」のラテン歌謡風エレキ・インスト路線を継承した曲。メランコリックなスロー・ボレロのバラードから徐々に盛り上げていくエモーショナルなプレイはさすがサンタナ。この芸風はやはり捨て難い。
08REACH UP
女声コーラスをフィーチャーしたジャズ・ファンク調の曲。カルロスのエレクトリック・ギターとコスターのシンセサイザーが饒舌なインタープレイを披露する。終盤のコーラスのリフレインなどは完全にディスコ・サウンド化しているが、これはこれで楽しい。
09THE RIVER
レオン・パティロのヴォーカルをフィーチャーしたサザン・ソウル調の曲。ピアノとストリングス・シンセサイザーを配したメロウなサウンドが基調だが、アーシーなスパイスも効いている。中盤のゴスペル・クワイアばりのスピリチュアルな盛り上がりも素晴らしい。
10TRY A LITTLE HARDER
レオン・パティロが歌うニュー・ソウル調の曲。キューバ音楽やブラジル音楽のスタイルが基になっているが、リズムやコーラスにはレゲエの影響も感じられる。意匠は新しいが、基本はゴスペル、と言えないこともない。カルロスが弾くベースも要チェック。
11情熱のマリア- MARヘA CARACモLES -
パブロ・テレスがスペイン語で歌う陽気なサルサ・ナンバー。チェピート率いるパーカッション陣も張り切っているし、アル・ベント編曲のホーン・セクションも派手にフィーチャーされている。カルロスのギターやコスターのオルガンも熱いプレイを聴かせる。