オーケストラの鳴らし方にはコツがある。ヤルヴィはそれをこの「惑星」で有言実行しているかのようだ。枝葉末節に至るまで激しい表現意欲が感じられる。豪快な響きの中にもバランス感覚が保たれ表現にも破綻がない。…
度肝を抜かれることはなく落ち着いた「第9」。そこここに小さな驚き満載なのはむしろ当然、聴くほどに引き込まれる。驚くほどに挑発的な「英雄」で始まった全集録音はこれで完結、まとめ役の「第9」が加わって、5…
「はげ山」はおどろおどろしさは控えめですっきり仕上げている。「展覧会」も豪華な響きを追求するというよりも、原点に立ち返ってスコアに書かれた音を忠実に再現しようとるす真摯さが感じられる。最後に「モスクワ…
ショスタコーヴィチはなかなかの重量級演奏。けれどもヤルヴィ持ち前の見通しの良いすっきりした感覚、冴えた響きはまったく失っていない。このコンビは予想以上に好調と判断できる。エストニアのトルミス作品は交響…
ジンマン、ノリントン路線を踏襲した小型、軽量、快速路線のベートーヴェン。細部の追い込み方はこの二者以上とも言えるもので、なかなかにピリリと辛い。オノフリのような自分勝手でもなく、プレトニョフのような思…
この曲の第3楽章の響きにこれほど多様な表情が潜んでいたのかと認識が洗われる。殊更な仕掛を弄しているわけではない。敬虔崇高な構えを作らず、沈着に耳を働かせて響きの色や質感の違いを引き出すことで、遥かな想…
「ペール・ギュント」は名指揮者として名高い父親のネーメによる盤もあるが、本作は国内初登場となる息子のパーヴォによる演奏。父親に劣らない、緻密で豊かな表情に彩られた名演を聴かせている。…
ロシア/ソビエトのダンス音楽集ですね。濃厚なスラヴな味わいを求める人には向かないかもしれないが、鮮烈でかっこいい。ハチャトゥリアンの泥臭さも案外よく出ているし、ショスタコーヴィチのシニカルな雰囲気もう…
ゆったり進行中の全集録音第3集。モダンと古楽器の折衷作をとるヤルヴィたちの演奏は、どちら側の議論も吹き飛ばしてしまう勢いと生命力にあふれて、作品に込められた革新性が、わくわくされられるまでのリアリティ…
たとえば、第3楽章がこれほど軽やかな演奏は珍しいかも。前半の二つの楽章ではあまりにも繊細と思われる箇所もあるが、その反対にかつて体験したこともないすがすがしさもある。決定盤とは言えないが、曲に新しい光…
パリ管の首席指揮者就任が決まり、21世紀の指揮界を担う一人として、ますますその存在感を増しているヤルヴィの、鮮烈なプロコフィエフ。プロコフィエフの対照的な作品を取り上げ、その鋭い表現力を発揮している。…
肩透かしを食ったようにあっさりとした「悲愴」は、ドイツ・カンマー・フィルとのベートーヴェンに聴かれたようなドライヴ感も希薄。ところが、パーヴォの潔い語り口の上手さにいつしか乗せられて、忘我の境地に漂う…
ハケか何かで皮膚をサッとなでたような超軽量演奏。小編成で古楽器奏法を取り入れ、使用楽譜は最新のもの、この方法はすでにほかの指揮者が試みたことである。違うと言えば違うが、根本的なものではないので指揮者の…
スマートな演奏だ。もはやラフマニノフのというより“交響曲”としての定位置を確保したともいえるアプローチの印象。第1楽章の衒いのなさ、そして甘美なアダージョもさらりとこなす。現代的なロマンティシズムが漂…
シンシナティ響を、一躍アメリカのメジャー・オーケストラに匹敵するまでに引き上げた指揮者ヤルヴィによる、イギリス近現代の作曲家二人の作品集。ヤルヴィのグローバルなセンスがうかがえる1枚だ。…
パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルが一体となって新たな地平に踏み出した記念碑的企画の第1弾。ベーレンライター版、小編成オケ、古楽器の一部使用などなど、すでにやり尽くされたかにも思える技の総合が…
バルトークはハンガリー、ルトスワフスキはポーランド。両者ともに圧制を受けながら祖国への思いを音楽に投入した、いわば入魂の作品を残した。本盤に収録された作品はいずれも民謡を素材として高潔な音楽に昇華させ…
快調にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の録音を進める仲道郁代と、上昇気運にあるパーヴォ・ヤルヴィとによるまさに絶好調の共演。仲道は自信に満ちた堂々たるソロを展開。ヤルヴィは切れの良い引き締まったベー…
“新世界”の刺激による新たな響きと、カラダの底に染みた“チェコ”の生理が混じり合う2作。ヤルヴィは過剰な身振りを避け、端的といった風情で、その近しさと時を隔てた混交のかたちの違いを浮き彫りにする。オケ…
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