
映画『君の名は。』の主題歌4曲に、野田洋次郎が新たに英語詞を書き下ろしたイングリッシュ・ヴァージョンを収録。注目は「Zenzenzense」のサビだが、やはり“あのフレーズ”は原曲そのまま。とはいえ、英語詞でもまったく違和感を抱かせることなく、むしろ疾走感が際立っているよう。

2015年でメジャー・デビュー10周年を迎えた彼らが、10周年記念日の2日後にリリースしたシングル。「記号として」はひとつひとつの音のエッジの鋭さが鈍い光を放つロックンロール。「‘I' Novel」は東京メトロのCMソング。穏やかなメロディに包まれたアイディアに満ちたアレンジが面白い。

RADWIMPSの7枚目のアルバム。人生は“○×ゲーム”のように答えが二択で絞られることって少ないし、神は、神頼みをする時たまに登場するぐらいで、罰を与えるほど私たちにとって近しい存在ではないんじゃないか。言葉の連なりによって、最後に信じられるのは自分という存在だと気づかされる。

前作に続き、KYOTAROが手掛けたジャケット・アートワークにも目を奪われる両A面シングル。どこか傍観者的な佇まいからストーリーが紡がれていく2曲で、淡々としているようで落ち着かない、不思議なほどの緊張に揺さぶられる。カップリングはおなじみ(?)“味噌汁's”7年ぶりのナンバー 。

前作からおよそ7ヵ月ぶりとなる2013年第1弾シングル。丁寧に作りこまれたアンサンブルはまるでファンタジー映画を観ているように繊細で、ミクロな視点から徐々に視野を広げていく野田洋次郎らしいセンスに満ちた歌詞も見事。レコーディングのドキュメントを収めた特典映像も見もの。

2012年1発目のリリースとなるシングル。「シュプレヒコール」は、疾走し、きらめくギターが印象的。世の中にあふれる欺瞞と向き合い、わずかな希望や命の尊さを聴く者に語りかけてくる一曲。「独白」は、野田(vo)がバンドを始めた頃の思いなどを回想し、まさに独白している異色曲。

新世代ロック・バンドの6枚目。中心人物の野田洋次郎による、言葉数の多い歌詞を矢継ぎ早にたたみかけるヴォーカルという独自のスタイルに、いっそう磨きがかかっている。特に諦念と希望の間を行き来するような世界観は、もはや孤高といえるかも。アイディアに富んだ音作りもおもしろい。

前作「DADA」から1ヵ月で発表の2011年第2弾シングル。自分ではどうすることもできない歯痒さを綴った歌詞を、憂いを帯びたバンド・サウンドに乗せた楽曲だ。カップリングの「寿限夢」は、三段活用や元素記号の周期表など、語呂合わせの暗記法がちりばめられたユニークな“受験生を応援する歌”。

2001年結成、メンバー全員が85年生まれの4人組バンドのシングル。攻撃的なリズムとギター・リフ、言葉がはじけ出す「DADA」からは、90年代ミクスチャーの音がする。彼らの演奏力の高さを保証するパワフルなナンバーだ。一方の「縷々」はしんみり聴かせるフォーク・ソング。★

2年5ヵ月ぶりのシングルは、2タイトル同時リリース。「マニフェスト」は社会風刺を予感させるタイトルだが、純粋なやさしさと愛にあふれた歌詞で、“国民から1円ずつ集めて結婚式を”という発想がユニーク。野田洋次郎のソフトな歌声とエッジの利いたギター・サウンドが気持ちいい。

4ピース・ロック・バンドのシングル。「携帯電話」のリード・ギターのリックやマンドリンの音が喚起させるカントリー・フレイヴァ―と今時の若者風の歌声のミスマッチ自体かなりのインパクト。「ハイパーベンチレイション」はポップなシティ・ファンク調が基調だが、途中で出てくる仕掛けやギター・フレーズの異常ぶりが超快感。★

4人組ロック・バンドの約2年3ヵ月ぶりとなる5枚目。センチメンタルなメロディのいい曲を書く一方、野田洋次郎の超早口ラップ風ヴォーカルや合唱隊風コーラス、エレクトロ・ビートの導入など突飛なアイディアが盛り込まれ、一筋縄ではいかぬ奇妙な魅力がある。

男性4人組のロック・バンドのシングルはとてもユニークな曲。ブリテッシュ・フォークっぽいサウンドをバックに、神か悪魔と僕との問答(?)を通して、人間として生きる道を指し示す構成。難しいテーマをわかりやすい言葉で歌いかけてくれ、思わず納得。

時代を変えるバンドとしてブレイクしている4人組の4作目。噂にたがわず、ラップも歌もごちゃまぜの才気あふれる折衷型ロック・サウンドに乗せ、別次元の感性と革命的な言語感覚を駆使したダイナミックなラブ・ソングが炸裂するとんでもない作品だ。天才と言うほかはなし。★

2005年から2006年にかけて、もっとも注目を集めることになった超新星バンド、RADWIMPSのメジャー・デビュー・アルバム。西海岸メロコア〜エモコアのエッセンスを血肉化した彼らのロックは、激しくて楽しく、繊細にしてダイナミック。キュートな旋律もいい。