
デビュー15周年を迎えた安藤裕子の、初のセルフ・プロデュース作品。ゆったりとした浮遊感をたたえた「SVAHA」、寓話的な世界観を備えた「太古の時計」など、切なくも美しいグルーヴを感じさせる歌、背景に豊かな物語が広がる歌詞の世界をじっくりと堪能できる逸品だ。

大塚 愛やCHARAなど親交のあるアーティストからの提供曲で作られた一枚。いつもの安藤裕子のようでちょっと違う。各アーティストへのお礼の手紙つきで読みながら聴くと味わい深い。DVDには2015年6月16日東京・恵比寿 LIQUIDROOMでのライヴ全15曲105分+MV2曲収録と大サービスの特盛アルバム。

スキマスイッチが書き下ろした安藤裕子のシングル。“ぜんほうい さらうんど”と読むタイトル曲は、美しいピアノやストリングスが映える夏っぽさ全開のポップ・チューン。レンジの広いメロは彼女の歌声の魅力を完璧に引き出している。「うしろゆびさされ組」のカヴァーでキュートにキメる。★

映画『ぶどうの涙』にも女優として出演したシンガーの8作目。演技経験が音源にもフィードバックされたのか、演劇的と言ってもいいほど表情豊かで情感たっぷりの歌声が堪能できる。時にドリーミーでカラフルなアレンジも秀逸だ。松田聖子へのオマージュという歌謡曲風の「You」が秀逸。

自身の名曲である「隣人に光が差すとき」「聖者の行進」など4曲をリアレンジ。さらに新曲と原田知世「早春物語」のカヴァーを収録したミニ・アルバム。フォークとソウルの挟間をいく独特なアコースティック・サウンドは彼女にしか醸しだすことができない空間を生んでいる。

原点回帰を意識しつつ、その音楽性を進化させた、とてもカラフルな7枚目のアルバム。美しいバラード「ようこそここへ」から、情感込めた別れの歌「グッド・バイ」まで、輪郭のはっきりとした楽曲たちが織りなす感情の抑揚に身を委ねていると、あらためて彼女の稀有な世界観、その深みがわかる。

77年生まれのシンガー・ソングライターによる6作目で、GREAT3の白根賢一が1曲作曲したほかは曲も歌詞もみな彼女が書き、ギター、ベース、ドラム、鍵盤楽器が基本のシンプルな音がサポートする。母親になった直後のレコーディングということも影響したのか、まっすぐで力強い歌唱が印象的。

シンガー・ソングライター、安藤裕子のシングル。NHKドラマ『カレ、夫、男友達』主題歌として書き下ろした「輝かしき日々」と「エルロイ」ともに、タルトにがっつくジャケのごとく欲に素直な女を描写。特に砂原良徳リミックスの後者は“エロイ”と聴こえる確信的なフックを含め、見事なアングラ感だ。

シングルのカップリングなどに収録されてきた“大人のまじめなカバーシリーズ”の集大成。樋口康雄やサザン「松田の子守唄」などマニアックな選曲もあるが、マニアック一歩手前の選曲のセンスが素晴らしい。バウンス16ビートに変身した「君は1000%」など、モダンなリアレンジがハマリすぎている。

5枚目のアルバムは全曲安藤裕子自身の作詞・作曲だが、言葉の選び方もメロディも本人の色がハッキリ出ていて、独特のヴォーカル・スタイルがより活かされている。粘りつくような唄声のなかに繊細さが見え隠れして、不思議な魅力を醸し出す。ストリングスがからんだ「マミーオーケストラ」のようなタイプの楽曲も似合っている。

DSソフト『レイトン教授と魔神の笛』のエンディング曲になった8枚目のシングルは、出会いと旅立ちをテーマにしたミディアム曲。優しく力強い歌詞を壮大なバラードに乗せた。「君に、胸キュン。−浮気なヴァカンス−」はYMOの名曲をドゥ・ワップっぽいアレンジを加えてファンキーにカヴァー。「人生お見舞い」は初のオリジナル・フォーク・ソング。

安藤裕子の2枚組ベスト。以前、仕事場のFMで偶然耳にして衝撃を受けた曲は、デビュー・シングル「水色の調べ」だということが判明。清冽でエロティックで奔放な安藤ワールドを聴くにつけ、俺は矢野顕子を感じてしまうのだが、デビュー時にカヴァーしてました。★

1年3ヵ月ぶりのアルバムは、スカパラの茂木欣一をゲスト・ヴォーカルに迎え、小沢健二の楽曲のカヴァーなど新基軸を開拓。「HAPPY」は末光篤(SUEMITSU & THE SUEMITH)の書き下ろし曲などオリジナル以外のコラボも楽しめ、彼女の透明感と情感あふれるヴォーカルを堪能できる。

8枚目のシングルは、切ない声が幾重にも折り重なり独特の世界観をかもし出すメロディアスなポップ・ナンバー。流れるような山本隆二との共作によるメロディが、至極に心地よい。カップリングには早瀬優香子が86年にリリースした「セシルはセシル」をディスコ・ポップにカヴァー。

7枚目のシングルは、映画『自虐の詩』の主題歌として書き下ろされた、ミディアム・バラード。ゆったりとたゆたうメロディ・ライン、やわらかいストリングスをフィーチャーしたアレンジ、危うさと生命力を同時に感じさせるヴォーカルがナチュラルに溶け合う、珠玉の名曲。

シングル「TEXAS」「The Still Steel Down」を含む3作目。佐野康夫(ds)、沼澤尚(ds)、沖山優司(b)といったミュージシャンによる質の高いサウンドのなかで、70〜80年代のニューミュージックを彷彿とさせる歌が舞う、優しくて儚いポップ・ミュージック・アルバム。

スカパラ、カーネーションといった彼女の楽曲ではおなじみのミュージシャンの演奏のもと、繊細なヴォーカルが水彩画のような美しい世界を描き出す。(2)は1986オメガトライブのカヴァー。あのリゾート・シティ・ポップが、アンニュイに変貌。まさに“大人の遊び”といった感じ。

2006年初となるシングルのリリース。前作「のうぜんかつら」に続いて山元隆二との共作。彼女独特の音世界は今回も変わらず、甘く切ないバラードをしっとりと描く。懐かしいところで81年の鹿取洋子のカヴァー「ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ」を収録。

初期の荒井由実に通じるポップス・センスと、コケティッシュなヴォーカル。そして全体を包み込むのは、ケイト・ブッシュ、ミレーヌ・ファルメールを思わせるシュールな音世界。そこに、いまの第一線級の新鮮な息吹が注ぎ込まれ才能あふれるアルバムに仕上がった。★

本人自ら出演している携帯電話CMのテーマ・ソング。懐かしさと新しさが同居した、アーバンかつメロウなスタイリッシュ・ポップス。矢部浩志(カーネーション)、TOKIEのリズム隊、そしてスカパラホーンズが参加し、サウンド面で彼女のヴォーカルを彩っている。

最近の女性シンガー・ソングライターの中ではスバ抜けた才能を感じさせる安藤裕子のシングル。(1)は韓流ホラー映画『人形霊』の日本公開版主題歌。スケールの大きいバラードです。(2)(3)も軽やかな快作。ちなみにジャケットの油絵も本人作。多才だ。

2005年の第1弾シングルは、結婚する友人に贈られたウェディング・ソング。豪華サポート・メンバーに物怖じすることなく、時に女性らしくしなやかに、また時に凛と背筋を伸ばしてみせる奔放なヴォーカルが、とびっきりのハッピーを届けてくれる。

ファースト・アルバム。椎名林檎やCharaを思わせる、コケティッシュで小悪魔的な声が印象的な人だが、型にはまらない自由奔放さやソウルフルなフィーリングが魅力だろう。ファンクやジャズなど大胆なアプローチのサウンドも、彼女の個性的な歌声とよく合っている。

宮川弾と白根賢一(GREAT3)をソングライターに迎えて制作された初のシングル。東京スカパラダイスオーケストラやカーネーションのメンバーがサポート・メンバーとして参加しているのも話題だが、彼女の豊かな表現力にまずは注目。矢野顕子のカヴァーも秀逸。

2003年7月にデビューして話題を呼んだシンガー・ソングライター、安藤裕子のセカンド・ミニ・アルバム。Charaを思わせるキュートなメロディに映像的な歌詞を乗せ、彼女の個性をより前面に出した好盤。美しい喫煙姿のジャケット写真にも注目!

新人女性シンガー・ソングライターのファースト・ミニ・アルバムなのだが、これは逸材かも。ヴォーカルはソウルフルな粘りのある声で、型にはまらず自由に飛び跳ねているし、鋭利な感性があふれ出すような歌詞も独自性がある。多様な可能性を秘めた個性派アーティストだ。