ガイドコメント
1970年発表の3rdアルバム。フォークやブリティッシュ・トラッドの要素を採り入れてアコースティックなナンバーが並び、ツェッペリンの意外な一面と方向性を打ち出した1枚。
収録曲
01IMMIGRANT SONG
『レッド・ツェッペリンIII』(70年)の冒頭を飾る有名曲。 “ア、ア、ア〜、ア!”というハイトーンが炸裂する絶品のハード・ロック。プロレスラー、故ブルーザー・ブロディの入場テーマ曲としても有名。
02FRIENDS
フォーク・ロックにインド音楽やアラブ音楽の要素を導入した曲。変則的なオープン・チューニングによる生ギターとタブラ感覚のボンゴに低空飛行のアラブ風ストリングスが絡みつく。プラントのヴォーカルにもインド〜アラブ系の影響が感じられる。
03CELEBRATION DAY
スピード感あふれるギター・ストロークから始まるアップテンポのハード・ロック・ナンバー。多重録音されたペイジのギターの音色が堪能できる。一瞬の閃きから生まれたような曲でも常にポップ/ロックの水準を軽く超えているのが初期ZEPの凄いところ。
04SINCE I'VE BEEN LOVING YOU
初期ZEPのスロー・ブルースの中でも特に人気の高かった曲。静と動の対比を強調しながらドラマティックにピークへと盛り上げていく展開はZEPならでは。熱唱するプラントの「Watch out!」から始まるペイジのエモーショナルなギター・ソロも素晴らしい。
05OUT ON THE TILES
ボンゾが考えたリフから生まれた曲。ボンゾらしい変則的なリズム・パターンに牽引された狂躁的なサウンドは、ZEPというバンドの超人的なタフネスぶりを象徴している。中期以降のZEP流ファンク・サウンドの予告篇、と言うこともできるかもしれない。
06GALLOWS POLE
レッドベリーのヴァージョンで知られる英国古謡。6弦と12弦の生ギター、バンジョー、マンドリン、エレキ・ギターなど多様な弦楽器にタブラを絡ませた個性的なサウンドが聴ける。絞首刑をモチーフにした歌詞も含めて、当時のZEPの最も意欲的な曲のひとつ。
07TANGERINE
ペイジがヤードバース時代に書いた曲。フォーキーな曲だが、ペダル・スティール・ギターが奇妙な効果を生み、英国産トラッドと米国産カントリーが異次元で出会ったようなサウンドになっている。歌詞の内容は、前世か、あるいは生まれ変わりの物語のようだ。
08THAT'S THE WAY
作詞家としてのプラントの成長を感じさせる曲。波のように押し寄せるギター群のサウンド、インド風のフレーズを奏でるペダル・スティール・ギター、そしてプラントの催眠的な歌声が聴き手を別の世界へと誘う。時間を忘れさせる音楽が欲しければ、これがそれ。
09BRON-Y-AUR STOMP
スノウドニアのコテージ“ブロン・イ・ヤー”で作られた曲。プラントの愛犬についての歌だと言われている。アン・ブリッグスやバート・ヤンシュの影響も感じさせる英国古謡風の賑やかな曲だが、そこはかとなく東洋的なニュアンスもあるところがZEPらしい。
10HATS OFF TO (ROY) HARPER
ブッカ・ホワイト版「Shake 'Em On Down」を下敷きにしたペイジとプラントのジャム・セッション。ペイジのボトルネック・ギターがフィーチャーされている。タイトルは、英国のシンガー・ソングライター、ロイ・ハーパーへのリスペクトの念を表明したもの。