ガイドコメント
82年に発売された5thアルバム。研ナオコへの提供曲をセルフ・カヴァーした「夏をあきらめて」、未シングルながら超有名曲「Oh! クラウディア」など、ロックンロールからバラードまで充実の全13曲。
収録曲
01DJ・コービーの伝説
人気アルバム『NUDE MAN』のオープニング曲。親交のある小林克也をテーマにしたパーティ感全開のロック・ナンバーで、歌詞にはやはり「お願いD.J.」でモノ真似を披露したウルフマン・ジャックが登場する。
02思い出のスター・ダスト
横浜を舞台にした6/8拍子のラブ・バラード曲。抜群の歌唱力を発揮した桑田佳祐の熱いヴォーカルとゴスペル風の重厚なコーラスが聴きどころ。“スター・ダスト”とは横浜に実在するバーだといわれている。
03夏をあきらめて
ご存知、研ナオコの代表的名唱で知られるサザン・クラシックス。その切ない歌謡メロディはすでにスタンダードの域。有名なフレーズ「熱めのお茶を飲み意味深なシャワーで〜」はスチャダラパーも引用している。
04流れる雲を追いかけて
原由子ヴォーカルのライト・バラード。彼女の穏やかな歌声と昭和風のレトロなバッキング演奏が歌詞の舞台である戦前の中国を連想させる。“進軍ラッパが〜”ではドラムが行進曲風になるなど、粋なアレンジが施されている。
05匂艶 (にじいろ) THE NIGHT CLUB
15枚目のシングル曲。華やかなアレンジによる80年代ディスコ風サウンドが特徴的で、特にライヴで人気の高いナンバー。“男も濡れる”や“女も立たす”など、ひとヒネリある桑田佳祐らしいエロティシズムも魅力的。
06逢いたさ見たさ病めるMy Mind
電話のプッシュ音ではじまるミディアム・バラード。男性の共感を得る女々しいほどに柔な恋心を綴った歌詞と桑田の切ない声が味わいどころ。ホンキー・トンク系のピアノ・ソロなど、気の利いたアレンジが施されている。
07PLASTIC SUPER STAR (LIVE IN BETTER DAYS)
ライヴ・レコーディングされた痛快なロックンロール・ナンバー。ライヴならではのリアルな臨場感とストレートで単純明解な曲調が魅力。桑田ならではの鋭い皮肉を交えながら、スーパー・スターについて歌い上げる。
08Oh!クラウディア
まるでディープ・ソウルのようなテイストを持つ珠玉のバラード。ソウル・シンガー桑田佳祐の“シャウター”としての実力が存分に発揮された歌唱が聴きどころで、特にラストの歌い上げは鳥肌もの!
09女流詩人の哀歌
バウンスするリズムと洗練されたホーンが印象的なソウル〜ファンク風ナンバー。ささやくような歌いまわしのAメロやEW&Fのようなハイ・トーンを聴かせるブリッジ部分など、セクシーなヴォーカルを堪能できる。
10NUDE MAN
アルバムのタイトルとなった1分あまりの短いファンク・ナンバー。ジェームス・ブラウンやサッチモのようなパンチの効いた桑田のヴォーカルが魅力。公式の歌詞カードはないが、ロッキード事件がテーマだと言われている。
11猫
ギターの大森隆志が作詞作曲を手掛け、ヴォーカルを担当したナンバー。70年代フォーク・ミュージックやGSを彷彿とさせるチャーミングなポップ・ソング。一見、ほのぼのとした歌詞だが、意味深なフレーズも含まれている。
12来いなジャマイカ
過激な歌詞で知られるレゲエ・ナンバー。複数あるサザンのレゲエ調の楽曲の中でも特にアレンジの完成度が高い。多様な声色を自在に使い分ける桑田と独特の高音を聴かせる原由子のヴォーカルが印象的。メロディも非常にユニーク。
13Just A Little Bit
5thアルバム『NUDE MAN』のラストを飾る甘いバラード曲。色っぽいサックスや華麗なストリングス、深みのある桑田のヴォーカルなど、バラードらしい魅力が満載。嫌味のない必要最低限のアレンジも好印象。